| 医薬品評価誌The Medical Letterメルマガ#1352 [【短信】クロピドグレルとオメプラゾール/腎結石治療薬/アリスキレン/アムロジピン合剤(Tekamlo):新しい降圧配合剤/中咽頭カンジダ症治療薬ミコナゾール(Oravig - Strativa)] |
「The Medical Letter日本語版」は、原則的にFDA承認新薬[新規成分]の全部を評価しますが、
その領域の主要薬剤の位置づけと評価、更に市場・最新動向をレポート。
●What' New
| 調査レポート[抗体医薬・分子標的薬]−その実態と展望−2011を発行しました。 新刊! 詳細→http://www.medmk.com/ykk/ ;2011.1.11 |
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| 第1352号のトピック![2010.12.29] |
| 【短信】クロピドグレルとオメプラゾール |
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腎結石治療薬
アリスキレン/アムロジピン合剤(Tekamlo):新しい降圧配合剤 中咽頭カンジダ症治療薬ミコナゾール(Oravig - Strativa) |
| 【短信】クロピドグレルとオメプラゾール |
Clopidogrel and Omeprazole
抗血小板薬クロピドグレル(Plavix;プラビックス錠25mg,75mg)服用患者への胃腸出血予防を目的としたプロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用は、クロピドグレルの活性化を妨げ、抗血小板作用を低下させることから、心血管イベントリスクを高める可能性がある1。 無作為化プラセボ対照試験(COGENT)で、クロピドグレルとアスピリンを服用している患者にPPIオメプラゾールを投与したところ、胃腸出血の発生率は低下し、心血管イベントリスクの増加もみられなかったが、心血管イベントの発生数が少なかったうえに用いられたオメプラゾールは一般的な製剤ではなかった2。 同誌の同じ号で、FDAは、COGENTの結果からクロピドグレルとオメプラゾールの併用は安全だと結論しないよう警告を発表した3。
【日本語版コメント1352〜【短信】Clopidogrel and Omeprazole】
→詳細は参考資料●MLリソース:血栓溶解剤,抗血栓薬に纏めた。 FDA reminder to avoid concomitant use of Plavix (clopidogrel) and omeprazole Drug Safety and Availability[2010.10.27] 医薬品安全性情報Vol.8 No.24(2010/11/25) kホ Clopidogrel[‘Plavix’]とomeprazole:併用を避けるよう注意喚起.................8
| 腎結石治療薬 |
Drugs for Kidney Stones
腎仙痛は救急治療においてよく見られる問題である。 直径5 mm未満の結石は自然に通過するが、直径10 mmを超えると通常は通過しない1。 通過しない結石に対して行われる治療は、尿管鏡を用いたレーザー砕石または衝撃波砕石である2。 一部の臨床医は、最初にタムスロシン(Flomax他;ハルナールD錠0.1mg,0.2mg他)のような経口α遮断薬、あるいはニフェジピン(Procardia XL他;アダラートL錠10mg,20mg他)などのカルシウム拮抗薬の適応外使用、もしくはさらにコルチコステロイドの併用を試してみるよう提案している。 アドレナリン受容体もカルシウムチャネルも尿管の収縮において役割を果たしていると考えられている3,4。
【日本語版コメント1352〜腎結石治療薬】
→詳細は参考資料●MLリソース:腎臓結石に纏めた。
【要約】
・腎結石の内科治療についてまとめた。
・尿管の収縮にはアドレナリン受容体やカルシウムチャネルが役割を果たしていると考えられていることから、タムスロシンなどのα遮断薬、あるいはニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬の適応外使用、もしくはさらにコルチコステロイドの併用が提案されている。
・小規模単施設試験を中心とした47試験のメタアナリシスで、直径≦10 mmの上部尿管結石に対するα遮断薬またはカルシウム拮抗薬による治療は、事前の体外衝撃波砕石の有無にかかわらず、結石の排出に有効で、鎮痛薬の必要量が少なかった。
| アリスキレン/アムロジピン合剤(Tekamlo):新しい降圧配合剤 |
Aliskiren/Amlodipine (Tekamlo): Another Combination Tablet for Hypertension
