MLリソース:低ナトリウム血症治療薬
低ナトリウム血症治療薬 = Hyponatremia 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群 = Syndromes of Inappropriate secretion of AntiDiuretic Hormone : SIADH■個別収録製品●[1237]conivaptan HClコニバプタン (Vaprisolバプリゾール [Astellas])
日本語版註)conivaptan HClコニバプタン (Vaprisol バプリゾール[Astellas])
●[]塩酸モザバプタンMozavaptane HCl (フィズリン錠30r[大塚製薬])Physuline
【別名】YM087 【開発元】●アステラス製薬株式会社 [DBR_ID]x
【化学名】[1,1’-biphenyl]-2-carboxamide,N-[4-[(4,5-dihydro-2-methylimidazo[4,5-d][1]benzazepin-6(1H)-yl)carbonyl]phenyl]-, monohydrochloride
【承認〜体液正常型低ナトリウム血症】FDA申請=2004.1.30、FDA承認=Dec 29, 2005、米国発売=2006.4.26[INJECTABLE; IV (INFUSION) 20MG/4ML (5MG/ML)]; 【承認〜体液貯留型低ナトリウム血症】FDA申請=Jan 30, 2004、FDA承認=Feb 28,2007 【承認〜VAPRISOL IN 5% DEXTROSE IN PLASTIC CONTAINER 】FDA申請=Mar 5, 2008、FDA承認=Oct 8,2008
【製剤】Each ampule will deliver 20 mg conivaptan hydrochloride;またVAPRISOL (conivaptan hydrochloride injection) Premixed in 5% DextroseはEach container contains a clear, colorless, sterile, non-pyrogenic solution of conivaptan hydrochloride in dextrose. Each 100 mL, single-use premixed INTRAVIA Container contains 20 mg of conivaptan hydrochloride and 5 g of Dextrose Hydrous, USP.
【適応】VAPRISOL is indicated for the treatment of euvolemic and hypervolemic hyponatremia (e.g.the syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone, or in the setting of hypothyroidism, adrenal insufficiency, pulmonary disorders, etc.) in hospitalized patients. VAPRISOL is not indicated for the treatment of patients with congestive heart failure 【用法用量】初回20mgを30分以上かけて静注。1-3日後20mg/日。
【作用】a nonpeptide, dual antagonist of arginine vasopressin (AVP) V1A and V2 receptors. 【特徴】世界初
【製品情報】www.vaprisol.com 【添付文書】Vaprisol Prescribing Information
【EU】2005.3期Q4開発中止(効果が目標未達 【日本】[第8回(平成18年4月)未承認薬使用問題検討会議]治験開始の検討要請中 【その他】
日本語版註)塩酸モザバプタンMozavaptane HCl (フィズリン錠30r[大塚製薬]Physuline)
【別名】OPC-31260; Mozavaptane HCl[JAN];Mozavaptan[INN] 【開発元】大塚製薬 [DBR_ID]x
【化学名】N-[4-[[(5RS)-5-(dimethylamino)-2,3,4,5-tetrahydro-1H-1-benzazepin-1-yl]carbonyl]phenyl]-2-methylbenzamide
【承認】FDA申請=x、FDA承認=x ;
【作用】バソプレシン受容体拮抗薬;1989年に大塚製薬株式会社で合成された非ペプチド性バソプレシンV2-受容体拮抗剤であり、腎臓集合管でのバソプレシンによる水再吸収を阻害し、電解質排泄の増加を伴わず過剰な水分のみを排泄する作用(水利尿作用)を示す。本剤はこの水利尿作用により、過剰な水分を除去し、異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群における低ナトリウム血症を改善する。 【特徴】本剤は,電解質排泄の増加を伴わず過剰な水分のみ排泄する作用(水利尿作用)を有する非ペプチド性バソプレシンV2一受容体括抗薬。
【EU】x
【日本】フィズリン錠30r[大塚製薬]Physuline 承認2006年7月26日、薬価収載2006年9月15日、発売2006年10月24日 【製剤〜日本】1錠中に塩酸モザバプタン30mgを含有 【適応〜日本】異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群における低ナトリウム血症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る) 【用法用量〜日本】通常,成人には塩酸モザバブタンとして30mgを1日1回食後に経口投与する。 【製品情報〜日本】フィズリン錠30mg 【添付文書〜日本】フィズリン[pdf] - インタビューフォーム 【その他】本邦初
薬事・食品衛生審議会は2006年6月26日、薬事分科会を開催。4月20日の医薬品第一部会で、新有効成分であり、類似薬がないため「分科会審議」となっていた大塚製薬のバソプレシン受容体拮抗薬「フィズリン錠30r」(一般名=塩酸モザバプタン)について審議。結果、「承認して差し支えない」との結論に達し、承認を了承した。
「フィズリン錠」の効能効果は、「異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群における低ナトリウム血症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)」。治験症例数が16例と少なく、承認条件として全例調査するよう指示が出たものの、分科会では特段反対する意見はなく、承認を了承した。なお、同剤は希少疾病医薬品に指定されており、再審査期間は10年。
[1326]●トルバプタンtolvaptan(Samsca - Otsuka)サムスカ日本語版註)トルバプタンtolvaptan(Samsca - Otsuka)サムスカ
【別名】OPC-41061 【開発元】大塚製薬 [DBR_ID]x
【化学名】(±)-4'-[(7-chloro-2,3,4,5-tetrahydro-5-hydroxy-1H-1-benzazepin-1-yl) carbony1]-o-tolu-m-toluidide
【承認】FDA申請=2007.12.21、FDA承認勧告=2008.6.25、FDA承認=2009.5.19 ; 【製剤】Tablets: 15 mg and 30 mg tolvaptan 【適応】(心不全、肝硬変、および抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)などの患者における、臨床的に問題となる体液貯留型、および体液正常型低ナトリウム血症(血清ナトリウム値<125mEq/Lあるいは、水分摂取制限で改善が見られない症候性の低ナトリウム血症)の治療) SAMSCA is a selective vasopressin V2-receptor antagonist indicated for the treatment of clinically significant hypervolemic and euvolemic hyponatremia [serum sodium < 125 mEq/L or less marked hyponatremia that is symptomatic and has resisted correction with fluid restriction], including patients with heart failure, cirrhosis, and Syndrome of Inappropriate Antidiuretic Hormone (SIADH) .
Important Limitations: 1)Patients requiring intervention to raise serum sodium urgently to prevent or to treat serious neurological symptoms should not be treated with SAMSCA. 2)It has not been established that SAMSCA provides a symptomatic benefit to patients. 【用法用量】初回1日1回15mgから開始。 最大60mg迄。
【作用】SAMSCAは、腎臓の集合管において、バソプレシン(抗利尿ホルモン)のV2受容体への結合を選択的に阻害する、独自の作用機序をもった治療薬。バソプレシンは、その作用のひとつとして、V2受容体に結合することで、体液を保持することが知られているが、SAMSCAはV2受容体において、バソプレシンの働きを抑制することで、ナトリウムなどの電解質の排出に直接の影響を与えずに、尿中から血中への水再吸収を減少させ、水を体外へ排出するメカニズムを持つ。 【特徴】米国で初めての経口選択的バソプレシンV2受容体拮抗剤
【製品情報】www.samsca.com 【添付文書】SAMSCA FULL PRESCRIBING INFORMATION
【EU】Samsca[Otsuka]承認3 Aug 2009 (抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)による低ナトリウム血症の治療)
【日本】OPC-41061[大塚製薬]低ナトリウム血症としては未開発だが、心性浮腫および常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKDで第3相、肝性浮腫で第2相 【その他】低ナトリウム血症治療薬
【日本語版コメント1326〜低ナトリウム血症治療薬トルバプタン(Samsca)】
