医薬品評価誌The Medical Letterメルマガ#1279
[喘息薬ブデソニド/ホルモテロール(Symbicort)/眼科用アジスロマイシン(AzaSite)]

 このメールマガジンは医薬品評価誌「The Medical Letter日本語版」発行の都度、
その記事ダイジェストをお届けするものです。

 「The Medical Letter日本語版」は、原則的にFDA承認新薬[新規成分]の全部を評価しますが、
その領域の主要薬剤の位置づけと評価、更に市場・最新動向をレポート。

●What' New

調査レポート「変容する脂質異常症治療薬」を発行しました。
新刊! 詳細→http://www.medmk.com/ykk/ ;2008.5.13
本メルマガは、通巻1234号[2006.5.8]より、直送から、「まぐまぐ」経由の配信に切り替えております。 まだ「まぐまぐ」配信に切り替えていないかたは、是非お申し込みくださるようお願い致します。 【メルマガ購読・中止】 http://www.medmk.com/mm/mailmg/mailmg_ty.htm 【メルマガ配信】    まぐまぐ [マガジンID: 0000200844]




第1279号のトピック![2008.3.11]

喘息治療薬ブデソニド/ホルモテロール(Symbicortー AstraZeneca)

アジスロマイシンの眼科用剤(AzaSite ー Inspire)

【短信】生薬に関する警告





喘息治療薬ブデソニド/ホルモテロール(Symbicortー AstraZeneca)

Budesonide/Formoterol (Symbicort) for Asthma

 定量噴霧式吸入器(MDI)を用いて投与するコルチコステロイドのブデソニドと長時間作用型β2刺激薬ホルモテロールの配合剤(Symbicort − AstraZeneca;日本でST[アストラゼネカ]第3相)が、12歳以上の喘息患者における長期管理薬として発売された。 米国では、プロピオン酸フルチカゾンとサルメテロールの配合剤(Advair;日本でアドエア・ディスカス[GSK]2007.6発売)が同適応で既に販売されている。 いずれの配合剤も急性期の喘息症状治療は適応となっていない。 欧州とカナダでは、数年前からSymbicortのドライパウダー吸入薬が使用されている。

【日本語版コメント】
「患者調査」によると日本の喘息患者(2005)は108.3万人。 ノバルティス社推計では日本の喘息総患者数は400万人、死亡者は年3,000人。
 日本の場合β2作動薬が40%、テオフィリン、吸入ステロイドが各20%、抗コリン系気管支拡張剤10%(抗アレルギー薬除く)のシェアで喘息管理に使用されるが、世界では吸入ステロイド+β2 作動剤50%、吸入ステロイド16%、抗コリン系気管支拡張薬15%、β2作動薬10%、β2 作動剤+抗コリン剤6%と大きく異なる。 特に吸入ステロイドの扱いが違うのは日本人のホルモン恐怖症に耐える安全性研究が実施されていないため、主に重症患者中心の使用に限定されているため。
新薬開発では新吸入ステロイド剤シクレソニド(オルベスコ(R)[帝人ファーマ])が発売2007.6.8、サルメテロール/フルチカゾン配合剤(アドエア[GSK])が発売2007.6.8と活発。
今回採りあげたシンビコートは世界売上1,740億円(2007年;$1,575m,前年比+22%;日本申請中)、喘息薬第2位。 因みに第一位は同じ吸入ステロイド+β2 作動剤アドエア7,680億円(2007年;£3,499m,前年比+6%;日本は2007.6.8発売)

 →詳細は参考資料●MLリソース:喘息治療薬[1044_add]●MLリソース:喘息治療薬[個別薬剤]に纏めた。
【要約】
・MDIを用いて吸入するブデソニドとホルモテロールの配合剤が、12歳以上の喘息患者における長期管理薬として発売された。
・本剤は持続性喘息に対する維持療法に有効だと思われる。
・同適応症で先に販売されているフルチカゾン/サルメテロール配合剤との比較データは限られる。


