医薬品評価誌The Medical Letterメルマガ#1288
[片頭痛薬Treximet/ビタミン剤の白内障予防/HIV治療薬エトラビリン(Intelence)]

 このメールマガジンは医薬品評価誌「The Medical Letter日本語版」発行の都度、
その記事ダイジェストをお届けするものです。

 「The Medical Letter日本語版」は、原則的にFDA承認新薬[新規成分]の全部を評価しますが、
その領域の主要薬剤の位置づけと評価、更に市場・最新動向をレポート。

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第1288号のトピック![2008.07.16]

片頭痛治療薬スマトリプタンとナプロキセン固定配合剤(Treximet − GSK)

ビタミン剤の白内障予防

HIV治療薬エトラビリン(Intelence − Tibotec)





片頭痛治療薬スマトリプタンとナプロキセン固定配合剤(Treximet − GSK)

A Fixed-Dose Combination of Sumatriptan and Naproxen for Migraine

 FDAは、選択的セロトニン受容体アゴニスト(「トリプタン」)のスマトリプタン(Imitrex;イミグラン[GSK])と、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)ナプロキセンナトリウム(Anaprox他;ナイキサン[田辺三菱])の経口配合剤(Treximet − GlaxoSmithKline;未開発)を、片頭痛発作の急性期治療薬として承認した。 Imitrex錠は、2009年2月に特許期限が切れる見込み。

【日本語版コメント】
片頭痛患者は、日本国内だけでも約840万人と推計。 しかし病気との意識は低く、医療機関への受診率が低く(定期的通院率が2.7%にすぎない)、病医院での通院患者は、2005年で片頭痛 3万5千人、緊張性頭痛等 3万2千人)。 治療薬として世界の主流はトリプタン系薬物が基本で、日本頭痛学会の慢性頭痛診療ガイドライン(2005.3)でも片頭痛の急性期治療薬として「中等度〜重度の頭痛,または軽度〜中等度の頭痛でも過去に NSAIDs の効果がなかった場合にはトリプタン系薬剤が推奨される」としている。 どのトリプタン製剤も有効率は70%程度で、副作用は悪心・嘔吐を中心に15%程度。 より優れた新薬開発が望ましい。 最近では「アマージ(R)錠2.5mg」(一般名:ナラトリプタン塩酸塩)[GSK]が2008.4.18に日本で発売されたが、欧米では10年前1997年に発売され、殆ど売れなかった。  在宅注射可能な「イミグラン(R)キット皮下注3mg」(GSK)が日本でも2008年2月に発売されたことは重症患者に朗報。
世界片頭痛薬市場規模は2007年度27億ドル(3,000億円)、イミグランImigran/Imitrex[GSK] 1,503億円(£685m)、マクサルトMaxalt [Merck] 515億円($467m)、ゾーミグZomig[AstraZeneca] 479億円($434百万) 、レルパックスRelpax[Pfizer] 347億円($315m)、以上計2,844億円(95%)。 イミグランの市場シェアが50%。 日本では、2007年度市場規模は推定150億円、イミグラン, レルパックス, ゾーミッグ, マクサルトの4製品が大半を占めると思われる。

 →詳細は参考資料●MLリソース:片頭痛治療薬に纏めた。
【要約】
・スマトリプタンとナプロキセンの配合剤が、片頭痛発作の急性期治療薬としてFDAに承認された。
・軽度〜中等度の片頭痛発作には、本剤の相加効果が得られるかもしれないが、重症例ではスマトリプタン単剤と有意差はなかった。


 日本語版註)スマトリプタンとナプロキセン固定配合剤sumatriptan succinate + naproxen sodium(Treximet − GSK)
 【別名】旧名Trexima(TM);MT400 【開発元】POZEN Inc  [DBR_ID]x
 【承認】FDA申請=5-Aug-2005、FDA承認=Apr 15,2008、米国発売May 2008[GSK]; 【製剤】1錠中85mg sumatriptan succinate and 500mg naproxen sodium(Pozen社MT400技術とGSKのRT技術使用) 【適応】成人の片頭痛発作の急性治療(前兆の有無に関わらず) 【用法用量】1日1回1錠 【作用】 【特徴】Treximetは、片頭痛治療のゴールド・スタンダードであるスマトリプタンと長時間作用型NSAIDsナプロキセンナトリウムの2成分が1つの錠剤に入った薬剤で、複数の片頭痛の発生機序に作用し、効果とその持続時間を増幅させたもの。 【製品情報】www.treximet.com 【添付文書】Treximet-PI 【提携】2003.6 Pozen社とGSKは共同開発販売契約(米国)。 【EU】未開発 
【日本】未開発 【その他】




ビタミン剤の白内障予防

Vitamins for Cataract Prevention

 発展途上国では多くの人々が白内障の手術を受けることができないため、白内障は世界的に失明の主原因となっている。 米国では2015年までに、白内障の手術がメディケアの年間予算の10%を超えると見込まれている。 多くの観察研究で、栄養状態の良い人はそうでない人に比べて白内障の発現率が低く、進展も遅いことが示されているが、因果関係の確立は難しかった。 これまでに3試験の大規模前向き無作為化介入試験が発表されている1。

【要約】
・ビタミンサプリメントの白内障予防効果を検証した臨床試験3試験についてまとめた。
・これまでのところ、ビタミン剤が白内障を予防するという確かな証拠は得られていない。
・ビタミンAおよびβカロテンのの多量摂取では、閉経後女性の股関節骨折増加、催奇形性、肺癌の増加などの報告がある。