低ナトリウム血症は、心不全や肝硬変患者の予後に影響を与えるもので、正常な血清ナトリウム濃度は135〜145mEq/Lで、135mEq/L未満は低ナトリウム血症と診断される。 血清ナトリウム値が急激に低下する場合、混乱を伴う精神状態の変調、昏睡、痙攣発作などが生じ、血清ナトリウム値が徐々に低下する場合でも、筋痙攣や頭痛などが引き起こされることがある。また、慢性的な低ナトリウム血症患者は、注意欠如、非静穏性、歩行障害、姿勢保持困難、転倒回数の増加などの症状を抱え、その他の症状として、悪心・嘔吐、興奮、衰弱などがある。SIADHは、不適切に分泌されたバソプレシンが腎集合管のV2受容体を介して水の再吸収を促進し、腎臓からの水の排泄を抑制することにより、水分貯留を起こすことで、低ナトリウム血症の原因となる。SIADHの発症原因は様々だが、中でも悪性腫瘍(抗利尿ホルモン産生腫瘍)、中枢神経性疾患、薬剤などにより発症することが知られる。 厚生労働省の全国調査(1999年)ではSIADHの患者数推計は1,700人だが、診断がむずかしいこともあり実数はこの10倍前後が1年間に発生しているものと考えられた。 これまでの低ナトリウム血症の治療薬は米国では注射剤Vaprisol バプリゾール(一般名コニバプタン塩酸塩)が2006年4月発売、今回経口剤Samsca サムスカ(一般名トルバプタン)が2009年5月19日FDA承認、2009年8月3日EMEA承認。 日本ではフィズリン錠30r[大塚製薬](一般名塩酸モザバプタン)が2006年10月24日から販売されている。
SAMSCAは、米国で初めての経口選択的バソプレシンV2受容体拮抗剤で、心不全、肝硬変、および抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)などの患者における、臨床的に問題となる体液貯留型、および体液正常型低ナトリウム血症の適応症で承認された。
【日本語版コメント1237〜低ナトリウム血症治療薬Conivaptan (Vaprisol − アステラス製薬)】
低ナトリウム血症は,非常に一般的な電解質異常であり,病院に入院する全患者の1%に発生し、AIDS入院患者の50%にも及ぶとの報告もある。 体内の総ナトリウム量に対して総体液量が過剰になる疾患で、全身のナトリウム量と総体液量の関係から体液正常型、体液貯留型、体液減少型の3種類に大別される。入院患者の電解質異常の中では最も頻繁に認められるもので、米国では年間約3,000万人以上といわれる全入院患者の約4%に発症するという報告もある。
原因としては、利尿剤、腎障害、うっ血性心不全、肝硬変、ADH分泌異常症候群の一つSIADH(ADH不適合分泌症候群)等多岐にわたる。
主な症状としては人格変化、傾眠、錯乱などの神経症状があり、また重度の低ナトリウム血症では生命に危険を及ぼす恐れもあるため、緊急治療を要する疾患と考えられているが、最近まで有用な治療薬は存在しなかった。
今回採りあげるのは世界初の低ナトリウム血症治療剤「VAPRISOL(R) (バプリゾール、一般名:コニバプタン)アステラス製薬」で米国で2006年4月に発売された。 本剤は日本での発売予定はないが、同じ抗利尿ホルモンのバソプレシンV2受容体拮抗剤塩酸モザバプタン(フィズリン錠30r[大塚製薬])が2006年6月26日薬事分科会を通過し、「低ナトリウム血症」の適応で近く発売予定。
【市場】 【開発中の新薬】 ●「治験」ホームページ[厚生労働省] - 開発中の新薬[<情報提供:日本製薬工業協会>] /2010.3.27 会社別開発中新薬一覧。 検索機能なし。68社から情報提供●New Medicines in Development[PhRMA 米製薬協] Hyponatraemia /2010.4.2
治験薬記号(一般名)
および剤型予定される効能又は効果、
対象疾患名および症状名開発段階 その他 国内 海外 (地域) 「Vaprisol/バプリソール」YM087(コニバプタン) 注射[アステラス製薬] 【適応追加】体液貯留型の低ナトリウム血症 承認(米)2007.3.2 自社;体液正常型の低ナトリウム血症は2005.12.30FDA承認、2006.4.27米国発売済み バプリソールVaprisol/YM087(コニバプタン) 注射[アステラス製薬] 【剤型追加】低ナトリウム血症(Premix製剤)
(V1a/V2受容体拮抗剤)承認2008.10.22(米国)
申請2008.3(米国)自社 「フィズリン」OPC−31260(塩酸モザバプタン)[大塚製薬] 異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍によるSIADHにおける低ナトリウム血症の改善
[適応症]バソプレシン分泌過剰症における低ナトリウム血症改善発売2006.10.24 国内:自社開発 OPC-41061(トルバプタン/tolvaptan)米国「SAMSCA(TM)」(日本語表記:サムスカ)[大塚製薬] うっ血性心不全,低ナトリウム血症
(V2-vasopressin receptor antagonist)EU承認2009.8.3
米承認2009.5.19
米諮問委勧告2008.6.25
米申請2007.12.21自社開発:自社品 心性浮腫 第V相 自社開発:自社品 肝性浮腫 第U相 自社開発:自社品 常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD) 第V相 第V相(北米、南米、欧州、オーストラリア) 自社開発:自社品 【メモ】米国での適応症は「心不全、肝硬変、および抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の患者における、臨床的に問題となる体液貯留型、および体液正常型低ナトリウム血症(血清ナトリウム値<125mEq/Lあるいは、水分摂取制限で改善が見られない症候性の低ナトリウム血症)の治療」。
SAMSCAは、腎臓の集合管において、バソプレシン(抗利尿ホルモン)のV2受容体への結合を選択的に阻害する、独自の作用機序をもった治療薬です。バソプレシンは、その作用のひとつとして、V2受容体に結合することで、体液を保持することが知られています。SAMSCAは、V2受容体において、バソプレシンの働きを抑制することで、ナトリウムなどの電解質の排出に直接の影響を与えずに、尿中から血中への水再吸収を減少させ、水を体外へ排出するメカニズムを持ちます。SAMSCAは、大塚製薬が自社で創製した化合物で、大塚製薬は現在、北米・欧州・日本を含むアジアで、グローバルに臨床開発を行っています。【解説資料】 低ナトリウム血症は,非常に一般的な電解質異常であり,病院に入院する全患者の1%に 発生し、AIDS入院患者の50%にも及ぶとの報告もある。 原因としては、利尿剤、腎障害、うっ血性心不全、肝硬変、ADH分泌異常症候群の一つ SIADH(ADH不適合分泌症候群)等多岐にわたる。 主な症状としては人格変化、傾眠、錯乱などの神経症状があり、また重度の低ナトリウ ム血症では生命に危険を及ぼす恐れもあるため、緊急治療を要する疾患と考えられている が、最近まで有用な治療薬は存在しなかった。 ●メルクマニュアル第版日本語版 低ナトリウム血症 ■図書 より理解を深める! 体液電解質異常と輸液 改訂2版[中外医学社] 深川雅史 監修 柴垣有吾 著 ; 2006 B5判246頁 定価5,250円(本体5,000円+税5%) ISBN4-498-12307-7 【データ】 「患者調査2002」E871低浸透圧および低ナトリウム血症 1千人 低ナトリウム血症は、体内の総ナトリウム量に対して総体液量が過剰になる疾患で、全身 のナトリウム量と総体液量の関係から体液正常型、体液貯留型、体液減少型の3種類に大 別される。入院患者の電解質異常の中では最も頻繁に認められるもので、米国では年間約 3,000万人以上といわれる全入院患者の約4%に発症するという報告もある。 FROM 低ナトリウム血症治療剤「VAPRISOL (バプリゾール)」米国で新発売(2006/04/27) 難病情報センター - ADH分泌異常症 ADH(抗利尿ホルモン)分泌異常症には、1.ADHの不足によって発生する中枢性尿崩 症、2.ADHの過分泌により発生するSIADH(ADH不適合分泌症候群)の全く異なる2種 類の病態が含まれます。 SIADHでは水分の過剰貯留による低ナトリウム血症を検査で発見されることが多い。 1999年の厚生労働省の全国調査では、中枢性尿崩症で治療を受けている患者数の推計 結果は4,700人であり、SIADHの患者数推計は1,700人でした。中枢性尿崩症の患者数 はともかく、SIADHは診断がむずかしいこともあり、米国などの報告から見ても実数 としてはこの10倍前後が1年間に発生しているものと考えられます。 - 偽性低アルドステロン症 高カリウム血、低ナトリウム血、高レニン血、腎臓からの塩類喪失などアルドステロ ン分泌不全を疑わせますが、血中アルドステロン濃度は低下していないところから偽 性低アルドステロン症と呼ばれます。偽性低アルドステロン症は遺伝性疾患であり、 I 型とII 型に分けられます。I 型は腎尿細管でのアルドステロンの作用不全により、 II 型は腎尿細管でのカリウム排泄障害による病態です。 I 型偽性低アルドステロン症は1958年にはじめて食塩喪失症候群として報告され、こ れまで100例以上の報告がある小児の稀な疾患です。患者の家族に無症状の症例が存 在します。 【臨床ガイドライン】 国内外ともなし。 【総説記事・文献】 ●バソプレシン拮抗剤 [REVIEW] Vasopressin receptor antagonists: pharmacological tools and potential therapeutic agents Autonomic & Autacoid Pharmacology Volume 26 Page 141 - April 2006 Vasopressin receptor antagonists Kidney Int. 2006 Jun;69(12):2124-30. Epub 2006 May 3. Review Drugs of the future: vasopressin antagonists Cell Mol Life Sci. 2006 Jun 23; ●低ナトリウム血症 Vaptans and the treatment of water-retaining disorders Semin Nephrol. 2006 May;26(3):234-43 Vasopressin antagonists as aquaretic agents for the treatment of hyponatremia Am J Med. 2006 Jul;119(7 Suppl 1):S87-92. Review ●conivaptan Efficacy and safety of oral conivaptan: a V1A/V2 vasopressin receptor antagonist, assessed
製品名 会社 適応 国 段階 備考 Lixivaptan
