| 医薬品評価誌The Medical Letterメルマガ#1300 [術後イレウス治療薬Alvimopan(Entereg)/仮想大腸内視鏡/低電圧電気診断装置] |
「The Medical Letter日本語版」は、原則的にFDA承認新薬[新規成分]の全部を評価しますが、
その領域の主要薬剤の位置づけと評価、更に市場・最新動向をレポート。
●What' New
| 調査レポート「変容する脂質異常症治療薬」を発行しました。 新刊! 詳細→http://www.medmk.com/ykk/ ;2008.5.13 |
本メルマガは、通巻1234号[2006.5.8]より、直送から、「まぐまぐ」経由の配信に切り替えております。
まだ「まぐまぐ」配信に切り替えていないかたは、是非お申し込みくださるようお願い致します。
【メルマガ購読・中止】 http://www.medmk.com/mm/mailmg/mailmg_ty.htm
【メルマガ配信】 まぐまぐ [マガジンID: 0000200844]
| 第1300号のトピック![2009.1.1] |
|
術後イレウス治療薬アルビモパンAlvimopan (Entereg − Adolor/GlaxoSmithKline)
CT Colonography(仮想大腸内視鏡) 低電圧電気診断装置[Low-Voltage Electronic Diagnostic Devices] 【短報】フルオロキノロンと腱損傷[Tendon Injuries] |
| 術後イレウス治療薬アルビモパンAlvimopan (Entereg − Adolor/GlaxoSmithKline) |
Alvimopan (Entereg) for Postoperative Ileus
FDAは、選択的μオピオイド受容体拮抗薬アルビモパンalvimopan(Entereg − Adolor/GlaxoSmithKline;)を、腸切除後の術後イレウスの経口治療薬として承認した。 このほかに米国で販売されている同クラスの薬剤は、緩和ケアを受けている進行イレウス患者のオピオイド誘発性便秘治療薬として承認されている、皮下注投与のメチルナルトレキソン(Relistor;日本は小野薬品が権利取得)のみ1。
【日本語版コメント1300〜術後イレウス治療薬アルビモパンAlvimopan (Entereg − Adolor/GlaxoSmithKline)】
手術によって消化管蠕動は一時的に減弱、消失する。これは生理的イレウスであり48〜72時間で回復する。この状態が遷延した場合を術後イレウスという。麻痺性イレウスや癒着性性イレウスが多い。術後28日以内に発症するものを早期イレウスといい、それ以降を晩期イレウスという。早期イレウスは大抵は腸管麻痺の遷延と軽い癒着性イレウスであり、下腹部手術後1〜2週目に多い。
「イレウス」適応として認可されている薬剤は、腸管蠕動亢進作用があるものとしてジノプロスト(PGF2α)、ベタネコール塩化物。 他にメトクロプラミドも消化管運動を亢進するので使用される。 開発中の新薬では、オピオイド誘発性便秘治療薬メチルナルトレキソン(日本は小野薬品が権利取得)が適応追加でP3開発中(海外)
→詳細は参考資料●MLリソース:便秘症治療薬・腸管洗浄剤に纏めた。
【要約】
・選択的μオピオイド受容体拮抗薬アルビモパンが、腸切除後の術後イレウスの経口治療薬として承認された。
・本剤を腸切除前後に経口投与すると、オピオイドの鎮痛作用に影響を及ぼすことなく、消化管の機能回復までの時間を短縮することができる
・同クラスの皮下注投与製剤メチルナルトレキソンとの比較データはない。
| CT Colonography(仮想大腸内視鏡) |
CT Colonography (Virtual Colonoscopy)Revisited
結腸癌のスクリーニング法には、便潜血検査、軟性S状結腸鏡、大腸内視鏡、コンピュータ断層撮影(CT)colonography、便DNA検査などがある1。 前回、本誌でこのテーマを取り上げて以来2、colonographyに関して多くのデータが得られた。
【日本語版コメント1300〜CT Colonography(仮想大腸内視鏡)】