 日本語版註)ブデソニド/ホルモテロールbudesonide / formoterol fumarate(Symbicort pMDIー AstraZeneca)
 【別名】 【開発元】AstraZenaca  [DBR_ID]
 【承認】FDA申請=Sep 23, 2005、FDA承認=Jul 21, 2006、米国発売=2007.6.25; 【製剤】pressurised Metered Dose Inhaler (pMDI)製剤[SYMBICORT 80/4.5] (budesonide 80 mcg and formoterol fumarate dihydrate* 4.5 mcg) Inhalation Aerosol; [SYMBICORT 160/4.5] (budesonide 160 mcg and formoterol fumarate dihydrate* 4.5 mcg) Inhalation Aerosol; *3.7mcg formoterol as the free base, equivalent to 4.5mcg formoterol fumarate dihydrate
 【適応】(12才以上の喘息患者の長期維持療法) indicated for the long-term maintenance treatment of asthma in patients 12 years of age and older. 【用法用量】1回の吸入でホルモテロール4.5mcgおよびブデソニド80または160mcgを服用する。1日2回(朝晩)2吸入。 【作用】 【特徴】吸入ステロイド/即効性・長時間作用性ベータ2刺激剤の配合剤 【製品情報】http://www.symbicort.com/ 【添付文書】Synbicort-PI
【EU】Symbicort Turbuhaler 2002.7.8 EU相互承認(小児喘息[6-11才]) | 2003.2.10 EU相互承認(COPD) | 2003.11.17 EU相互承認(喘息高用量)★Symbicort SMART(R) 2006.10.9 EU相互承認(喘息の維持療法と発作:Maintenance And Reliever Therapy)★Symbicort Turbuhaler Single Inhaler Therapy(SiT)(TM)による喘息管理 2003.12.9 EU相互承認申請 | 2004.11.2 EU相互承認申請取り下げ(COSMOS研究の結果)
 【日本】ST[アストラゼネカ]申請中(喘息)、P3(COPD) 【その他】米国でのCOPD、小児の追加適応申請は2008Q2予定。 Symbicort SMARTは40ヵ国以上で発売、2006年末GINAにも支持、COMPASSとAHEAD研究で実証。




アジスロマイシンの眼科用剤(AzaSite ー Inspire)

Ophthalmic Azithromycin (AzaSite)

 FDAは、azithromycinアジスロマイシン1%点眼液(AzaSite − Inspire;日本未開発)を1歳以上の細菌性結膜炎患者の治療薬として承認した。 メーカーによると、本剤は放出制御型製剤で、薬剤が眼内に数時間留まる。

【日本語版コメント】
 眼科疾患の患者数は約330万人(2005年度3,294千人)、うち眼感染症として代表的な結膜炎33.5万人、角膜炎8.6万人、麦粒腫2万人、さん粒腫1.8万人、眼瞼炎1.3万人など。(眼感染症患者総数は不明だが、オゼックス点眼液発売時の2006年に企業予測市場規模としてピーク時4年後が231万人で26.7億円見込、とある。) 医療用眼科用薬市場規模2,144億円(2006年)で、うち眼感染症薬剤は259億円(2006年、参天製薬がシェア76.1%)と12%を占める。
 起炎菌は一般細菌だけでなくヘルペス等のウイルス、真菌のほか、性感染(クラミジア等)が増加傾向。 診療については感染性角膜炎診療ガイドライン(2007)ウイルス性結膜炎ガイドライン(2003)が作成されているが、更に普及が望まれる。 薬物療法面では内服製剤の主要なものは既に眼科用剤として販売されているが、MRSA,VRE等の耐性菌の懸念があるので乱用すべきでない。