(VPA-985)CardioKine, Inc Hyponatremia 米国 P2 a highly potent, non-peptide, selective vasopressin V2 receptor antagonist;低ナトリウム血症;心不全;cirrhosis;SIADH RWJ 676070 Johnson & Johnson Hyponatremia 米国 P1 a novel nonpeptide vasopressin V2 receptor antagonist satavaptan(SR121463B) Sanofi-Aventis SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群) P3 a Vasopressin 2 Antagonist; ●承認済み Conivaptan
(Vaprisol(R);YM087)Astellas Hyponatremia 米国 2005.12.30FDA承認
2006.4.27米国発売Tolvaptan
(OPC-41061)AstraZeneca Hyponatremia 米国 EU承認2009.8.3
米承認2009.5.19
米諮問委勧告2008.6.25
米申請2007.12.21a Vasopressin 2 Antagonist;心不全;大塚製薬開発品 ●開発中止 RWJ 351647 Johnson & Johnson Hyponatremia 米国 P1 a novel nonpeptide vasopressin V2 receptor antagonist
in a randomized, placebo-controlled trial in patients with euvolemic or hypervolemic hyponatremia J Clin Endocrinol Metab. 2006 Jun;91(6):2145-52. Epub 2006 Mar 7. ●tolvaptan Therapeutic effects of tolvaptan, a potent, selective nonpeptide vasopressin V2
receptor antagonist, in rats with acute and chronic severe hyponatremia Endocrinology. 2005 Jul;146(7):3037-43. Epub 2005 Apr 14. ●Lixivaptan(VPA-985) Therapy of hyponatremia in cirrhosis with a vasopressin receptor antagonist: a randomized double-blind multicenter trial. Gastroenterology. 2003 Apr;124(4):933-9 【ニュース・トピックス】 【リンク・リソース】 【主要サイト】
●解説
■低ナトリウム血症
●メルクマニュアル第版日本語版 低ナトリウム血症
●発生率,病因,発生病理 低ナトリウム血症は,非常に一般的な電解質異常であり,病院に入院する全患者の1%に発病をみる。低ナトリウム血症は,AIDSで入院している患者の50%にも及ぶと報告されている。
低ナトリウム血症は全身の総ナトリウム量と比較したTBWの過剰を反映して起きている。全身の総ナトリウム含有量はECF容量の状態に反映されているので,低ナトリウム血症の原因を,体液量減少,正常ECF量,および体液量過剰の原因と合わせた分類は有用である。低ナトリウム血症の主要な原因を表12-4に示してある。
低ナトリウム血症に至る腎の水分喪失はミネラルコルチコイド障害,利尿療法,浸透圧利尿,あるいは塩類喪失性腎炎で生ずることがある。塩類喪失性腎炎とは大まかに規定した一群の原発性の間質性(尿細管)機能不全を伴う内因性腎臓疾患を総括したものである。この中には間質性腎炎,髄様嚢胞疾患,尿路部分閉塞,およびときに多嚢胞腎臓疾患が含まれる。循環血流量減少性低ナトリウム血症の腎臓の原因は通常は病歴によって腎外性の原因と区別ができる。腎の水分喪失が進行中の患者は,異常に高値の尿中ナトリウム濃度(20mEq/Lを超える)による,腎外性の水分喪失の患者と鑑別できる。代謝性アルカローシス(長期にわたる嘔吐によって起こる)ではこれに対する例外が発生し,大量のHCO3が尿中に漏出して電気的中性を維持するためのナトリウム排泄を強制する。代謝性アルカローシスでは,尿中のCl濃度で体液量喪失が腎性のものか,腎外性のものかは鑑別できることがよくある(後述の「代謝性アルカローシス」参照)。
利尿薬は循環血流量減少性低ナトリウム血症を発生させることもある。サイアザイド利尿薬はナトリウム排泄を増加する一方で,腎の希釈能に作用する。一旦体液量喪失が起こると,ADHの非浸透圧性の放出が原因で水分保持および低ナトリウム血症が悪化することがある。随伴する低カリウム血症は細胞内にナトリウムを移動させてADH放出を増強し,そのために低ナトリウム血症を悪化させる。サイアザイドによるこの効果は治療終了後2週間までも持続することがある;しかし,低ナトリウム血症は薬物の作用が消失するまでの厳格な水分制限を行うとともに,カリウムと水分不足を補充することに通常はよい反応をする。高齢者の場合は特にサイアザイド誘発性の低ナトリウム血症を起こしやすいが,とりわけ以前からの腎の水分排泄障害が存在している場合には起こりやすい。このような患者が,サイアザイド利尿薬を開始して数週間以内のうちに,過度の尿中ナトリウム排泄亢進や潜在性の尿の希釈能障害のために,重症で生命を脅かすような低ナトリウム血症を発症することがまれにある。ループ利尿薬は一般的に低ナトリウム血症の原因となることは非常に少ない。
AIDSは多臓器系統が侵される疾患なので,低ナトリウム血症になりうる原因は多数ある。したがって,腎機能障害があったり,または血管内容量喪失による非浸透圧性のバゾプレシン放出がある場合に低張液を投与したときは,腎の水分排泄を阻害する薬物の同時投与の有無にかかわらず,低ナトリウム血症が発症することがある。さらに,副腎不全がAIDS患者にますます一般化しているが,これはサイトメガロウイルス性副腎炎,マイコバクテリア感染症,およびケトコナゾールによる副腎のグルココルチコイドとミネラルコルチコイド合成の障害の結果として起こっているものである。なお,肺や中枢神経系の感染症が合併したために,ADH不適合分泌症候群(SIADH)がAIDS患者に起こることがある。
循環血流量減少性低ナトリウム血症の特徴は水分とナトリウムの両者の不足である;しかし,比率上は水分よりもナトリウムの方が不足している。遷延性嘔吐や,重篤な下痢,またはthird spaceへの水分貯留などによって生じる水分喪失を,自由水の経口摂取あるいは低張液のも静注により補充されたときに,低ナトリウム血症が起こることがある。低浸透圧性のADH放出の場合,腎臓による水分保持および低ナトリウム血症の維持または一層の悪化をみることによって,著明なECF液喪失を生じる。循環血流量減少性低ナトリウム血症は腎外性水分喪失によっても腎性水分喪失によっても起こることがある。腎外性喪失には消化管およびthird spaceによるものが含まれる。驚くほどの大容量の水分が膵臓炎,腹膜炎,小腸閉塞で隠されたり,重症の大きな体表面積の火傷で失われる。体液量喪失に対する正常な腎の反応はナトリウムの保持である。腎外性の原因の循環血流量減少の場合,尿中ナトリウム濃度が10mEq/L以下になることはよくある。
循環血液量正常低ナトリウム血症はTBWが増加し,全身の総ナトリウム含有量に著しい変化がないときに起こる。原発性多飲症が低ナトリウム血症を起こすのは,水分摂取量が腎臓の水分排泄能を凌駕したときに限られる。正常な腎臓は尿を1日に25Lまで排泄できるので,多飲症のみに起因する低ナトリウム血症が発生するのは大量の水の経口摂取によるか,または腎の希釈能の障害による。このようなことが起こるのは,精神病の場合か,もう少し控えめな多飲と腎不全のある患者の場合である。希釈性低ナトリウム血症はまた,腎不全,アジソン病,粘液水腫あるいは非浸透圧性のADH分泌(例,ストレス,手術後,そしてクロルプロパミド,トルブタミド,オピオイド,バルビツール,ビンクリスチン,クロフィブレート,カルバマゼピンといった薬物)などがあり,ナトリウム保持のない場合の過剰な水分摂取が原因となって起こることがある。術後の低ナトリウム血症はとりわけ高頻度であり,4.5%におよぶ患者に発生するが,これは,非浸透圧性のADH放出,および術後の低張液の過剰投与が組み合わさったときに起こるものである。シクロホスファミド,NSAID,クロルプロパミドなどのある種の薬物は,内因性のADHの腎における作用を増強するが,他方,オキシトシンのような薬物は腎に対してADH様の直接作用を持つ。水分の排泄はこういった全ての状況において共通して起こることである。
循環血液量増加性低ナトリウム血症の特徴は全身の総ナトリウム含有量とTBWの双方が増加することである。心不全や肝硬変を含む様々な浮腫性の疾患は循環血液量増加性低ナトリウム血症を伴う。まれに,低ナトリウム血症がネフローゼ症候群にも起こるが,脂質の上昇によるナトリウム測定への干渉に帰因する偽性低ナトリウム血症もまた考慮に入れるべきである。これらの疾患のいずれにおいても,有効循環血液量が減少する結果として,ADHとアンジオテンシンIIが放出される。もし低ナトリウム血症があれば,それはADHが腎に及ぼす抗利尿作用ばかりでなく,アンジオテンシンが腎の水分排泄に与える直接障害の結果でもある。アンジオテンシンIIによる糸球体濾過量の減少および口渇刺激もまた低ナトリウム血症の発現を助長する。利尿薬を投与されていなければ,低ナトリウム血症と浮腫に加えて,ナトリウム濃度の低下(10mEq/L未満)および尿の浸透圧の上昇(血漿との比較において)が通常生じる。
中枢神経におよぼす作用:実験的には,脳細胞の水分量は急性または慢性,いずれの低ナトリウム血症時にも上昇する;しかし,脳細胞の電解質量が減少する結果,慢性の低ナトリウム血症では脳の水分量の増加は血漿浸透圧のレベルから予想される量よりも少ない。急性の低ナトリウム血症では,脳細胞は等張性をあまりうまく調節できず,脳細胞の浮腫が起こる。その結果,慢性の低ナトリウム血症に比べて急性の方が,中枢神経系の機能障害の症状がよく起こる上に,死亡率も相当に高い。
ADH不適合分泌症候群(SIADH)は血漿低浸透圧および低ナトリウム血症があり最大限まで は希釈されていない尿と定義されている。加えて,体液量喪失または過剰,精神的ストレスまたは苦痛,利尿薬や他のADH分泌を促す薬物が存在しないこと,および正常な心臓,肝臓,腎臓,副腎,そして甲状腺の機能が存在することを診断の根拠としている。SIADHは無数の疾患に合併している(表12-5参照)。
古典的には持続するADH放出に起因するとされていたが,ADHラジオイムノアッセイによって,ADH放出の異常パターンのうちのいくつかが同定された。一部の患者においては,ADH分泌は不規則性であり,明らかに浸透圧の制御とは無関係のようである。また,相当数の患者は,ADHレベルは血漿浸透圧とともに適切に変動するが,浸透圧のADH放出に対する閾値は異常に低い(浸透圧閾値の再設定)。少人数の患者は,一定の低いレベルのADH放出をしているようであり;血漿浸透圧の正常範囲内ではADH放出は適正だが,血漿浸透圧が低浸透圧になった場合でも,ADH放出が抑制されない。最後に,最大限に尿を希釈したり水分の過剰分を排泄したりできないが,正常なADH放出のある少数の患者もいる。そういった患者はSIADHというよりむしろ異常抗利尿症候群であり,血漿ADHレベルの定量によってのみ鑑別できる。