FDAは、直接レニン阻害薬アリスキレン(Tekturna;ラジレス錠150mg)とカルシウム拮抗薬アムロジピン(Norvasc他;ノルバスク他)の配合剤Tekamlo (Novartis;日本ではSPA100[ノバルティス]P3)を、単剤でコントロール不良、あるいは既に両薬剤を服用している高血圧患者の治療薬として、また血圧コントロールに複数の薬剤が必要と考えられる患者への一次治療薬として、承認した。 アリスキレンもアムロジピンも既に他の降圧薬との配合剤がある1。
【日本語版コメント1352〜アリスキレン/アムロジピン合剤(Tekamlo):新しい降圧配合剤】
血圧調節と体液・電解質の恒常性維持に重要な働きを示すレニン‐アンジオテンシン‐アルドステロン系(renin-angiotensin-aldosterone system:RAA系)に作用する薬剤としては、すでにACE阻害薬やARBがあり、いずれも第一選択薬として国内外で汎用され、近年の大規模臨床試験ではそれらの臓器保護効果が証明されている。しかし、ACE阻害薬はキマーゼや非ACE経路由来のアンジオテンシンU(AngU)の産生は阻害せず、またARBはAngUのアンジオテンシンU受容体サブタイプ1(AT1)への作用は遮断するがAngUは増加させる。このため、ACE阻害薬、ARBはRAA系を十分には抑制できず、腎臓からのレニン分泌を抑制するネガティブフィードバックが減弱するため、代償的に血漿中レニン濃度及び血漿レニン活性(plasma renin activity:PRA)が上昇する。 レニン阻害薬は、RAA系の起点に位置する酵素のレニンを阻害し、すべてのアンジオテンシンぺプチドの合成を抑制し、RAA系全体を抑制することが期待され開発されたが、バイオアベイラビリティや降圧効果、及びその持続性に多くの問題があった。アリスキレンは、経口投与が可能で降圧効果の優れたレニン阻害薬を見いだすことを目的とした研究から、ヒトレニンに対する阻害活性の強い化合物として見出された。 ラジレス(一般名:アリスキレンフマル酸塩)は、2007年3月に米国ではじめて承認されて以来、同年8月に欧州で承認され、日本においては、高血圧症を適応症として2009年7月に承認された。 アリスキレンの配合剤も開発され、Aliskiren+HCTZ(Tekturna HCT)は米承認2008.1.18、Aliskiren+valsartan(Valturna)は米承認2009.9.16、今回採上げたAliskiren+amlodipine(Tekamlo;SPA100)米承認2010.8.26(日本ではP3)。 市場としては依然ARB製剤が世界の70%を占め、そのトップDiovan[Novartis](valsartan)$6,053百万(2010年)に対し、Rasilez[Novartis](aliskiren)売上は10%以下の$438百万(前年比+51%)だが。
→詳細は参考資料●MLリソース:高血圧治療剤●MLリソース:高血圧治療剤[追補]に纏めた。
【要約】
・直接レニン阻害薬アリスキレンとカルシウム拮抗薬アムロジピンの配合剤(Tekamlo)が承認された。
・適応は、単剤でコントロール不良あるいは既に両薬剤を服用している高血圧患者、もしくは血圧コントロールに複数の薬剤が必要と考えられる患者への一次治療。
・本配合剤の降圧効果はアムロジピン高用量投与とほぼ同等だが、浮腫を引き起こしにくい。
| 中咽頭カンジダ症治療薬ミコナゾール(Oravig - Strativa) |
Miconazole (Oravig) for Oropharyngeal Candidiasis
FDAは、成人の中咽頭カンジダ症の局所用治療薬として、ミコナゾールのバッカル錠(Oravig − Strativa;日本未開発)を承認した。 ミコナゾールは長年にわたり、表在性真菌感染症および外陰部膣カンジダ症に対する局所用剤として使用されてきた1。
【日本語版コメント1352〜中咽頭カンジダ症治療薬ミコナゾール(Oravig - Strativa)】
「患者調査2008」 によると真菌症患者数は、44.6万人。表在性真菌症が39.1万(大半が白癬)、カンジダ症5.2万。 抗真菌剤は一通り開発され、「皮膚真菌症診断・治療ガイドライン」(2009,日本皮膚科学会)にあるとおり、臨床に供されている。 しかし一方では、例えば悪性血液疾患に対する寛解導入や骨髄移植では,遷延性の好中球減少,移植片対宿主病(GVHD)やT細胞機能の低下に伴う免疫不全を背景に,主にカンジダやアスペルギルスによる深在性真菌症(侵襲性真菌感染症)が多発する。その頻度は寛解導入中の好中球減少例でたかだか10%にすぎないが,同種移植例では合併率が10〜25%と高く,死亡率もカンジダ症で20〜40%,アスペルギルス症で70〜90%に達する。
→詳細は参考資料●MLリソース:抗真菌剤に纏めた。