 →詳細は参考資料●MLリソース:抗生物質[個別製品]MLリソース:抗菌剤・抗生物質MLリソース:眼感染症に纏めた。
【要約】
・アジスロマイシン1%点眼液が、1歳以上の細菌性結膜炎患者の治療薬としてFDAに承認された。
・本剤は、細菌性結膜炎の治療に有効で、投与3日目から1日1回投与となるため、他の眼科用抗菌薬に比べて便利である。
・従来の安価な薬剤を上回る利点があるかどうかは今のところ不明である。


 日本語版註)アジスロマイシン点眼液azithromycin eyedrop(AzaSite ー Inspire)
 【別名】 【開発元】PfizerからInSite Vision Incが眼科領域全世界開発権取得  [DBR_ID]
 【承認】FDA申請=Jun 28, 2006、FDA承認=Apr 27, 2007、米国発売2007.8.13 ; 【製剤】5ml瓶に2.5mLの0.1% azithromycin点眼液を含有。DuraSite(R) (polycarbophil, edetate disodium, sodium chloride)により製剤.
 【適応】(細菌性結膜炎) for the treatment of bacterial conjunctivitis caused by susceptible isolates of the following microorganisms: CDC coryneform group G, Haemophilus influenzae, Staphylococcus aureus, Streptococcus mitis group, Streptococcus pneumoniae.
 【用法用量】最初の2日間は8-12時間毎に1日2回各1滴点眼、次の5日間は1日1回1滴点眼
 【作用】臨床効果はプラセボ対比で63%(82/130)対50% (74/149)、除菌率は88%対66% 【特徴】細菌性結膜炎の従来製剤に比べ60-75%低用量。製剤技術DuraSite(R)使用。
 【製品情報】http://www.azasite.com/ 【添付文書】AzaSite-PI 【提携】InSite Vision Incは、Inspire Pharmaceuticals Inc.に北米・カナダのライセンス実施権許諾(2007.2.15)。 アルゼンチンBioceutica S.A(2008.3 Argentina, Chile, Paraguay and Uruguay) Shin Poong Pharm(韓国2007.12) 【EU】未開発 【日本】未開発 【その他】




【短信】生薬に関する警告

Herbal Warning

 FDAはこのほど、医療従事者および消費者に向け、ホスホジエステラーゼ-5阻害薬シルデナフィル(Viagra)またはそのアナログを含有することが明らかとなった多数のダイエタリーサプリメントについて、使用を避けるよう勧告を出した(www.fda.gov)。 シルデナフィルの効果は(男性では)わかりやすいが、ダイエタリーサプリメントに含まれる、おそらくもっと毒性が強いであろうその他の混和物は、検出が困難あるいは不可能な場合がある。

 これまでにダイエタリーサプリメントに含まれていることが明らかとなった薬剤には、他にロバスタチン(Mevacor他;日本未開発)、エストロゲン、アルプラゾラム(Xanax他;ソラナックス他)、インドメタシン(Indocin他;インダシン他)、ワルファリン(Coumadin他;ワーファリン他)などがある。 ベルギーでは、体重を減少させる漢方薬に含まれていたアリストロキン酸により、約100人の女性が急性腎不全を起こした。 このうち少なくとも70人が透析もしくは移植を必要とし、18人以上が尿路上皮癌を発症した(Med Lett Drugs Ther 2002; 44:84、通巻1140号、日本語版18(20)84,30-Sep-2002)。

 ダイエタリーサプリメントはFDAの販売承認を必要としない。 FDAは、誤表示製品や純度の低い製品を市場から撤去する権限を持つが、発見と立証の責任は完全に政府にある。




お知らせ

調査レポート「変容する脂質異常症治療薬」を発行しました。
新刊! 詳細→http://www.medmk.com/ykk/ ;2008.5.13

  まえがき
   脂質異常症の診断基準と治療動向
   脂質異常症の患者動向――ガイドライン改訂で患者は減るのか
   脂質異常症治療薬の現状――安心して使える成熟製品,新作用機序品の登場
   脂質異常症治療薬の市場動向――既存品低迷,新作用機序登場,generic好調
   脂質異常症治療薬の開発動向――ポスト・スタチン時代への挑戦
   脂質異常症治療薬関連の主要企業・注目企業の現状と今後――企業ランクは変動するのか?
   5年後の脂質異常症の治療・市場動向予測――ガイドライン徐々に浸透,患者増,市場横這い
   まとめ