●表12-4 低ナトリウム血症の主な原因→ -------------------------------------------------- 血液量減少を伴う低ナトリウム血症(TBWおよびNaの減少;Naの減少の方が相対的に大きい) 腎外性損失 消化管:嘔吐,下痢 third-spaceへの貯留:膵炎,腹膜炎,小腸閉塞,横紋筋融解症,熱傷 腎性損失 利尿薬 浸透圧利尿(グルコース,尿素,マンニトール) ミネラルコルチコイド欠乏症 塩分喪失性腎症 血液量が正常な低ナトリウム血症(TBWの増加;全身Naはほぼ正常) 利尿薬 甲状腺機能低下症 グルココルチコイド欠乏症 ADHの放出が増加する状態(術後の麻薬製剤投与時,疼痛,情動性ストレス) ADH分泌異常症候群 心因性多飲症 血液量増加を伴う低ナトリウム血症(全身Naの増加;TBWの増加の方が相対的に大きい) 腎外性疾患 うっ血性心不全 肝硬変 腎障害 ネフローゼ症候群 急性腎不全 慢性腎不全 -------------------------------------------------- TBW=体内総水分量。 ●表12-5 ADH不適合分泌症候群を伴う疾患→ -------------------------------------------------- 悪性腫瘍 肺 十二指腸 膵臓 リンパ腫 中枢神経 肺疾患 肺炎 肺膿瘍 結核 アスペルギルス症 陽圧呼吸 中枢神経疾患 脳炎 髄膜炎 脳膿瘍 ギラン・バレー症候群 硬膜下またはクモ膜下出血 急性精神病 脳卒中 急性間欠性ポルフィリン症 --------------------------------------------------
●症状と徴候 低ナトリウム血症の症状は,有効血漿浸透圧が240mOsm/kg以下に落ちたときに,基礎疾患とは無関係に起こることがある。しかし,浸透圧の減少速度が減少量の絶対値と同様に重要であり;もし浸透圧の変化が急速に起これば,やや高目の血漿浸透圧でも症状の現れることがある。低ナトリウム血症の症状発現は軽微なことがあり,主として人格変化,傾眠,および錯乱状態などの神経症状である。低ナトリウム血症に全身の総ナトリウム量の障害が付随するとき,体液量喪失または体液量過剰の徴候も存在する(前述「細胞外液容量収縮」および「細胞外液膨張」参照)。血漿ナトリウムが115mEq/L以下に低下すると,昏迷,神経筋の興奮性亢進,けいれん,昏睡長期化がみられ,死に至ることもある。まれには,治療に反応して初期には改善されるが,その後に,遅れて発現した神経症状が昏睡に達し,植物状態の持続,または死に至ることもある。大脳の浮腫,脳ヘルニア,脱髄性病変(橋と橋外の両方)を含む様々な解剖学的変化が観察される。低ナトリウム血症に伴う神経病理学的変化である橋中央ミエリン溶解が,殊にアルコール中毒症や栄養障害,他の慢性的な消耗性疾患のある患者において記述されている。なお,ミエリン溶解と,低ナトリウム血症を是正する速度と程度,あるいは無酸素症との関係については議論のあるところである(後述「治療」参照)。
閉経前の女性は特に,急性低ナトリウム血症に合併して重度の脳浮腫を起こしやすいのではないか,と最近の研究が示唆しているが,これはおそらく,エストロゲンとプロゲステロンによって脳のNa+,K+,ATPaseが阻害され,結果として,脳細胞からの溶質の排出が減少することに起因している。報告された続発症の中には,視床下部および下垂体後葉の梗塞,および重症の場合は脳幹ヘルニア形成がある。
●予後 上述のように,中枢に及ぼす作用のために,慢性の低ナトリウム血症に比べて急性の場合の方が死亡率は相当に高い。他の消耗性疾患の存在が低ナトリウム血症の生存率に影響すると思われる。したがって,低ナトリウム血症に合併してアルコール中毒症,肝硬変,心不全,あるいは悪性腫瘍がある場合には,死亡率は上昇する。
●治療 軽度で無症候性の低ナトリウム血症(すなわち,血漿ナトリウムが120mEq/L以上)の治療は,特に背景原因を同定し,除去できる場合は,単純明快である。したがって,サイアザイド誘発性の低ナトリウム血症の患者の場合は,利尿薬を中止し,ナトリウムやカリウムの不足分を補給すれば十分であろう。同様に,水分排泄障害のある患者に不適切な非経口輸液をしたために軽度の低ナトリウム血症が起こった場合には,低張液療法を中止することだけで十分なはずである。
低ナトリウム血症,高カリウム血症,および低血圧があれば,副腎機能不全が推測されるので,グルココルチコイドの静注投与が必要であろう(急性副腎機能不全の場合は,5%グルコース含有0.9%の食塩水1Lに100〜200mgのヒドロコルチゾンを溶かしたものを4時間かけて投与する;9章「アジソン病」の「治療」も参照)。副腎機能は正常であるが,低ナトリウム血症がECF喪失と低血圧を合併しているときには,0.9%NaCl液の投与によって通常は低ナトリウム血症と低血圧の両方が治る。もし背景にある疾患の反応性が遅かったり,低ナトリウム血症が顕著な場合(すなわち,血漿ナトリウムが120mEq/L未満)には,水分の経口摂取を500〜1000mL/24時間を超えないように制限すると非常に有効である。
腎のナトリウム保持による細胞外液量の増加(例,心不全,肝硬変,ネフローゼ症候群)に伴って希釈性低ナトリウム血症が発生している場合,低ナトリウム血症に起因する症状はほとんど出ない。こういう場合,背景にある疾患の治療に並行して行う水分制限がしばしば有効である。ループ利尿薬と併用したACE阻害薬であるカプトプリルによって,心不全の患者の難治性低ナトリウム血症を治すことができる。おそらくカプトプリルや他のACE阻害薬は,レニン-アンジオテンシン系の活性増大を特徴とする他のECF量増加状態,特にネフローゼ症候群に対して効果を発揮することがある。SIADHが存在する場合は,維持量の25〜50%の厳しい水分制限を行う。治癒状態が持続するかどうかは,基礎疾患の治療が成功するかどうかで決まる。
転移性肺癌のように,背景にある疾患がもはや治療できない場合や,厳しい水分制限が患者にとって受け入れ難い場合には,デメクロサイクリン(900〜1200mg/日)が有効なことがある;しかし,肝硬変のある患者に使用すると急性腎不全が起こることがある。デメロサイクリンを中止すれば腎機能不全は通常は回復するが,肝硬変の患者にはこの薬物の使用を避け,他の状況においても慎重に使用しなくてはならない。
低ナトリウム血症の治療は,重症の水中毒症状(例,けいれん発作)がある場合や,低ナトリウム血症が重篤な場合(血漿Na<115mEg/L;有効浸透圧<230mOsm/kg)には,さらに議論の余地がある。この議論は主に,低ナトリウム血症治療の速度と程度に関するものである。低ナトリウム血症が重度であるのに無症候性のときには,通常は水分摂取の厳重な制限が安全で適切な治療法であるが,専門家によっては高張性の食塩水を投与すべきであると主張している。高張性(3%)の食塩水(513mEq/Lのナトリウム含有)が重度の症状(例えば全身けいれん)を伴う低ナトリウム血症の治療に利用できる。さらなる神経学的後遺症(特に,橋中央ミエリン溶解,後述参照)を引き起こす可能性があるので,低ナトリウム血症の状況においては高張性食塩水は非常に慎重に使用すべきである。低ナトリウム血症の過剰治療は危険であるという専門家の合意があり;高ナトリウム血状態ばかりか,正常ナトリウム血症でさえも避けなければならない。
血漿ナトリウムは毎時1mEq/Lよりも速く上昇させてはならないと,多数の専門家は推奨している。以下に述べるのは,合理的な折衷案である:高張性(3%)の食塩水250mgをゆっくり静注し,10時間後に血清ナトリウム値を測定する。まだ数値が低いままであれば,同量を繰り返し,血清ナトリウムの上昇を10mEq/L/24時間以内に維持する。 ECF量過剰を伴う患者(SIADHの患者を含む)の場合,フロセミドのようなループ利尿薬の投与に,等張性の食塩水および,利尿薬によるカリウム喪失を補給すべくKCl投与を組み合わせることがある。利尿薬に対して反応しない体液量過剰の低ナトリウム血症の場合には,高張食塩水の静注で低ナトリウム血症を治療する一方で,ECF量を調節するための間歇的ないし連続性の血液濾過が必要であろう。
低ナトリウム血症の性急すぎる治療に続発する非常に重大な神経学的後遺症は橋中央ミエリン溶解(橋の中央底での脱髄)である。脱髄は脳の他の領域も侵すことがある。数日または数週間で四肢不全麻痺および顔面下方と舌の脱力が進行することがある。病変部位は背面性に広がって,知覚神経路を巻き込み,患者を閉じこめ症候群(覚醒し知覚のある状態の患者は,全般的な運動麻痺のために,暗号化した目の動き以外では意思の疎通ができない)にしてしまう。損傷はしばしば終生のもので,全身性の合併症が介入してくる。もしもナトリウム補充が急激すぎたときは(例,火傷の患者に大量の通常食塩水を与える),高張液で低ナトリウム血症を誘発することが,ときに橋中央ミエリン溶解の発現を緩和することがある。
●データ
●臨床ガイドラインなど
●総説記事・文献
●ニュース・トピックス
●リンク&リソース
●主要サイト
[1326]●製品 トルバプタンtolvaptan(Samsca - Otsuka)サムスカ
日本語版註)トルバプタンtolvaptan(Samsca - Otsuka)サムスカ
【別名】OPC-41061 【開発元】大塚製薬 [DBR_ID]x
【化学名】(±)-4'-[(7-chloro-2,3,4,5-tetrahydro-5-hydroxy-1H-1-benzazepin-1-yl) carbony1]-o-tolu-m-toluidide
【承認】FDA申請=2007.12.21、FDA承認勧告=2008.6.25、FDA承認=2009.5.19 ; 【製剤】Tablets: 15 mg and 30 mg tolvaptan 【適応】(心不全、肝硬変、および抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)などの患者における、臨床的に問題となる体液貯留型、および体液正常型低ナトリウム血症(血清ナトリウム値<125mEq/Lあるいは、水分摂取制限で改善が見られない症候性の低ナトリウム血症)の治療) SAMSCA is a selective vasopressin V2-receptor antagonist indicated for the treatment of clinically significant hypervolemic and euvolemic hyponatremia [serum sodium < 125 mEq/L or less marked hyponatremia that is symptomatic and has resisted correction with fluid restriction], including patients with heart failure, cirrhosis, and Syndrome of Inappropriate Antidiuretic Hormone (SIADH) .
