吉川医薬経済レポート 2007年 4月号[データと情報]

日本市場構成比10%を割り込む

IMS Health社は07年3月20日付けpress releaseで06年の世界市場のデータを発表した。 それによると日本市場の全世界医薬品市場での構成比はついに10%を割り込んでしまった。
http://imshealth.com/ims/portal/front/articleC/0,2777,6319_3665_80560241,00.html

今回の発表数値に,過去にIMS社が発表した数値を加えて時系列的に表示し,さらに各地域の構成比と前年比成長率を計算して表示する。

地域別市場規模                            単位:売上,10億米ドル。 06/01,倍率
地域01020304050606/01
IMS実査北米182204230248265.7289.91.59
欧州88102130153169.5181.82.07
日本4847525860.356.71.18
AAA2832374046.452.01.86
中南米1917171924.027.51.45
IMS実査分合計364401466518565.9607.91.67
全世界3904274975596016431.65
(再掲)中国----11.713.4-
(再掲)インド-----7.3-
IMS実査:IMS社が実地調査している地域の数値。  AAA:アジア・アフリカ・オセアニア(Australasia)の略。  全世界:IMS社が実地調査していない地域を含む全世界の推定値。

地域別構成比                                 単位:構成比,%。 06-01:減算値
地域01020304050606−01
IMS実査北米4748464444.245.1-1.9
欧州2324262728.228.35.3
日本1211101010.08.8-3.2
AAA77777.78.11.1
中南米54334.04.3-0.7
IMS実査分合計9394949394.294.51.5
全世界100100100100100.0100.0-
(再掲)中国----1.92.1-
(再掲)インド-----1.1-
四捨五入の関係で数値の加算値が合計値と合わない部分がある。

地域別前年比成長率                             単位:成長率,%
地域010203040506-
IMS実査北米-12.112.77.87.19.1-
欧州-15.927.517.710.87.3-
日本--2.110.611.54.0-6.0-
AAA-14.315.68.116.012.1-
中南米--10.5011.826.314.6-
IMS実査分合計-10.216.211.29.27.4-
全世界-9.516.412.57.57.0-
(再掲)中国-----14.5-
(再掲)インド-------

地域別市場規模の表を見ると,地域別順位は変わらないが,AAA諸国が日本に迫る勢いが注目される。 また,06/01倍率では欧州が突出しているが,ユーロ高と中東欧諸国のGDP拡大による需要増が寄与していると想像される。
地域別構成比では,01年に比して06年は,欧州とAAA諸国が比率を高め,北米,日本,中南米が比率を下げた。 日本の比率が10%を割り込み,AAA諸国が日本に肉薄してきている。

地域別前年比成長率では,北米と欧州が下降トレンドを示しており,成長鈍化傾向を読み取ることができる。 他の3地域(日本,AAA諸国,中南米)はジグザクな推移を辿っている。 IMS実査分合計と,全世界でも成長鈍化傾向が覗われる。 再掲の中国市場の06年成長率は14.5%と高い数値を示している。

日本市場の06年成長率は−6.0%となっているが,IMS Japan社発表(化学工業日報07.03.20号)による日本市場の06年1月〜12月実績が,前年比−0.6%となっているのと比較して円安の影響が大きいと考えられる。

日本市場は,かっては世界市場の20%以上を占めるとされてきたが,次第に比率を下げ,06年にはついに10%を割り込む8.8%にまで落ち込んだ。 世界市場は今後も年率数%程度の成長を続けると予想されるが,もしも日本市場がこれに追随する成長率を保持できないならば,構成比はますます落ち込み続ける可能性がある。 日本市場が世界的に見て魅力の無い市場へ,そして見捨てられる市場への道を辿るのではないか? そんなことが数値から危惧されるのである。

                

(2007.03.31.執筆YPC)





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