【発行元】 株式会社メドレット
【編集人】 小菅 博之
【お問合せ】support@medmk.com
【メルマガ以前の号】  http://www.medmk.com/mm/mailmg/
【メルマガ購読・中止】 http://www.medmk.com/mm/mailmg/mailmg_ty.htm
【メルマガ配信】    まぐまぐ [マガジンID: 0000200844]
【注 意】 Hotmailで受信される方は、Outlook Express/Outlook で御覧ください。
  Hotmailでhtmlメルマガを受信する場合、一部不具合が発生し、この本レポートの
  場合も正常表示されません。 他のメールアカウントに転送してもokです。



●「The Medical Letter日本語版」本誌読者ヘ
 このメルマガの宛名末尾にある xxxx-xxxxxxxx という数字は、あなたのWEB
  ID-Passwordです。[購読者用]
  本メルマガは読者のうちメールアドレスをご登録頂いているには原則として配信
  しています。
既刊分 →http://www.medmk.com/mm/mailmg/
まぐまぐ




The Medical Letter日本語版
アメリカを中心に世界各国で発行される医薬品臨床評価ニュースレター日本語版(隔週刊)のご案内です。 日米同時発行。
 本誌は医薬品、特にすべての新薬と既存薬の新しい有用性・副作用情報に関する公正で厳密かつ最新の医薬品評価情報を毎号提供します。

 アメリカで1959年に創刊され、40年以上にわたって、2週間に1回(年26回)、常に最新の情報を提供し続ける治療・投薬マニュアルとして、米国で現在15万部以上発行され、欧米の医療従事者に絶大な信用のある「The Medical Letter on Drugs and Therapeutics」の日本語版です。
 ○WHO推奨Drug bulletins[3種]の一つ。 WHO Guide to good prescribing - Annex2: Essential References
 ○仏、伊、西の各国語版も数万単位の部数を発行
(日本語版は1985年以来版権を得て翻訳版として発行)

★株式会社メドレットのURL
                       http://www.medmk.com/mm/
★パンフレット [html] http://www.medmk.com/mm/meddm.htm
                [pdf]  http://www.medmk.com/mm/meddm.pdf
  見本のページ         http://www.medmk.com/mm/ml_sampl.htm
★ヘッドライン(1995-2007)
                号順   http://www.medmk.com/mm/ml_nr.htm
                薬効順 http://www.medmk.com/mm/ml_tc.htm
★本文へはIDとパスワードが必要です。→アクセス方法
                       http://www.medmk.com/mm/web_id.pdf
★各テーマ毎の医薬資料集
                       http://www.medmk.com/mm/add/ml_add.htm


●参考資料
医薬調査資料(追加メモ)の頁製薬各社製品売上(世界)製薬各社製品売上(国内)「FDA承認新薬一覧」
ML資料:FDA諮問委員会〜議題




メルマガリンク・相互リンク

●無料メルマガ「吉川医薬経済レポート」 案内・申込み | バックナンバー |メルマガ化以前の既刊号「薬剤師がお送りする簡単薬剤師並知識養成講座」 - 2004.2.13 創刊 これからの時代は、自分の健康は自分で守る時代です。 それを実行するためには、ご自分自身で健康や医療の情報を収集することも大切です。 このメルマガはその手助けをすることを目的としています。
2006年度版より版元が株式会社フクミから株式会社メドレットに変更になりました。
 業務全てを引き継ぎますので、読者ヘの迷惑は発生しないはずです。 連絡先およびURLが変更になりましたので御注意ください。(移管は2006.4.1に実施。)
 WEBアクセスは、フクミのURLページを指定した場合でも、当面は、新URLページに自動ジャンプするように設定してあります。[2006年末迄]