Important Limitations: 1)Patients requiring intervention to raise serum sodium urgently to prevent or to treat serious neurological symptoms should not be treated with SAMSCA. 2)It has not been established that SAMSCA provides a symptomatic benefit to patients. 【用法用量】初回1日1回15mgから開始。 最大60mg迄。
【作用】SAMSCAは、腎臓の集合管において、バソプレシン(抗利尿ホルモン)のV2受容体への結合を選択的に阻害する、独自の作用機序をもった治療薬。バソプレシンは、その作用のひとつとして、V2受容体に結合することで、体液を保持することが知られているが、SAMSCAはV2受容体において、バソプレシンの働きを抑制することで、ナトリウムなどの電解質の排出に直接の影響を与えずに、尿中から血中への水再吸収を減少させ、水を体外へ排出するメカニズムを持つ。 【特徴】米国で初めての経口選択的バソプレシンV2受容体拮抗剤
【製品情報】www.samsca.com 【添付文書】SAMSCA FULL PRESCRIBING INFORMATION
【EU】Samsca[Otsuka]承認3 Aug 2009 (抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)による低ナトリウム血症の治療)
【日本】OPC-41061[大塚製薬]低ナトリウム血症としては未開発だが、心性浮腫および常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKDで第3相、肝性浮腫で第2相 【その他】低ナトリウム血症治療薬
US Pharmacopeial Commission AMA: United States Adopted Names BIAM --- BIAM -ABC順|BIAM -会社順 NLM: MeSH HOme ---MeSH Online search ●吉川医薬経済レポート[0707E1]:vaptan系低ナトリウム血症治療薬
治験薬記号(一般名)
および剤型予定される効能又は効果、
対象疾患名および症状名開発段階 その他 国内 海外 (地域) OPC-41061(トルバプタン/tolvaptan)米国「SAMSCA(TM)」(日本語表記:サムスカ)[大塚製薬] うっ血性心不全,低ナトリウム血症
(V2-vasopressin receptor antagonist)EU承認2009.8.3
米承認2009.5.19
米諮問委勧告2008.6.25
米申請2007.12.21自社開発:自社品 心性浮腫 第V相 自社開発:自社品 肝性浮腫 第U相 自社開発:自社品 常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD) 第V相 第V相(北米、南米、欧州、オーストラリア) 自社開発:自社品 【メモ】米国での適応症は「心不全、肝硬変、および抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)の患者における、臨床的に問題となる体液貯留型、および体液正常型低ナトリウム血症(血清ナトリウム値<125mEq/Lあるいは、水分摂取制限で改善が見られない症候性の低ナトリウム血症)の治療」。
SAMSCAは、腎臓の集合管において、バソプレシン(抗利尿ホルモン)のV2受容体への結合を選択的に阻害する、独自の作用機序をもった治療薬です。バソプレシンは、その作用のひとつとして、V2受容体に結合することで、体液を保持することが知られています。SAMSCAは、V2受容体において、バソプレシンの働きを抑制することで、ナトリウムなどの電解質の排出に直接の影響を与えずに、尿中から血中への水再吸収を減少させ、水を体外へ排出するメカニズムを持ちます。SAMSCAは、大塚製薬が自社で創製した化合物で、大塚製薬は現在、北米・欧州・日本を含むアジアで、グローバルに臨床開発を行っています。
【日本語版コメント1326〜低ナトリウム血症治療薬トルバプタン(Samsca)】
低ナトリウム血症は、心不全や肝硬変患者の予後に影響を与えるもので、正常な血清ナトリウム濃度は135〜145mEq/Lで、135mEq/L未満は低ナトリウム血症と診断される。 血清ナトリウム値が急激に低下する場合、混乱を伴う精神状態の変調、昏睡、痙攣発作などが生じ、血清ナトリウム値が徐々に低下する場合でも、筋痙攣や頭痛などが引き起こされることがある。また、慢性的な低ナトリウム血症患者は、注意欠如、非静穏性、歩行障害、姿勢保持困難、転倒回数の増加などの症状を抱え、その他の症状として、悪心・嘔吐、興奮、衰弱などがある。SIADHは、不適切に分泌されたバソプレシンが腎集合管のV2受容体を介して水の再吸収を促進し、腎臓からの水の排泄を抑制することにより、水分貯留を起こすことで、低ナトリウム血症の原因となる。SIADHの発症原因は様々だが、中でも悪性腫瘍(抗利尿ホルモン産生腫瘍)、中枢神経性疾患、薬剤などにより発症することが知られる。 厚生労働省の全国調査(1999年)ではSIADHの患者数推計は1,700人だが、診断がむずかしいこともあり実数はこの10倍前後が1年間に発生しているものと考えられた。 これまでの低ナトリウム血症の治療薬は米国では注射剤Vaprisol バプリゾール(一般名コニバプタン塩酸塩)が2006年4月発売、今回経口剤Samsca サムスカ(一般名トルバプタン)が2009年5月19日FDA承認、2009年8月3日EMEA承認。 日本ではフィズリン錠30r[大塚製薬](一般名塩酸モザバプタン)が2006年10月24日から販売されている。
SAMSCAは、米国で初めての経口選択的バソプレシンV2受容体拮抗剤で、心不全、肝硬変、および抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)などの患者における、臨床的に問題となる体液貯留型、および体液正常型低ナトリウム血症の適応症で承認された。
→詳細は参考資料●MLリソース:低ナトリウム血症治療薬に纏めた。<日本語版コメント要約>
・うっ血性心不全、肝硬変またはSIADHによる体液貯留型(hypervolemic)または正常体液型(euvolemic)低ナトリウム血症の治療薬として、経口バソプレシン受容体拮抗薬トルバプタンが承認された。
・本剤は血清ナトリウム濃度を上昇させるが、症状軽減や死亡抑制効果は示されていない。
・入院患者における正常体液型低ナトリウム血症の静注治療薬として先に承認されているコニバプタンとの比較データはない。
●承認データ:FDA ●FDA Newsroom - FDA Press Releases FDA Approves Samsca to Treat Hyponatremia [FDA News May 22, 2009] ●Index to Drug-Specific Information ●2004.5.1 以降 Drugs@FDA
★Drug Name(s) =SAMSCA (TOLVAPTAN) FDA Application No. =(NDA) 022275 Active Ingredient(s)=TOLVAPTAN Company =OTSUKA AMERICA PHARM Dosage Form/Route =TABLET; ORAL Strength =15MG,30mg,60mg - Approval Date=05/19/2009[000][Approval]:Label[添付文書]|Letter[承認書]|Review|Summary Review 申請October 23, 2007 適応for the use of Samsca (tolvaptan) for the treatment of clinically significant hypervolemic and euvolemic hyponatremia (serum sodium < 125 mEq/L or less marked hyponatremia that is symptomatic and has resisted correction with fluid restriction), including patients with Syndrome of Inappropriate Antidiuretic Hormone (SIADH), heart failure and cirrhosis. Original Approval or Tentative Approval Date May 19, 2009 Chemical Type 1 New molecular entity (NME) Review Classification S Standard review drug
●Electronic Orange Book Application Number: N022275 Active Ingredient : TOLVAPTAN Proprietary Name : SAMSCA [OTSUKA AMERICA PHARM] TABLET; ORAL 15MG ,30mg Approval Date : May 19, 2009 Exclusivity Data : NCE May 19, 2014 Patent Data : 5258510 Nov 2, 2010 Y 5753677 May 19, 2015 U - 978
●FDA Advisory Committees 参考●ML資料:FDA諮問委員会〜議題 FDA Advisory Committees CDER■Cardiovascular and Renal Drugs - http://www.fda.gov/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/CardiovascularandRenalDrugsAdvisoryCommittee/default.htm Cardiovascular and Renal Drugs 2009 | 2008 | 2007 | 2006 | 2005 | 2004 | 2003 | 2002 | 2001 | 2000
ML 開催日 議題 備考 1326 2008.06.25 (NDA) 22-275, tolvaptan (proposed trade name SAMSKA), Otsuka Pharmaceutical Development & Commercialization, Inc., for the proposed indication of treatment of hypervolemic and euvolemic, hyponatremia
※資料Briefing Information | slides | 議事要旨Minutes 【審議結果】1)慢性の体液貯留型もしくは体液正常型の低ナトリウム血症患者に臨床上のベネフィットを期待できる十分なエビデンスがあるか? Y=8,N=3,保留=0 2)承認すべきか? Y=8,N=3,保留=0tolvaptan
●EU承認 ●EMEA - Human Medcines ●List of Authorized Products (EPARs)★[A-Z 承認品目] ★Samsca INN: tolvaptan 18/08/09 1. Summary for the public 2. All Authorised Presentations 3. Public assessment report (6) Product Information, please see below Annex I - Summary of product Characteristics Annex IIA - Manufacturing Authorisation Holder responsible for Batch Release Annex IIB - Conditions of the Marketing Authorisation Annex IIIA - Labelling Annex IIIB - Package Leaflet [Name of the Medicinal Product] Samsca [Marketing Authorisation Holder] Otsuka Pharmaceutical Europe Ltd. Hunton House,Highbridge Business Park ,Oxford Road ,Uxbridge, Middlesex ,UB8 1HU,United Kingdom [Active Substance] tolvaptan [International Nonproprietary Name or Common Name] tolvaptan [Pharmaco-therapeutic Group] Vasopressin antagonists [ATC Code] C03XA01 [Therapeutic Indication] Treatment of adult patients with hyponatraemia secondary to syndrome of inappropriate antidiuretic hormone secretion (SIADH). [Date of issue of Marketing Authorisation valid throughout the European Union] 3 August 2009 [Orphan medicinal product designation date] Not applicable EPARs for authorised medicinal products for human use ●CHMP Press Releases ●Summaries of Opinion - List of Products - CHMP Opinions諮問委員会審議品目一覧 ---Substance/INN Trade Name Pharmaceuticalform Strength OpinionAdoption Date [CHMP]SUMMARY OF POSITIVE OPINION for SAMSCA[2009.5.29]
●大塚製薬 ★大塚製薬 (EDINETコード:E00956) 有価証券報告書 - 第44期(平成19年04月01日- 平成20年03月31日)[2008.6.25] ●決算情報 2009年3月期(45期)連結決算概況[2009.5.15] - [個別] 2008年3月期(44期)連結決算概況[2008.5.23] - [個別] 2007年3月期(43期)連結決算概況[2007.5.23] - [個別] ●医薬関係者向け情報 ●ニュースリリース 経口バソプレシンV2受容体拮抗剤 「SAMSCAmV」 SIADHによる低ナトリウム血症の治療薬として欧州委員会より承認取得[2009.8.4] 米国で初めての経口選択的バソプレシンV2受容体拮抗剤 「SAMSCAmV」FDAより承認取得[2009.5.22] バソプレシンV2-受容体拮抗剤 「フィズリン@錠30mg」平成19年度 日本薬学会 医薬化学部会賞 11月30日 受賞[2007.11.30] 経口バソプレシンV2-受容体拮抗剤「フィズリンmV錠30mg」10月24日発売[2006.10.11] [] []
●Otsuka America Pharmaceutical, Inc. ●Products www.samsca.com SAMSCA FULL PRESCRIBING INFORMATION ●Press Releases FDA Approves SAMSCA・(tolvaptan), the First and Only Oral Vasopressin Antagonist to Treat Patients with Clinically Significant Hypervolemic and Euvolemic Hyponatremia[2009.5.21]
●Otsuka Pharmaceutical Europe Ltd. ●Products Samsca(R) (Tolvaptan) ●Press Releases The European Commission Approves SAMSCA(TM) (tolvaptan), Europe's First and Only Oral Vasopressin Antagonist for Hyponatraemia Secondary to Syndrome of Inappropriate Antidiuretic Hormone Secretion (SIADH) .[2009.8.4]
FDA Approves SAMSCA(TM) (tolvaptan), The First and Only Oral Vasopressin Antagonist to Treat Patients with Clinically Significant Hypervolemic and Euvolemic Hyponatremia[2009.5.21]
New Drug Application for Tolvaptan, Otsuka's Investigational Novel Oral Treatment for Worsening Heart Failure and Hyponatremia, Accepted by The U.S. Food and Drug Administration[2007.12.21]
Results of the SALT-1 and SALT-2 Trials Show Tolvaptan Improves Serum Sodium Levels in Patients with Hyponatremia[2006.12.5]
[1237]●製品 conivaptan HClコニバプタン (Vaprisolバプリゾール [Astellas])
日本語版註)conivaptan HClコニバプタン (Vaprisol バプリゾール[Astellas])
【別名】YM087 【開発元】●アステラス製薬株式会社 [DBR_ID]x
【化学名】[1,1’-biphenyl]-2-carboxamide,N-[4-[(4,5-dihydro-2-methylimidazo[4,5-d][1]benzazepin-6(1H)-yl)carbonyl]phenyl]-, monohydrochloride
【承認〜体液正常型低ナトリウム血症】FDA申請=2004.1.30、FDA承認=Dec 29, 2005、米国発売=2006.4.26[INJECTABLE; IV (INFUSION) 20MG/4ML (5MG/ML)]; 【承認〜体液貯留型低ナトリウム血症】FDA申請=Jan 30, 2004、FDA承認=Feb 28,2007 【承認〜VAPRISOL IN 5% DEXTROSE IN PLASTIC CONTAINER 】FDA申請=Mar 5, 2008、FDA承認=Oct 8,2008
【製剤】Each ampule will deliver 20 mg conivaptan hydrochloride;またVAPRISOL (conivaptan hydrochloride injection) Premixed in 5% DextroseはEach container contains a clear, colorless, sterile, non-pyrogenic solution of conivaptan hydrochloride in dextrose. Each 100 mL, single-use premixed INTRAVIA Container contains 20 mg of conivaptan hydrochloride and 5 g of Dextrose Hydrous, USP.
