医薬品評価誌The Medical Letterメルマガ#1284
[どのスタチン?/ジクロフェナクゲル]

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 「The Medical Letter日本語版」は、原則的にFDA承認新薬[新規成分]の全部を評価しますが、
その領域の主要薬剤の位置づけと評価、更に市場・最新動向をレポート。

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第1284号のトピック![2008.05.21]

どのスタチン?

変形性関節症治療薬ジクロフェナクゲル(Voltaren Gel − Endo)





どのスタチン?

Which Statin?
 ジェネリック競合品の発売を控え、売上げ首位のスタチン、アトルバスタチン(Lipitor;リピトール)の広告が最近米国で話題になっている。 ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチンは、アトルバスタチンよりもはるかに低価格、あるいはco-pay(自己負担)が安いジェネリック薬がすでに販売されている。
 
【日本語版コメント】
 脂質異常症治療薬市場の大半を占めるスタチン剤(日本80%,世界70%)。 ジェネリック品(GE薬)の出現で市場は大混乱状態で、臨床現場でも健保でのGE薬使用推進による混乱が起きている。 日本の場合メバロチンとリポバスに多数のGE薬があるが、まだGE薬のないリピトール、クレストール、リバロ、ローコールらは安価なGE薬に優るメリットがあるのか、それが問題視されている。 メーカーはその点を明示する必要がある。

 →詳細は参考資料●MLリソース:高脂血症治療薬に纏めた。 【要約】
・売上げ首位のスタチン、アトルバスタチンのジェネリック競合品が発売されることから、スタチンについてまとめた。
・高コレステロール血症患者のほとんどは、シンバスタチンまたはプラバスタチンを常用量で処方するのが妥当だろう。
・冠動脈疾患のある患者には、力価に優れ、臨床アウトカムに対する有効性が立証されており、用量関連性の毒性がないアトルバスタチンの最大量が望ましい。





変形性関節症治療薬ジクロフェナクゲル(Voltaren Gel − Endo)

Diclofenac Gel for Osteoarthritis
 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)ジクロフェナクの局所用1%ゲル製剤(Voltaren Gel − Endo;日本はボルタレンゲル[ノバルティス])が、変形性関節症の治療薬としてFDAに承認された。 局所用3%ジクロフェナクゲル(Solaraze;日本未開発)は、今のところ日光性角化症の治療薬として承認されているが1、関節への局所投与は適応外である。 このほかに変形性関節症の治療薬としてFDAに承認されている局所用NSAIDはない。 ジクロフェナクパッチ(Flector;日本未開発)は、軽度の挫傷(minor strain)、捻挫および挫傷(contusion)による疼痛の治療薬として、最近FDAに承認された2
 
【日本語版コメント】
非ステロイド鎮痛消炎剤(NSAIDs)は1980〜90年代前半の新薬開発ラッシュ時代を終え、数多い新薬も現在では淘汰され、市場ではロキソプロフェン製剤ロキソニンが年売上336億円(2007年)、ジクロフェナクNa製剤ボルタレン220億円等、メロキシカム製剤モービック102億円の3種で経口NSAIDsの5割超を占める。 2000年代冒頭のCOX-2阻害剤ブームも副作用問題で騒がれた熱も冷めたが、この分野トップのセレコキシブ製剤(Cerebrex;2007年売上2500億円=$2,290m)が日本でもセレコックス(アステラス製薬)として昨2007年6月に発売された。 外用剤を含めたNSAIDsの日本の市場規模は2007年度2,657億円だが第2世代テープ・パップ剤が主流でシェア59.4%(1,579億円)特にモーラス(久光)は783億円、次に経口剤等全身性NSAIDsが33.9%(900億円)、残りの他の局所製剤(ゲル・クリーム等)が6.7%(178億円)。
 今回評価するジクロフェナク・ゲル剤は日本開発のもので、日本ではボルタレンゲルとして2000年から販売されている。 ジクロフェナクは欧米では最も標準的なNSAIDsで外用剤の開発が行われているが、ゲル剤は日米以外は欧州でVoltaren Emulgel[Novartis](Diclofenac diethylammonium)が販売。 実は欧米でもジクロフェナクNaゲルは英SkyePharma社に開発されたSolaraze(R) Gelが米国で2000年に承認、欧州でもAlmirall社から販売されているが、適応症は「日光角化症」。

