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「FDA承認新薬一覧」        更新2004.12.06
ML資料:FDA諮問委員会〜議題    更新2004.11.18


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発行:2004.12.14、更新:





第1196号のトピック![2004.12.22]

積極的スタチン療法の安全性

L-カルニチン





積極的スタチン療法の安全性

Safety of Aggressive Statin Therapy

 米国コレステロール教育プログラム [The National Cholesterol Education Program] の新ガイドラインは、治療の選択肢として、冠動脈疾患のリスクの高い患者はLDLコレステロール(LDL-C)の目標値を< 100 mg/dLから< 70 mg/dLに、また中等度リスクの患者は130 mg/dLから < 100 mg/dLに下げるよう勧告している1,2。 これらの勧告により、スタチンの使用や高用量の使用が増加し、それに伴って副作用も増加する可能性がある。

【日本語版コメント】

 スタチン製剤は、高脂血症の第一選択薬として既に定着し、製薬会社にとっても世界市場規模$22 billion(約2兆3300億円;2003年)と巨大なもの。 しかし、同系のセリバスタチン(バイコール)が重篤な筋肉障害(横紋筋融解症)による死者が50人以上という被害をもたらし販売中止[2001.8]という問題もあった。

 ここで最新スタチン製剤ロスバスタチン(クレストール;日本では2004.10.18 薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会通過)の安全性が大問題となっている。 発端は2004.11.18の米国上院財務委員会Vioxx(抗炎症剤COX2阻害剤)全世界回収ヒアリングにおいて、Dr David Graham がAstraZeneca社Crestorを含む5種類の脂質低下剤の安全性への疑義を提議した事。

 クレストールは、米国では安全性問題で承認が遅れていたが2003年8月にFDAが承認し、2003年9月に発売。医薬品監視を行う米国市民団体Public Citizenは、同会発行の医薬情報誌 Worst Pills Best Pills News2003年10月号で、クレストールを「用いるな」と厳しく評価、2004年10月29日にはFDAに市場回収要望書を提出(薬害オンブスパースン会議が邦訳)。 「クレストール」は、他のスタチン剤よりも腎障害の報告率が75倍高く、また横紋筋融解症の報告率は横紋筋融解症発生の多さで市場回収されたバイコールの相当時期の報告数に近いとのこと。 英国ランセット誌も、2003年10月25日号(362,1341.2003)でロスバスタチンの安全性に疑問を呈し、アストラゼネカの激しい売り込みを非難。

 横紋筋融解症を早期に発見する上で有効なマーカーは,血中クレアチンキナーゼ(CK)だが、臨床現場で検査が行われているかどうか大いに疑問だ。
 このような背景下でスタチン製剤の安全性を検証する。

 →詳細は参考資料●MLリソース:高脂血症治療薬に纏めた。

【日本語版要約】

・新ガイドラインの勧告から、スタチンの使用頻度や高用量の投与が増加することが予測され、それに伴い副作用が増加する可能性が出てきた。
・ミオパシーはクレアチニンキナーゼ上昇の有無にかかわらず現れることがあり、高齢者やフィブラート系薬剤を服用している患者はこのリスクが高い。
・横紋筋融解症はまれであるが、それまで無症候であった患者に発生する可能性がある。
・スタチンが癌の発生率を増加させるかどうかは、未だ明らかではない。




L-カルニチン

L-Carnitine

 カルニチンは、長鎖脂肪酸のミトコンドリアへの運搬に必須の天然アミノ酸誘導体である。 インターネットでは、体重を減らし、エネルギーを増加させ、運動能力を向上させ、加齢を遅らせるdietary supplementとして広告宣伝されている。 塩化レボカルニチンlevocarnitine Cl (Carnitor − Sigma-Tau;日本ではエルカルチン錠[大塚製薬])の経口剤および非経口剤は、1986年に原発性カルニチン欠損症の治療薬としてFDAに承認されている1。 米国では、レボカルニチンとその合成誘導体アセチル-L-カルニチンを含有する製剤がdietary supplementとして販売されている。

【日本語版コメント】

 最近、健康食品成分としてL-カルニチンが注目されているらしい。 今まで日本でL-カルニチンは医薬品とされていたが、2002年に食品に分類されてから健康食品として出回るようになった。
L-カルニチンは、海外では心臓疾患、運動能力改善などに使われているが、日本では主としてダイエット用健康食品(体脂肪燃焼など)として出回っている。