【適応】VAPRISOL is indicated for the treatment of euvolemic and hypervolemic hyponatremia (e.g.the syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone, or in the setting of hypothyroidism, adrenal insufficiency, pulmonary disorders, etc.) in hospitalized patients. VAPRISOL is not indicated for the treatment of patients with congestive heart failure 【用法用量】初回20mgを30分以上かけて静注。1-3日後20mg/日。
【作用】a nonpeptide, dual antagonist of arginine vasopressin (AVP) V1A and V2 receptors. 【特徴】世界初
【製品情報】www.vaprisol.com 【添付文書】Vaprisol Prescribing Information
【EU】2005.3期Q4開発中止(効果が目標未達 【日本】[第8回(平成18年4月)未承認薬使用問題検討会議]治験開始の検討要請中 【その他】
US Pharmacopeial Commission AMA: United States Adopted Names BIAM --- BIAM -ABC順|BIAM -会社順 NLM: MeSH HOme ---MeSH Online search
【日本語版コメント1237】
低ナトリウム血症は,非常に一般的な電解質異常であり,病院に入院する全患者の1%に発生し、AIDS入院患者の50%にも及ぶとの報告もある。 体内の総ナトリウム量に対して総体液量が過剰になる疾患で、全身のナトリウム量と総体液量の関係から体液正常型、体液貯留型、体液減少型の3種類に大別される。入院患者の電解質異常の中では最も頻繁に認められるもので、米国では年間約3,000万人以上といわれる全入院患者の約4%に発症するという報告もある。
原因としては、利尿剤、腎障害、うっ血性心不全、肝硬変、ADH分泌異常症候群の一つSIADH(ADH不適合分泌症候群)等多岐にわたる。
主な症状としては人格変化、傾眠、錯乱などの神経症状があり、また重度の低ナトリウム血症では生命に危険を及ぼす恐れもあるため、緊急治療を要する疾患と考えられているが、最近まで有用な治療薬は存在しなかった。
今回採りあげるのは世界初の低ナトリウム血症治療剤「VAPRISOL(R) (バプリゾール、一般名:コニバプタン)アステラス製薬」で米国で2006年4月に発売された。 本剤は日本での発売予定はないが、同じ抗利尿ホルモンのバソプレシンV2受容体拮抗剤塩酸モザバプタン(フィズリン錠30r[大塚製薬])が2006年6月26日薬事分科会を通過し、「低ナトリウム血症」の適応で近く発売予定。→詳細は参考資料●MLリソース:高ナトリウム血症治療薬に纏めた。<日本語版コメント要約>
・バソプレシン拮抗薬の塩酸コニバプタンが、入院患者の体液正常型低ナトリウム血症に対する短期静注治療薬として、FDAに承認された。
・体液貯留型の低ナトリウム血症は適応外であり、体液減少型には本剤を使用すべきでない。
・本剤の使用を裏付けるデータは限られており、血清ナトリウム濃度の急激な補正が懸念される。
●承認データ:FDA ●2004.5.1 以降 Drugs@FDA
Drug Name(s) =VAPRISOL FDA Application No. =NDA # 021697 Discontinued Active Ingredient(s)=CONIVAPTAN HYDROCHLORIDE Company =ASTELLAS Dosage Form/Route =INJECTABLE; IV (INFUSION) 20MG/4ML (5MG/ML) Strength = - Approval Date=12/29/2005[000] :Label[添付文書]|Letter[承認書]|Review Original Approval or Tentative Approval Date December 29, 2005 Chemical Type 1 New molecular entity (NME) Review Classification S Standard review drug ※承認条件 1)the Pediatric Research Equity Act (PREA)に準拠して、小児入院患者(6-18才)の臨床研究[期限2010.10.31] 2)用量設定試験(A controlled clinical trial)。 注射時疼痛等の副作用[期限2008.1.31] 3)warfarinとの相互作用[期限2007.1.31] - Approval Date=10/08/2008[001][Formulation Revision]:Label[添付文書]|Letter[承認書]| 申請March 5, 2008 適応 This supplemental new drug application provides for addition of a premixed formulation of Vaprisol and the following labeling changes: 1) To change the title of the package insert: FROM VAPRISOL(R)(conivaptan hydrochloride injection) TO VAPRISOL(R) (conivaptan hydrochloride injection) Ampule and VAPRISOL(R) (conivaptan hydrochloride injection) Premixed in 5% Dextrose in INTRAVIA(R) Plastic Container 2) To change the text in the DESCRIPTION section of the labeling: FROM Conivaptan hydrochloride injection is supplied as a sterile liquid in an ampule. TO Conivaptan hydrochloride injection is supplied as a sterile liquid in an ampule and as a sterile premixed solution with dextrose in a flexible plastic container. 3) To change the text in the DESCRIPTION section of the labeling: FROM Each ampule will deliver 20 mg conivaptan hydrochloride, 1.2 g propylene glycol, 0.4 g ethanol and Water for Injection, q.s. Lactic acid is added for pH adjustment to 3.0. TO VAPRISOL (conivaptan hydrochloride injection) Ampule Each ampule will deliver 20 mg conivaptan hydrochloride, 1.2 g propylene glycol, 0.4 g ethanol and Water for Injection, q.s. Lactic acid is added for pH adjustment to 3.0. VAPRISOL (conivaptan hydrochloride injection) Premixed in 5% Dextrose Each container contains a clear, colorless, sterile, non-pyrogenic solution of conivaptan hydrochloride in dextrose. Each 100 mL, single-use premixed INTRAVIA Container contains 20 mg of conivaptan hydrochloride ●SBA審査資料 *Approval Letter(s)[pdf] *Approvable Letter(s)[pdf] *Printed Labeling[pdf] *Medical Review(s)[pdf] *Chemistry Review(s)[pdf] *Pharmacology Review(s)[pdf] *Statistical Review(s)[pdf] *Microbiology Review(s)[pdf] *Clinical Pharmacology Biopharmaceutics Review(s)[pdf] ★FDA Application No. =(NDA # 022016) Active Ingredient(s)=CONIVAPTAN HYDROCHLORIDE Company =ASTELLAS Dosage Form/Route =INJECTABLE; INJECTION 20MG Strength = - Approval Date=02/28/2007[000][Approval]:Label[添付文書]|Letter[承認書]|Review 申請January 30, 2004 適応for the use of Vaprisol (conivaptan hydrochloride) Injection for the treatment of hypervolemic hyponatremia in hospitalized patients. Original Approval or Tentative Approval Date February 28, 2007 Chemical Type 6 New indication Review Classification S Standard review drug ★Drug Name(s) =VAPRISOL IN 5% DEXTROSE IN PLASTIC CONTAINER (CONIVAPTAN HYDROCHLORIDE) FDA Application No. =(NDA) 021697 Active Ingredient(s)=CONIVAPTAN HYDROCHLORIDE Company =ASTELLAS Dosage Form/Route =INJECTABLE; IV (INFUSION Strength =20MG/100ML (0.2MG/ML) - Approval Date=10/08/2008[001][Formulation Revision]:Label[添付文書]|Letter[承認書]| 申請March 5, 2008 適応 This supplemental new drug application provides for addition of a premixed formulation of Vaprisol and the following labeling changes: 1) To change the title of the package insert: FROM VAPRISOL(R)(conivaptan hydrochloride injection) TO VAPRISOL(R) (conivaptan hydrochloride injection) Ampule and VAPRISOL(R) (conivaptan hydrochloride injection) Premixed in 5% Dextrose in INTRAVIA(R) Plastic Container Original Approval or Tentative Approval Date December 29, 2005 Chemical Type 1 New molecular entity (NME) Review Classification S Standard review drug