【要約】
・成人の中咽頭カンジダ症の局所用治療薬として、ミコナゾールのバッカル錠が承認された。
・従来はクロトリマゾールトローチやナイスタチン懸濁液が使用されていたが、投与回数の多さからコンプライアンスが問題であり、再発率も高かった。
・本剤は1日1回上顎歯肉に付着させて使用する。
・臨床試験ではクロトリマゾールトローチ1日5回投与に対する非劣性が示された。
| 製品名 | フロリード腟坐剤100mg (旧:フロリード) | フロリードゲル経口用2% (旧:フロリードゲル経口用) | フロリードDクリーム1% (旧:フロリードD) | フロリードF注200mg (旧:フロリードF注) | フロリードF点滴静注用0.267% |
| 添付文書 | 添文 | 添文 | 添文 | 添文 | 添文 |
| インタビューフォーム | [IF] | [IF] | [IF] | [IF] | [IF] |
| 製造承認日 | 2006年8 月9 日 (1979年8月) | 2008年3 月27日 (1993年1月) | 2006年8 月9 日 (1980年10月) | 2007年9 月27日 (1985年11月) | 2003年3月12日 () |
| 薬価収載日 | 2006年12月8 日 () | 2008年6 月20日 () | 2006年12月8 日 () | 2007年12月21日 () | 2003年7月4日 |
| 発売日 | 1980年2 月1 日 | 1993年3 月19日 | 1981年1 月10日 | 1986年2 月3 日 | 2003年9月18日 |
| 組成 | 1個中 日局 ミコナゾール硝酸塩 100mg | 1g中 日局 ミコナゾール 20mg | 1g中 日局 ミコナゾール硝酸塩 10mg | 本剤は1管(20mL)中日局 ミコナゾール 200mg を含む。 | 1瓶中に日局 ミコナゾール 200mg(75mL) または400mg(150mL) を含む。( |
| 適応症 | カンジダに起因する腟炎及び外陰腟炎 | カンジダ属による次の感染症:口腔カンジダ症または食道カンジダ症 | 下記の皮膚真菌症の治療;●白癬:体部白癬(斑状小水疱性白癬、頑癬)、股部白癬(頑癬)、足部白癬(汗疱状白癬) ●カンジダ症:指間びらん症、間擦疹、乳児寄生菌性紅斑、爪囲炎、外陰カンジダ症、皮膚カンジダ症 ●癜風 | クリプトコックス、カンジダ、アスペルギルス、コクシジオイデスのうち本剤感性菌による下記感染症; 真菌血症、肺真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎 | |
| 用法用量 | 1日1回1個を腟深部に挿入する。一般に6日間投与で真菌学的効果(一次効果)及び自・他覚症状の改善が得られるが、菌の再出現防止のためには14日間投与することが望ましい。 | 通常、成人にはミコナゾールとして1日200〜400mg(ミコナゾールゲル10〜20g)を4回(毎食後及び就寝前)に分け、口腔内にまんべんなく塗布する。なお、病巣が広範囲に存在する場合には、口腔内にできるだけ長く含んだ後、嚥下する。 | 1日2〜3回、患部に塗布する | 【点滴静注】 本剤を、ミコナゾールとして200mgあたり200mL以上の生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、通常、成人にはミコナゾールとして初回200mgより開始し、以後1回200〜400mgを1日1〜3回、30〜60分以上かけて点滴静注する。ただし、輸液量が制限される場合には、ミコナゾールとして200mgあたり50mL以上の生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、30〜60分以上かけて点滴静注する。また、髄膜炎の場合は髄腔内注入を併用する。 【髄腔内注入】 通常、成人にはミコナゾールとして1日1回5〜20mgを1〜7日ごとに髄腔内に注入する。 | 通常、成人にはミコナゾールとして初回200mgより開始し、以後1回200〜400mgを1日1〜3回、30〜60分以上かけて点滴静注する。また、髄膜炎の場合はミコナゾール注射液(1%)の髄腔内注入を併用する。なお、年齢・症状により適宜増減する。 |