 L-カルニチンは、二つのアミノ酸、リジンとメチオニンから構成された成分で、肉などから摂取することができるし、ヒトの場合主に肝臓で合成される生体内物質であり天然に存在すること等から、海外における取扱いをみると、スイスでは摂取量の上限はあるものの、医薬品ではなく健康食品とされ、ドイツでは食品中のL-カルニチンは天然成分とみなされ食品に対する特別の規制はない等、多くの国でL-カルニチンは食品として扱われている。

 日本では、ようやく平成14年11月15日、厚生労働省医薬局長通知により、L−カルニチンが「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」から削除され、「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」に追加された(「医薬品の範囲に関する基準の一部改正について」(平成14年11月15日医薬発第1115003号))。
 ちなみに、医薬品としての適応症は、塩化カルニチンが「消化管機能低下のみられる慢性胃炎」、塩化レボカルニチンが「プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症におけるレボカルニチン欠乏の改善」。

 →詳細は参考資料●MLリソース:カルニチン製剤に纏めた。

【日本語版要約】

・インターネットで、カルニチンが減量、運動能力向上、若さを保つためのdietary supplementとして宣伝されている。
・レボカルニチンの適応症はカルニチン欠損症のみで、その他に有効性が立証された疾患はない。
・レボカルニチンは間欠性跛行、心疾患、男性の加齢症状、疲労状態の治療薬として研究されており、一部の試験ではある程度の有効性が示唆されているものの、より大規模な試験が必要である。




編集後記

●積極的スタチン療法の安全性

 スタチン製剤は、臨床ガイドラインの推奨以上に、過剰使用されている。
メーカー側も、比較的高薬価だし、確かに効果があると言うことで積極販売する傾向はやむを得ないことだろう。 特に、シンバスタチン(リポバス[万有]ほか13社)、プラバスタチン(メバロチン[三共]ほか24社)とジェネリックが参入して、乱戦・混戦模様。 過去の歴史からして、行き着くところ迄行かないと落ち着かない。
つまり、現在薬価差が両剤とも半分程度。 更に値下がりし、皆横並びになった段階で、儲けが少なくなるので、販売に力が入らなくなり、落ち着く。

 今回のテーマである安全性。 筋肉障害(横紋筋融解症)なんだが、発生率が非常に低いのに、2001年8月にセリバスタチン(バイコール)が販売中止になったのか?
 死者が多く出たことだけが問題だっのではない。 気づいた時点では既に手遅れになってしまうという危険性があるからだ。

横紋筋融解症は、骨格筋細胞の融解、壊死により筋体成分が血液中に流出した病態。その際、流出した大量のミオグロビンにより尿細管に負荷がかかるため、急性腎不全を併発することが多い。 自覚症状として『四肢の脱力感、腫脹、しびれ、痛み、赤褐色尿(ミオグロビン尿)』などがあるわけだが、高脂血症患者の場合、太りすぎ・中高年が多く、そのせいだろうと、自分も医師も納得するわけだ。 つまり当てにできない。
 血中ミオグロビン、CPK値を測定する必要がある。 一日ドック程度では検査対象に含まれないので、要注意
cf.『横紋筋融解症を惹起する薬剤』(医薬品情報21)
CF.[MSN]健康診断の見方 によるとCPK正常値は[男性:24〜195IU/l 女性:24〜170IU/l]


●L-カルニチン

 健康食品の分野は、いまコエンザイムQ10(キューテン)が、老化防止で話題なわけですが…。
 L-カルニチン(レボカルニチン)もそこそこの人気のようです。 体脂肪燃焼ですかね? この製品のキーワードは。

 しかし健康食品分野は急成長ですね。 トクホ(特定保健用食品)だけで年間5700億円市場で、年成長率がスゴイ!
 やはり医療費患者負担3割というのが大きいのでしょうか?
 (しかし一方、OTC薬市場の凋落は、いったいどう解釈したものでしょうか?)

 一方で健康被害もヒドイものです。 漢方薬並に緩和な効果のはずの健康食品がナゼ?
〜要するに、効果を劇的に出すために、医薬品を過剰に混入させるわけです。
興味のあるかたには、東京都福祉保健局の「食品衛生の窓」http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/index.html がおすすめです。 一番充実してますね。




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●参考資料
医薬調査資料(追加メモ)の頁製薬各社製品売上(世界)製薬各社製品売上(国内)「FDA承認新薬一覧」
ML_ADD資料:FDA諮問委員会〜議題




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