●Electronic Orange Book Application Number: 021697 Active Ingredient : CONIVAPTAN HYDROCHLORIDE Proprietary Name : VAPRISOL [ASTELLAS] INJECTABLE; IV (INFUSION) 20MG/4ML (5MG/ML) Approval Date : Dec 29, 2005 Exclusivity Data : NCE DEC 29,2010 Patent Data : 5723606 MAR 03,2015 Y Y U-698
●FDA Advisory Committees ●該当なし 参考●ML_ADD資料:FDA諮問委員会〜議題 FDA Advisory Committees FDAAdvisorycommittee.com
●EU承認 ●EMEA - Human Medcines ●List of Authorized Products (EPARs)★[A-Z 承認品目] ●該当なし 2005.3期Q4開発中止(効果が目標未達)
●未承認薬使用問題検討会議
「未承認薬使用問題検討会議」での検討結果等について [4]pdf(26品目)(平成18年7月28日現在)
会議名 掲載案件名 開催日 未承認薬使用問題検討会議 第9回資料 06/07/28 第9回開催について 06/07/28 第8回速記録 06/04/27 第8回資料 06/04/27 第8回開催について 06/04/27 ●ワーキンググループ検討結果報告書 平成18年4月27日 コニバプタン[2-4]pdf 資料 2−4
No 成分名 対象疾病 検討会議
開催日検討会議での主な検討結果 検討当時の状況 現在の状況等 企業名 24 コニバプタン 低ナトリウム血症 第8回
(平成18年4月)我が国における有効性、安全性を注意深く検討しつつ開発を進めるべき 国内治験前 治験開始の検討要請中 アステラス製薬
医薬品名 コニバプタン(米国での販売名:Vaprisol) 概要 アルギニン・バソプレシン受容体拮抗薬(注射剤) 対象疾病 低ナトリウム血症 外国承認状況 米国(体液正常型の低ナトリウム血症(入院患者)) [対象疾病について]
「体液正常型の低ナトリウム血症」は、脱水や浮腫といった細胞外液量の異常が臨床的に認められない状況における低ナトリウム血症全般を示す。原因疾患としては、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、甲状腺機能低下症、Addison病、糖質コルチコイド欠乏症に加え、抗利尿ホルモン(ADH)分泌あるいは作用を増強させる薬剤(ニコチン、バルビツール、SSRIを含む各種抗精神病薬など)の影響による場合などがある。さらにSIADHの原因疾患として、肺癌を初めとする悪性腫瘍(特に肺小細胞癌のようなADH分泌性腫瘍)、頭蓋内病変(腫瘍、出血、炎症など)などが知られているが、特発性のSIADHもみられることがある。すなわち、原因疾患は多岐に渡り、臨床現場では比較的よく観察される病態といえる。なお、わが国では塩酸モザバプタン(大塚製薬)が平成13年8月に「バソプレシン分泌不適切症候群における低ナトリウム血症の改善」を効能効果として希少疾病用医薬品に指定されていることから、特発性のSIADHについては希少疾病と考えて良いと思われる。
「体液正常型の低ナトリウム血症」の治療の基本は原疾患の治療もしくは原因と思われる薬剤の除去である。また、無症状の低ナトリウム血症は飲水制限、利尿薬投与、食塩摂取で治療可能なことが多い。但し、血清ナトリウム濃度が115mEq/L以下になると痙攣、昏睡等の中枢神経症状を起こし、適切に治療されないと死に至る場合もあることから、中枢神経症状を伴う重篤あるいは急激な血清ナトリウムの低下を認める場合は、速やかな補正が必要である。 一方、血清ナトリウムの補正にも危険が伴う。血清ナトリウム濃度の急速な上昇(>12mEq/L)はcentral pontine myelysis(橋中央ミエリン融解)を引き起こし、重篤な神経後遺症を起こすことが報告されている。[本剤の医療上の有用性について]
本剤は抗利尿ホルモンであるバソプレシンのV1AおよびV2受容体のアンタゴニストである。現在、わが国で低ナトリウム血症を効能効果として上市されている医薬品はない。なお、前述の塩酸モザバプタンは非ペプチド性のバソプレシンV2受容体拮抗薬であり、本剤の同種同効薬といえる。 米国添付文書によると、海外で実施されたプラセボ対照二重盲検試験は、悪性腫瘍、高血圧、急性心筋梗塞等様々な疾患などの種々の基礎疾患による、あるいは原因不明の体液正常型の低ナトリウム血症患者56名に対して実施された。治療前血清Naは115〜130 mEq/L(平均値124 mEq/L)であった。被験者はプラセボ群(21名)、本剤40mg/day(18名)、本剤80mg/day(17名)の3群に割り付けられ、それぞれ4日間投与された。本剤40mg/day群では52%が、プラセボ群では28%がそれぞれ血清ナトリウム濃度4mEq/L以上の上昇を示し、本剤40mg/day群における治療2日目および4日目の血清ナトリウム濃度の上昇はプラセボ群に比べて有意に高かった。また、本剤20mg/dayと40mg/dayのオープンラベル比較試験が実施されたが、20mg/day群が11名に対して40mg/day群が93群であり、統計解析結果は示されていない。
治験中の有害事象として、投与部位の疼痛、静脈炎等が15〜20%報告された。また、本剤20〜40mg/dayを投薬された患者の約9%に急速な血清ナトリウム濃度の急激な上昇(>12mEq/L)が認められた(神経症状の出現はみられず)。肝機能障害、腎機能障害および高齢者で血中濃度が上昇する可能性が指摘されている。また本剤とCYP3A4の阻害作用を有する薬剤およびジゴキシンとの相互作用が指摘されている。
なお、本剤のうっ血性心不全患者に対する有効性及び安全性は確立されなかったとの記載が米国添付文書にみられるが、その根拠となるべき詳細データは示されていない。[検討結果]
本剤は非常に重篤な中枢神経症状を有する体液正常型の低ナトリウム血症の患者に対してナトリウム補正のために短期間(海外治験では4日間)投与する目的で開発、承認された。わが国においては同種同効薬である塩酸モザバプタン(経口剤)が近い将来に承認される見込みであり、本剤とは剤型が異なるものの、臨床現場のニーズはある程度塩酸モザバプタンによって満たされる可能性がある。但し、注射剤である本剤は意識障害等のある患者等にも投与できるという利点があることから、わが国における有効性、安全性を注意深く検討しつつ開発を進めるべきと考える。[第8回速記録]
○堀田座長 それでは、続きましてコニバプタンにつきましては、山本先生からよろしくお願いい たします。 ○山本参考人 資料2−4をごらんください。医薬品名、コニバプタン。 概要ですが、アルギニン・バソプレシン受容体拮抗薬で、剤型は注射剤でございます。 対象疾病として低ナトリウム血症とされておりますが、米国での承認効能は、体液正 常型の低ナトリウム血症とされております。 対象疾病ですが、低ナトリウム血症は入院患者さんの数%にみられる非常によくみら れる病態ですが、分類としては、脱水、浮腫等の体液異常があるかないかということを みまして、体液正常型、脱水のある場合は体液の喪失型、それから体液過剰型、それは 浮腫を臨床的に見る、そのように三つに分けて低ナトリウム血症の分類がございます。 このお薬については、その中で体液の正常の、つまり脱水も浮腫も見られない低ナトリ ウム血症に対する承認を取られております。 体液正常型の低ナトリウム血症の原因疾患としては、SIADH、抗利尿ホルモン不 適合分泌症候群、甲状腺機能低下症、アジソン病、糖質コルチコイド欠乏症、また、薬 剤の影響による場合も多うございます。また、SIADHの原因としては、肺がん等の 悪性腫瘍、頭蓋内病変でも起こることが知られておりますが、中に特発性のSIADH というものも見られることがあることがわかっております。 ということで、対象疾病ですが、原因疾患は多岐にわたっておりまして、臨床現場で は比較的よく観察される病態といえると思います。なお、我が国では塩酸モザバプタン、 これは大塚製薬ですが、平成13年8月にSIADHにおける低ナトリウム血症の改善と いうことで、希少疾患用の医薬品に指定されております。 治療の基本は原疾患の治療と薬剤の除去ということになりますが、低ナトリウム血症 でもナトリウム濃度が115mEq/L以下になりますと、中枢神経症状を起こすということも ございまして、重篤な場合には適切な治療が必要ということがございます。ということ で、状況によりましては重篤化する疾患ということができると思います。 一方、血清ナトリウムの補正についても危険が伴うことが知られておりまして、急激 に上昇をきたす場合には、急激というのは12mEq/L、これは抜けておりますが、24時間 以内に12mEq/Lを超す上昇を認める場合を急速な上昇と呼んでおりまして、この場合、 central pontine myelysisというものを引き起こしまして、重篤な神経後遺症を起こす 場合があることがわかっております。 本剤については、バソプレシンのV1A及びV2リセプターのアンタゴニストという ことでございます。現在は、このような効能効果を持つ医薬品はございませんが、塩酸 モザバプタンの非ペプチド性のバソプレシンV2受容体拮抗薬でございまして、こちら は経口薬でございますが、同種同効薬と言えます。 米国の添付文書によりますと、プラセボ対照二重盲検試験を行っておりまして、これ は種々の原因による体液正常型の低ナトリウム血症患者さん56名に対して実施されて おりまして、そのときの治療前の平均ナトリウム濃度が124ということです。そして、 プラセボ群21名、本剤の40mg/day18名、本剤80mg/day17名の3群で、それぞれ4日間の 投与をされております。この場合、プラセボに対して40mg/day群で明らかにナトリウム 濃度の上昇を示しておりまして、それには有意に高いということで、さまざまな尺度で 見られております。また、20mg/dayと40mg/dayのオープンラベル比較試験もされており ますが、添付文書上にはその中の詳細な結果は示されておりません。 一方、有害事象でございますが、一番多かったものが投与部位の疼痛、静脈炎等でご ざいまして、本治験、比較試験では15から20%ということですが、健常人から患者さ んまで、この薬を投与された者の5割以上に何らかの形でのインジェクションサイトリ アクション(injection site reaction)がみられたということが書いてございます。 また、先ほど申し上げました血清ナトリウム濃度の急速な上昇が患者さんの9%に認 められたということですが、幸いにして治験では神経症状の出現は見られておりません。 