大腸癌の患者数は、日本で214千人(結腸146、直腸68千人)[2005度患者調査]、2006年度大腸癌死亡数41,056人(結腸27,317、直腸S状結腸移行部285、直腸13,454)(肺癌、胃癌に続く癌による死亡第3位)。
一方地域保健・老人保健事業の大腸癌検診受診者は、2006年度は682.4万人となり、受診率は18.6%と先進国中最低(米国50-60%)。 要精検率は7.17%、精検受診率は55.6%と低く、癌発見率は受診者1000人当たり1.7人。 1998年に国庫補助が打ち切られた(一般財源化)事への批判も強い。 厚生労働省「がん検診に関する検討会」は2005年3月22日、大腸癌検診のあり方について検討を開始し2006年2月に中間報告。
大腸癌検診の方法としては、スクリーニング法として免疫便潜血検査2日法、精密検査としてS状結腸内視鏡、注腸X線検査、全大腸内視鏡検査が実施されている。 しかしこれらの精度と有効性については、以前から相当の疑念があり、有効性を評価していた厚生労働省研究班「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」は、内視鏡やエックス線を使った検診は、自治体などが実施する集団検診としては勧められないとする新ガイドラインをまとめている(2005.1)。 とはいえ、各検査法による検査をクリアした場合でも、癌細胞がないことを保証するものではないという程度。
今回テーマVirtual Colonoscopy[VC] 仮想大腸内視鏡は、従来よりも安全性・経済性・侵襲性に優れる大腸癌検査法として有望視され、急速に開発が進んでいる。 米国では、暫定Category III CPT Codesが2004.7.1から実施。米国医師会AMA -CPT Editorial Panelが認定したもので、各健保団体・企業で償還される見込みで、実地予防医療に組み込まれた。 マルチスライスCTを使ったCTコロノグラフィ(CTC)は「仮想大腸内視鏡」などと呼ばれ、内視鏡を挿入せずに、CTで大腸を撮影し、腹部のCTスキャン画像を基に大腸の3Dモデルを構築し、3D画面で大腸内部を内視鏡のように見ることが出来るため、その中をフライスルーしながらポリープなどの腸内の異変を見つけるというもので、結腸直腸癌のスクリーニングにおける新たな非侵襲性の選択肢として注目されている。しかしながら、平坦な早期癌や無症候性の小さな病変検出には精度に難があるのではと言われていたが、エビデンスデータを求めてメイヨー・クリニックのC. Daniel Johnson氏らが精度について調査を行ったもの。その15施設2,600例からの結果はCTコロノグラフィの精度は直径10mm以上の大きな病変でも検出率90%を示した。(NEJM2008.9.18号)
また世界最大の大規模VC臨床試験the Special Interest Group in Gastrointestinal and Abdominal Radiology (SIGGAR1) が英国NHSがスポンサーとなり10病院が参加、患者4,320人規模で2004年9月から2007年12月迄実施された。ベルギーBarco社(旧Voxar社を2004.9買収)製品Voxar Colonscreenが使用される。
VCが実用化できたのは、従来型Helical CTから多層化[Multi-slice=MS]が可能なMDCT[Multi-detective CT]へとハード面で進歩してきたことによる3D立体映像化だけではなく、ソフト面で2D+3D技術に加えて、大腸がんに特化した検出ソフト[CAD=コンピュータ支援Detection](商品としては、前出のVoxar Colonscreen、ViatronixのV3D-Colon[大腸がん検診でFDA初承認2004.4.23]、Vital ImagesのInnerviewGI、iCAD社のVeraLook(Second Look Colonの後継))が大きく寄与した。