HIV治療薬エトラビリン(Intelence − Tibotec)

Etravirine (Intelence) for HIV Infection

 新しい非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(non-nucleoside reverse transcriptase inhibitor:NNRTI)のエトラビリンEtravirine(Intelence − Tibotec;日本未開発)が、NNRTIおよび他の抗レトロウイルス薬に抵抗性の前治療歴のある成人HIV-1感染症患者に対する併用薬として、FDA優先審査により承認された1。

【日本語版コメント】
抗HIV薬の世界市場規模は2007年約1.25兆円。 グラクソ・スミスクライン社とブリストル・マイヤーズスクイブ社がHIV市場の50%以上を占め、ファイザー社、ジョンソン・エンド・ジョンソン社、メルク社、ギリアド社らは開発後期にある有望な新薬候補薬剤を持つ。
 NRTIが29.4%を占め、製剤としてはコンビビルCombivir[GSK]が依然トップ999億円、プロテアーゼ阻害剤PI(シェア29.1%)ではカレトラが依然トップ1,461億円だが、新薬のレイアタッツが急速な伸びで既に二番手1,240億円で2強を形成。 NNRTI(シェア12.3%)では、Sustiva[BMS](日本ではストックリン[万有])1,054億円。 配合剤(シェア22.4%)はツルバダ1,753億円、Atripla[Gilead] 996億円。 因みに日本市場規模は2007年年間80億円と小さい。 新薬開発の現在の中心はCCR5拮抗薬で数多く開発途上にあるが、昨2007年に二つの新規系統の新薬がFDA承認を受けた。 初のインテグラーゼ阻害薬ラルテグラビル(Isentress)と初のCCR5拮抗薬マラビロック(Selzentry)であるが、2008年1-6月売上はIsentress $124mと順調だが、Selzentryは低迷。
 ラルテグラビル(アイセントレス錠400mg[万有])は日本でも2008.7.7発売。 他にプロテアーゼ阻害剤「プリジスタ(R)錠300mg」(ダルナビル)[ヤンセンファーマ]は2007.12.10発売。 「ストックリン(R)錠600mg」」(一般名:エファビレンツ)[万有製薬]は新剤型として2008.6.20発売。

 →詳細は参考資料●MLリソース:エイズ治療剤MLリソース:エイズ治療剤[個別製品]に纏めた。
【要約】
・新しいNNRTIのエトラビリンが、前治療歴のある成人HIV-1感染症患者に対する併用薬として、優先審査によりFDAに承認された。
・臨床試験では、他のNNRTIおよびプロテアーゼ阻害薬に抵抗性のHIV-1感染症患者において、ウイルス量をプラセボに比し有意に低下させた。
・本剤には多くの薬物-薬物間相互作用があるため、併用には注意が必要である。


 日本語版註)エトラビリンetravirine(Intelence − Tibotec)インテレンス[ティボテック]
 【別名】TMC125 【開発元】Tibotec Pharmaceuticals, Ltd  [DBR_ID]
 【化学名】4-[[6-amino-5-bromo-2-[(4-cyanophenyl)amino]-4-pyrimidinyl]oxy]-3,5-dimethyl-benzonitrile ;CAS REGISTRY NUMBER:269055-15-4
 【承認】FDA申請=17-Jul-2007、FDA承認=18-Jan-2008; (Tibotec Therapeutics, Division of Ortho Biotech Products, L.P.,); 【製剤】1錠中etravirine 100mg 【適応】治療歴があり、HIV-1 に感染している成人において抗レトロウイルス剤との併用。 【用法用量】200mg を1 日2 回食後に経口投与する。
 【作用】 【特徴】NNRTI耐性HIV変異株に有効な次世代の非核酸系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)
【製品情報】www.intelence-info.com 【添付文書】Intelence-PI
 【提携】 【EU】Intelence[Janssen-Cilag]CHMP承認勧告26-JUn-2008;MA=28-Aug-2008 
【日本】TMC125/INTELENCE(R)[ヤンセンファーマ]申請準備中(HIV-I感染症) 【その他】





お知らせ

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  まえがき
   脂質異常症の診断基準と治療動向
   脂質異常症の患者動向――ガイドライン改訂で患者は減るのか
   脂質異常症治療薬の現状――安心して使える成熟製品,新作用機序品の登場
   脂質異常症治療薬の市場動向――既存品低迷,新作用機序登場,generic好調
   脂質異常症治療薬の開発動向――ポスト・スタチン時代への挑戦
   脂質異常症治療薬関連の主要企業・注目企業の現状と今後――企業ランクは変動するのか?
   5年後の脂質異常症の治療・市場動向予測――ガイドライン徐々に浸透,患者増,市場横這い
   まとめ





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 アメリカで1959年に創刊され、40年以上にわたって、2週間に1回(年26回)、常に最新の情報を提供し続ける治療・投薬マニュアルとして、米国で現在15万部以上発行され、欧米の医療従事者に絶大な信用のある「The Medical Letter on Drugs and Therapeutics」の日本語版です。
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●参考資料
医薬調査資料(追加メモ)の頁製薬各社製品売上(世界)製薬各社製品売上(国内)「FDA承認新薬一覧」
ML資料:FDA諮問委員会〜議題




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