 →詳細は参考資料●リソース: NSAIDSに纏めた。

【要約】
・ジクロフェナクの局所用1%ゲル製剤が、変形性関節症の治療薬としてFDAに承認された。
・本剤は、手または膝の変形性関節症の痛みの軽減にある程度有効なようだが、プラセボ効果が高いことから疑問の余地が残る。
・他の局所用鎮痛薬または経口NSAIDとの比較データはない。


[1284]●製品 変形性関節症治療薬ジクロフェナクゲルdiclofenac sodium topical gel(Voltaren Gel − Endo)

 日本語版註)変形性関節症治療薬ジクロフェナクゲルdiclofenac sodium topical gel(Voltaren Gel − Endo)
 【別名】 【開発元】Novartis AG日本支社開発  [DBR_ID]
 【承認】FDA申請=Dec 26,2006、FDA承認=Oct 17,2007(Novartis Consumer Health, Inc)、米国発売Apr 2008[Endo] ; 【製剤】100gチューブ:diclofenac sodium topical gel - 1% 【適応】膝・手などの関節部の変形性関節症の痛みの軽減 【用法用量】2g〜4gを1日4回塗布 【作用】 【特徴】 【製品情報】www.voltarengel.com 【添付文書】Voltaren Gel-PI 【EU】欧州ではVoltaren Emulgel[Novartis](Diclofenac diethylammonium)が承認、販売されている。
【日本】ボルタレンゲル[製造販売/同仁医薬化工株式会社 販売 /ノバルティスファーマ株式会社]Voltaren Gel/承認2000.1.18、薬価2000.4.14、発売2000.4.17 【製剤〜日本】1g中 ジクロフェナクナトリウム(日局) 10mg
 【適応〜日本】下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎 :変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎 (テニス肘等)、筋肉痛 (筋・筋膜性腰痛症等)、外傷後の腫脹・疼痛 【用法用量〜日本】症状により、適量を1日数回患部に塗擦する。 【製品情報〜日本】ボルタレン 【添付文書〜日本】ボルタレンゲル 添付文書 - インタビューフォーム
 【その他】ジクロフェナクナトリウムは、1965 年にスイス、チバガイギー社(現ノバルティス ファーマ社)研究所で開発されたフェニル酢酸系の非ステロイド性鎮痛・抗炎症剤である。ジクロフェナクナトリウム製剤として、1974 年に世界に先駆けて日本で発売されたボルタレン錠は、その優れた臨床効果が高く評価され、非ステロイド性鎮痛・抗炎症剤の標準薬とされている。さらに、1982 年には坐剤としてボルタレンサポが、1990 年には徐放性製剤としてボルタレンSR カプセルが発売され、ともに幅広く臨床に供されている。
ボルタレンゲルは良好な経皮吸収と優れた使用感を目的にジクロフェナクナトリウムの経皮製剤として開発されたゲル状軟膏であり、変形性関節症、肩関節周囲炎、筋肉痛(筋・筋膜性腰痛症等)等による局所の疼痛や炎症に対し、優れた臨床効果が認められ、2000年4月に発売された。その後、ボルタレンゲルと同等の臨床効果が期待される貼付剤としてボルタレンテープが開発され、2004年8月に発売された。次いでボルタレンローション1%及びボルタレンテープLが開発され2006年3月に製造販売承認を受け、ボルタレンローション1%が2006年8月に、ボルタレンテープLが2006年9月に発売された。
ボルタレンゲル及びボルタレンローション1%は本邦で開発されたジクロフェナクナトリウムの経皮製剤で、外国では使用されていない(外国で発売されているジクロフェナクナトリウム外皮用剤とは処方が異なる)。なお、ボルタレンエマルゲル(スイス、イギリス、ドイツ、フランス等で発売されている)はジクロフェナクジエチルアミンの1%製剤である。




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  まえがき
   脂質異常症の診断基準と治療動向
   脂質異常症の患者動向――ガイドライン改訂で患者は減るのか
   脂質異常症治療薬の現状――安心して使える成熟製品,新作用機序品の登場
   脂質異常症治療薬の市場動向――既存品低迷,新作用機序登場,generic好調
   脂質異常症治療薬の開発動向――ポスト・スタチン時代への挑戦
   脂質異常症治療薬関連の主要企業・注目企業の現状と今後――企業ランクは変動するのか?
   5年後の脂質異常症の治療・市場動向予測――ガイドライン徐々に浸透,患者増,市場横這い
   まとめ





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●参考資料
医薬調査資料(追加メモ)の頁製薬各社製品売上(世界)製薬各社製品売上(国内)「FDA承認新薬一覧」
ML資料:FDA諮問委員会〜議題




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