日本では東芝メディカルのCT等でMSによる3D画像が実現しているが、Vital Images社のVitrea 2を同社製CT装置Aquilion・Asteonに搭載して日本以外の50か国以上で販売しているが、日本ではハードのみの販売。日本においては,CTCという言葉そのものはポピュラーなものとなったが,従来の注腸X線検査や内視鏡検査に基づく非常に優れた診断学が確立されており,CTCの普及には至っていない。国立がんセンター中央病院では,4列マルチスライスCT(MSCT)が登場した当初から,大腸がんの術前診断にCTCを応用するための研究が進められてきた。はじめは,検査に時間がかかり,画像処理スピードが遅いなど課題も多く,実臨床での応用には至らなかったが,2006年12月に64列MSCT(東芝社製Aquilion 64)が導入されると状況が一変した。
→詳細は参考資料●MLリソース:に纏めた。
【要約】
・結腸癌のスクリーニングに用いるCT colonographyについてまとめた。
・CT colonographyは従来の大腸内視鏡に比べ、低侵襲性、鎮静不要、損傷リスクの低さの点で優れる。
・大腸内視鏡と比較した欠点として、病変部の検出感度の低さ、放射線被曝などがあげられる。
・いずれの検査法も、処置前に、患者が最も煩わしく感じる腸管洗浄を行わなければならない。
| 低電圧電気診断装置[Low-Voltage Electronic Diagnostic Devices] |
Low-Voltage Electronic Diagnostic Devices
患者から、多くの健康問題の診断や治療に用いられている低電圧電気装置について、問い合わせがあるかもしれない。 ほとんどの装置は、電流に対する皮膚の抵抗を測定する検流計である。 FDAは、「さまざまな疾患の診断および治療を行うために抵抗を測定する装置」を、販売前のFDAの認可が必要なクラスIIIの医療用具に分類している。 今回取り上げる装置は、いずれもそのような認可を取得していない。
【日本語版コメント1300〜低電圧電子診断機器】
医用電気機器については国際的な規格統一化が進められ、CEマーキングについても医療機器指令(93/42/EEC)および低電圧指令(LVD;2006/95/EC)が定められている。 日本国内でも電気安全法(民生家電機器を対象)、EMC規格(基本規格と共通規格)のJIS化(1999年1月)、EUとの相互承認の実施(2002年1月1日)、薬事法の改訂(2002,2005年)の業界の自主規制から法的規制へ移行など、対応してきている。
→詳細は参考資料●MLリソース:医療機器に纏めた。
【要約】
・多くの健康問題の診断や治療に用いらている低電圧電気装置についてまとめた。
・いずれの装置も科学的に信頼できる根拠があるわけではなく、怪しいものと考えるべきだということを患者に伝えなければならない。
| 【短報】フルオロキノロンと腱損傷[Tendon Injuries] |
Fluoroquinolones and Tendon Injuries
FDAは、フルオロキノロンの添付文書に、同薬の使用によって腱損傷を生じることがあるとの黒枠警告を追加した。 フルオロキノロンの全身投与により、まれに腱炎または腱断裂を生じることがあり、その作用は投与中のみに見られる場合もあれば、数ヶ月間にわたって見られる場合もある。
【日本語版コメント1300〜【短報】フルオロキノロンと腱損傷[Tendon Injuries]】
フルオロキノロンの重大な副作用としてアキレス腱炎、腱断裂等の腱障害は2002年に英国のデータ解析で明らかになったが国の安全性報告としては豪TGA(2006年)が最初であったが、昨2008年7月のFDA Alertでも警告が出された。 日本の厚労省からのアクションはないが、既に日本国内の添付文書の「重大な副作用」に記述されている。
→詳細は参考資料●MLリソース:キノロン系抗菌剤に纏めた。
| お知らせ |
| 調査レポート「変容する脂質異常症治療薬」を発行しました。 新刊! 詳細→http://www.medmk.com/ykk/ ;2008.5.13 |
まえがき 脂質異常症の診断基準と治療動向 脂質異常症の患者動向――ガイドライン改訂で患者は減るのか 脂質異常症治療薬の現状――安心して使える成熟製品,新作用機序品の登場 脂質異常症治療薬の市場動向――既存品低迷,新作用機序登場,generic好調 脂質異常症治療薬の開発動向――ポスト・スタチン時代への挑戦 脂質異常症治療薬関連の主要企業・注目企業の現状と今後――企業ランクは変動するのか? 5年後の脂質異常症の治療・市場動向予測――ガイドライン徐々に浸透,患者増,市場横這い まとめ