【開発の経緯】 ベルギーのJanssen Pharmaceutica社により1967年11月に合成された 1-[2-(2, 4-dichlorobenzyloxy)-2-(2, 4-dichlorophenyl)ethyl]imidazoleは、 Candida albicans 、Microsporum canis 、Tricophyton mentagrophytes 、 Tricophyton rubrum 、Aspergillus fumigatus 等の真菌に対し強い抗菌活性 を示す抗真菌剤として開発され、国際一般名はmiconazole(ミコナゾール) と命名された。 海外ではミコナゾールはあらゆる真菌感染症に対応すべく複数の剤形が 開発され、これらのミコナゾール製剤は世界各国で広く使用されており、 WHOの必須医薬品にも指定されている。皮膚真菌症には外用クリーム剤 やローション剤、カンジダ外陰腟炎には腟坐剤と外用クリーム剤、口腔カ ンジダ症には経口ゲル剤が用いられている。 本邦においては1972年から持田製薬株式会社がミコナゾール硝酸塩を抗 真菌剤として開発することになり、1979年8月にはミコナゾール硝酸塩の外 用剤をフロリード腟坐剤100mg(旧販売名:フロリード)として、1980年10 月にはフロリードDクリーム1%(旧販売名:フロリードD)として、1984年 2月にはフロリードD液(外用液剤)として、さらに1985年11月にミコナゾー ルの注射剤をフロリードF注200mg(旧販売名:フロリードF注)として承認 を取得している。 一方、ミコナゾールの開発国であるベルギーをはじめ諸外国においては 口腔を含めた消化管真菌症に対する治療薬としてミコナゾールゲル剤が開 発され、既に臨床上広く用いられている。本邦における初期第U相試験成 績では、ミコナゾール2%ゲルは1回2.5〜5g(ミコナゾールとして50〜100mg)、 1日4回投与にて口腔カンジダ症に対し有効かつ安全な薬剤であることが示 唆された。また、本剤の至適投与量並びに臨床的有用性を客観的に評価す るために全国44施設において口腔カンジダ症を対象としたミコナゾール 0.1、1及び2%ゲルの3群比較による二重盲検試験が実施された。その結果、 口腔カンジダ症に対してミコナゾール2%ゲル1回2.5〜5g(ミコナゾールと して50〜100mg)、1日4回投与の有用性が認められた。一方、初期第U相 試験並びに全国16施設で実施された一般臨床試験において食道カンジダ症 に対する有用性も示唆された。 以上より、本剤は口腔カンジダ症並びに食道カンジダ症の治療剤として 有用性の高いことが確認され、1993年1月に「フロリードゲル経口用」とし て承認された。 2,750例の使用成績調査を実施し、再審査申請を行なった結果、2000年 12月薬事法第14条第2項各号(承認拒否事由)のいずれにも該当しないとの 再審査結果を得た。 なお、2008年「フロリードゲル経口用」は、医療事故防止を目的として、 現販売名「フロリードゲル経口用2%」と名称変更を行った。 フロリードF注200mgの用法・用量は、ミコナゾールとして200mgあたり 200mL以上の生理食塩液または5%ブドウ糖注射液で希釈し、通常、成人に はミコナゾールとして初回200mgより開始し、以後1回200〜400mgを1日1〜 3回、30〜60分以上かけて点滴静注することになっている。従って1日用量 として200〜1200mgのミコナゾールを投与する場合、200〜1200mL以上の輸 液を必要とすることになる。 一方、深在性真菌症を発症する患者は、白血病、悪性リンパ腫、腎不全 や肝不全、重度外傷、大手術後、広範囲熱傷など免疫不全を引き起こす重 篤な基礎疾患を有する患者も多い。これらの患者では摂食能力の低下に対 し経中心静脈的高カロリー輸液が不可欠であり、加えて重篤な感染症の合 併に対する複数の抗生剤の投与や頻回の輸血、さらに一過性の乏尿や血圧 低下時の補正輸液まで加えると、輸液量過剰になりがちである。それが臨 床上問題となる場合が少なくない。このため、フロリードF注200mgの用法 のうち、輸液量が制限される場合には、ミコナゾールとして200mgあたり 50mL以上の生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、30〜60分以上か けて点滴静注するとある。本剤は、輸液量が制限される患者に対する用 法・用量に限定した液量の少ない希釈済の点滴静注用製剤として、2003年3 月に製造承認を取得した。【その他】
| お知らせ |
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企画編集 明日の医薬を考える会 発行 株式会社 メドレット 体裁 A4判 392頁 書籍版・PDF版・セット 定価 「書籍版」または「PDF版」 単独 147,000円 「書籍版」・「PDF版」 セット 178,500円 発売 2011年1月11日 お申込み・お問い合わせ先 :株式会社 メドレット 小菅 103-0024 東京都中央区日本橋小舟町12-10 共同ビル(掘留)5F 久永&Co気付 TEL : 03-3664-2020 FAX : 03-3666-3188 E-Mail :support@medlet.jp
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