吉川医薬経済レポート 2004年5月号 号外1

くすり点描:SelfmedicationにふさわしいOTC薬



Selfmedicationは直訳すれば「自己医療」となる。 自己責任のよる医療という意味であろう。 OTC薬はselfmedicationの主役と目されている。 風邪薬,胃腸薬,皮膚の薬など軽い病気の治療薬はよく知られている。 しかし,これらのほかにもselfmedicationにふさわしい薬が幾つかある。 目についたものを紹介しよう。

分類商品名企業効能・効果成分
精神安定剤メンテック・ハーブエーザイ緊張感・興奮感・いらいら感の鎮静,上記症状に伴う頭痛・疲労倦怠感の緩和カノコソウエキス,チャボトケイソウエキス,チョウトウエキス,ホップエキス,ニンジンエキス
睡眠改善剤ドリエルエスエス製薬一時的な不眠の次の症状の緩和:寝つきが悪い,眠りが浅い塩酸ジフェンヒドラミン
動悸改善剤救心救心カプセル救心製薬どうき,息切れ,気つけセンソ,ジャコウ,ゴオウ,ニンジン,レイヨウカク末,シンジュ,リュウノウ,ドウブツタン
救心内服液救心製薬どうき,息切れ,気つけゴオウチンキ,ロクジョウチンキ,センソ,タウリン,塩酸チアミン,プロキシフィリン,無水カフェイン
尿失禁・頻尿改善剤ハルンケア内服液大鵬薬品工業体力の低下,下半身の衰え,手足の冷えを伴う次の症状の緩和:軽い尿もれ,頻尿(小便の回数が多い),残尿感,尿が出渋る生薬エキス(ジオウ,タクシャ,ボタンピ,ブクリョウ,サンシュユ,サンヤク,ケイヒ,炮附子)

 救心は以前から知られているが,他の3種は最近発売品である。 これらを見るとOTC薬が軽い疾患の自己治療用から,QOL(生活)改善,加齢に伴う症状改善という方向へ拡がりつつあることが窺われる。
  軽い疾患治療――救心
  生活(QOL)改善――メンテック・ハーブ,ドリエル
  加齢症状改善――ハルンケア

さらに,これらに生活習慣病(血圧が高め,血糖が高め,血中コレステロールが高めなど)の薬が加われば,生活者のニーズにかなったOTC薬が認識されるようになるであろう。 そういう方向への展開は進むであろうが,その歩みは遅々としたものになるであろう。 また,4種中3種が生薬製剤であることも注目される。

因みに03年4月発売のドリエルは1年間に240万個以上が売れ,売上高30億円強に達したと報道されている(日本経済新聞,04.05.01.朝刊)。  生活者のニーズに適合した一例であろう。

 薬剤師教育6年制が決定した。 OTC販売が,6年制薬剤師の活躍の場としてふさわしくなるためにもこの種の製品の輩出を望みたい。

                

(2004.05.10.YPC)





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