【発行元】 株式会社メドレット 【編集人】 小菅 博之 【お問合せ】support@medmk.com 【メルマガ以前の号】 http://www.medmk.com/mm/mailmg/ 【メルマガ購読・中止】 http://www.medmk.com/mm/mailmg/mailmg_ty.htm 【メルマガ配信】 まぐまぐ [マガジンID: 0000200844] 【注 意】 Hotmailで受信される方は、Outlook Express/Outlook で御覧ください。 Hotmailでhtmlメルマガを受信する場合、一部不具合が発生し、この本レポートの 場合も正常表示されません。 他のメールアカウントに転送してもokです。 ●「The Medical Letter日本語版」本誌読者ヘ このメルマガの宛名末尾にある xxxx-xxxxxxxx という数字は、あなたのWEB ID-Passwordです。[購読者用] 本メルマガは読者のうちメールアドレスをご登録頂いているには原則として配信 しています。 既刊分 →http://www.medmk.com/mm/mailmg/
| The Medical Letter日本語版 |
|
アメリカを中心に世界各国で発行される医薬品臨床評価ニュースレター日本語版(隔週刊)のご案内です。 日米同時発行。 本誌は医薬品、特にすべての新薬と既存薬の新しい有用性・副作用情報に関する公正で厳密かつ最新の医薬品評価情報を毎号提供します。 アメリカで1959年に創刊され、40年以上にわたって、2週間に1回(年26回)、常に最新の情報を提供し続ける治療・投薬マニュアルとして、米国で現在15万部以上発行され、欧米の医療従事者に絶大な信用のある「The Medical Letter on Drugs and Therapeutics」の日本語版です。 ○WHO推奨Drug bulletins[3種]の一つ。 WHO Guide to good prescribing - Annex2: Essential References ○仏、伊、西の各国語版も数万単位の部数を発行 (日本語版は1985年以来版権を得て翻訳版として発行) |
★株式会社メドレットのURL
http://www.medmk.com/mm/
★パンフレット [html] http://www.medmk.com/mm/meddm.htm
[pdf] http://www.medmk.com/mm/meddm.pdf
見本のページ http://www.medmk.com/mm/ml_sampl.htm
★ヘッドライン(1995-2007)
号順 http://www.medmk.com/mm/ml_nr.htm
薬効順 http://www.medmk.com/mm/ml_tc.htm
★本文へはIDとパスワードが必要です。→アクセス方法
http://www.medmk.com/mm/web_id.pdf
★各テーマ毎の医薬資料集
http://www.medmk.com/mm/add/ml_add.htm
●参考資料
医薬調査資料(追加メモ)の頁へ
製薬各社製品売上(世界)へ
製薬各社製品売上(国内)へ
「FDA承認新薬一覧」
ML資料:FDA諮問委員会〜議題
メルマガリンク・相互リンク
●無料メルマガ「吉川医薬経済レポート」
案内・申込み | バックナンバー |メルマガ化以前の既刊号
●「薬剤師がお送りする簡単薬剤師並知識養成講座」
- 2004.2.13 創刊
これからの時代は、自分の健康は自分で守る時代です。
それを実行するためには、ご自分自身で健康や医療の情報を収集することも大切です。
このメルマガはその手助けをすることを目的としています。
| 2006年度版より版元が株式会社フクミから株式会社メドレットに変更になりました。 業務全てを引き継ぎますので、読者ヘの迷惑は発生しないはずです。 連絡先およびURLが変更になりましたので御注意ください。(移管は2006.4.1に実施。) WEBアクセスは、フクミのURLページを指定した場合でも、当面は、新URLページに自動ジャンプするように設定してあります。[2006年末迄] |