また、肝機能障害、腎機能障害、それから高齢者でも血中濃度が上昇するということで ございまして、また、CYP3A4の阻害作用を有する薬剤及びジゴキシンとも相互作 用が指摘されておりまして、特にCYP3A4の阻害作用を有する薬剤については併用 禁忌とされております。 また、体液過剰型の低ナトリウム血症の多くの場合がうっ血性心不全患者さんが多い のですが、うっ血性心不全患者さんに対しても治験をやった形跡がございますが、それ については有効性及び安全性は確立されていないという記載が添付文書に見られており ます。ただし、根拠となるべき詳細データについては示されておりません。こちらはイ ンターネット等でも検索しましたが、まとまった形でのものは出てきませんでしたので、 確認はできておりません。 ということで検討結果でございますが、本剤は非常に重篤な中枢神経症状を有する体 液正常型の低ナトリウム血症の患者に対して、ナトリウム補正のために短期間、4日間 投与する目的で開発、承認されております。我が国においては、同種同効薬である塩酸 モザバプタン、こちらは経口剤ですが、近い将来に承認される見込みがございまして、 剤型は異なるものの、臨床現場のニーズはある程度、塩酸モザバプタンの方で満たされ る可能性はございます。ただし、注射剤であることから、意識障害等のある患者さんに も投与できるというような利点はございますので、有効性、安全性は注意深く検討しつ つ、我が国においても開発を進めてもよろしいかと考えております。 以上でございます。 ○堀田座長 ありがとうございました。それでは、ただいまのコニバプタンについて御質問、コメ ントをいただきたいと思います。 ○篠山構成員 利尿作用はどうなのですか。利尿作用に関しての影響はこの薬物は特に。 ○山本参考人 はっきりとした利尿作用というか、そういう形でのデータは示されておりませんが、 参考資料の添付文書には、米国添付文書ですが、12ページに、イフェクティブ・ウォー タークリアランスということで、ウォータークリアランスも改善するということが示さ れております。 ○篠山構成員 経口薬の大塚製薬のV2アンタゴニストが初めて臨床試験が行われたのは、うっ血心 不全でした。そして非常に有効であって、しかも今まで心不全で利尿薬を使う場合には 必ず神経体液性ファクター、特にレニンアンジオテンシン系が刺激されるということで いろいろな副作用があった。それを防ぐことができるV2アンタゴニストは非常に有効 ではないか、心不全に対しては新しい治療法を展開させるのではないか、というような 意見があったのですが、これは経口薬ですのでこれとはちょっと違うのですが、なぜ利 尿作用がないのかなという気がするのです。 経口薬の場合は、続けて飲みますので、1回服用したときにはガッと利尿作用がつく のですが、場合によってはすぐに耐性が生じて効果がだんだん少なくなるのではないか。 だから投与してもかまわない、というような意見であったと思うのですが。 ○山本参考人 はっきりした利尿作用については、体重の増加・減少でありますとか排尿量でありま すとか、そういうことはデータとして全く添付文書に載っておりませんで、ただ有害事 象の方に、一つは口渇、それから排尿が頻尿になるというようなものが、プラセボでは 頻尿はゼロなのですが、40mgを投与した方では6%に見られたということがございます ので、利尿作用は確かにあるのだと思います。ただ、残念ながら今回の添付文書にはそ れを示す具体的なデータはございません。 コニバプタンについても、添付文書を見ましても、またインターネット等で検索をし ましても、明らかに製薬会社は途中までうっ血性心不全に対しての治験を行っていたと 思われます。うっ血性心不全については120mg/dayまで投与したという記載もございま す。ただしその詳細が全くありませんで、パブメド等でもちょっと引いたのですがやは り出てきておりません。そして、最終的に添付文書にはうっ血性心不全に対しての有効 性も安全性もエスタブリッシュされていないということが、むしろ注意事項として載っ てしまっているということでございます。 ○有吉構成員 SIADHというのは臨床的にかなりきちっとしたクライテリアがたしか5つほどあ りまして、今、利尿作用の問題を言われましたが、一般的に細胞外液と細胞内液の分布 の問題であって、恐らくこの薬がうっ血性心不全に効かなかったというのは、うっ血性 心不全というのは利尿で解決する一面があると思うのですが、SIADHというのは利 尿で解決する問題ではなくて、結局、水中毒ですから、そういう意味でこの大塚の薬と 大分作用機序が違うのではないかと思うのですが、そういう意味からいうと、SIAD Hを明確に診断した場合には、むしろこの薬は必要な薬ではないのでしょうか。 ○山本参考人 塩酸モザバプタンはバソプレシンV2受容体拮抗薬ということで、本薬はバソプレシ ンのV1A及びV2Aリセプターのアンタゴニストということでございますが、アルギ ニンバソプレシンのホルモンの作用を発現するのに直接かかわっているのはV2リセプ ターであるというような記載がございます。どちらにしましても、本薬コニバプタンも 塩酸モザバプタンもどちらもV2リセプターのアンタゴニストでございますので、アル ギニンバソプレシンをダイレクトに拮抗作用があるということですので、先生のおっし ゃいますようにSIADHに対してはダイレクトな治療薬という可能性はございます。 ただ、今回の米国の治験では、SIADHを含んで、さらにそのほかの原疾患を持つ ものも含まれておりますので、米国ではSIADHを含んだ形でもう少し広い効能がつ いているということでございます。 ○堀田座長 ほかに。 ○川西構成員 これの同種同効薬の塩酸モザバプタンは、先日、医薬品第一部会で審議されたもので、 適応は、異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍によるバゾプレシン分泌不適切症候群というふ うに多分限定されていると思うのです。そういう意味で、私はこの結論に対してはこれ でいいのだろうと思うのですが、表現上、この塩酸モザバプタンが、例数などが結構少 なかったようで、まだ相当に使用の制限があるということが多分依然として続く。ただ、 このたぐいのものは新しい作用メカニズムですから、やはり慎重に考えなくてはならな いということで考えれば結論は同じなのですが、塩酸モザバプタンというのが、今のと ころ、患者団体の方からの要望もないようですので、それほどそれを配慮する必要はな いかもしれませんが、それが変わるものかという表現が近々に変わることになるかどう かというのは、まだわからないような印象をそのときに受けました。 ○山本参考人 「対象疾病について」のところで書いております希少疾病医薬品の効能効果について はこの希少疾病医薬品が指定されたときの効能効果を書いておりますので、承認される といたしましたときには、通っていく様子をみながら事務局と相談しまして、書き方を 調整させていただきたいと思います。 ○堀田座長 いろいろ御意見をいただきました。このものは、確認ですが、既に治験は始まってい るのですか。これはアステラスですよね。 ○事務局 過去に別の効能で治験をやった経緯があったようですが、一旦、今、中断されたまま という。 ○堀田座長 今はとまっている。それで、塩酸モザバプタンは既に承認申請が行われているという ことですね。 ○事務局 モザバプタンの方は、今、川西先生がおっしゃったように医薬品の部会にかかってお りまして、承認までもう少し時間がかかりますが、承認する方向で今、動いております。 ○堀田座長 わかりました。それでは、いろいろ御意見をいただきましたが、このものについては、 モザバプタンで代わるものかどうかというのは議論がありますが、緊急性ということに ついては今のところ塩酸モザバプタンで対応できるのではないかという意見もございま す。したがってこれは、性急にということではなくて慎重に安全性、有効性を検討しな がら開発を進めてくださいということでまいりたいと思いますが、いかがでしょうか。 よろしいですか。 ○川原課長 事務局としましても承知いたしました。
●アステラス製薬株式会社 ●疾患ナビ ●ニュースリリース 旧山之内製薬[1998-2005] 旧藤沢製薬[1996-2005] 2006/04/27★低ナトリウム血症治療剤「VAPRISOL (バプリゾール)」米国で新発売(PDF 18KB)★米国子会社アステラス ファーマ US, Inc.(本社:イリノイ州ディアフィールド、会長 & CEO:畑中 好彦)は、このたび、低ナトリウム血症治療剤「VAPRISOL(R) (バプリゾール、一般名:コニバプタン)」を、体液正常型の低ナトリウム血症を適応症として米国で新発売しましたので、お知らせします。同剤は、低ナトリウム血症の適応症を有する世界で初めての薬剤となります。
低ナトリウム血症は、体内の総ナトリウム量に対して総体液量が過剰になる疾患であり、全身のナトリウム量と総体液量の関係から体液正常型、体液貯留型、体液減少型の3種類に大別されます。入院患者の電解質異常の中では最も頻繁に認められるものであり、米国では年間約3,000万人以上といわれる全入院患者の約4%に発症するという報告もあります。主な症状としては人格変化、傾眠、錯乱などの神経症状があります。また、重度の低ナトリウム血症では生命に危険を及ぼす恐れもあるため、緊急治療を要する疾患と考えられていますが、これまで有用な治療薬は存在していません。
「VAPRISOL」は、アステラス製薬が創製したバソプレシンV1a 及びV2 受容体拮抗作用を有する注射剤です。バソプレシン受容体拮抗作用により、ナトリウム排泄を伴わない排尿により体内の貯留水分を減少させることで、体液正常型の低ナトリウム血症患者の血中ナトリウム濃度を改善することが期待されます。2006/01/04★低ナトリウム血症治療薬「バプリゾール(VAPRISOL)」米国で承認取得−世界で初めての低ナトリウム血症治療薬−(PDF 21KB)★当社の米国子会社アステラスファーマUS, Inc.(本社:イリノイ州ディアフィールド、会長&CEO:西村信)が米国において申請中の低ナトリウム血症治療薬「VAPRISOL(R)(バプリゾール、開発番号:YM087、一般名:コニバプタン)」に関し、このたび米国食品医薬品局(FDA)より、申請適応症の一部である体液正常型の低ナトリウム血症について承認通知を受領しましたのでお知らせします。同剤は、低ナトリウム血症の適応症を有する世界で初めての薬剤となります。また、体液貯留型の低ナトリウム血症については、承認可能通知を受領しました。
「VAPRISOL」は、2004年1月に体液正常型及び体液貯留型の低ナトリウム血症を適応症としてFDAに申請し、2004年11月にFDAより承認可能通知を受領しました。
その後、追加データ等を提出し、FDAによる審査が進められていましたが、2005年12月29日(現地時間)に、体液正常型の低ナトリウム血症について承認を取得しました。
低ナトリウム血症は、体内の総ナトリウム量に対して総体液量が過剰になる疾患であり、全身のナトリウム量と総体液量の関係から体液正常型、体液貯留型、体液減少型の3 種類に大別されます。入院患者の電解質異常の中では最も頻繁に認められるものであり、米国では年間約3,000万人以上といわれる全入院患者の約4%に発症するという報告もあります。主な症状としては人格変化、傾眠、錯乱などの神経症状があります。また、重度の低ナトリウム血症では生命に危険を及ぼす恐れもあるため、緊急治療を要する疾患と考えられていますが、これまで有用な治療薬は存在していません。
「VAPRISOL」は、アステラス製薬が創製したバソプレシンV1a及びV2受容体拮抗作用を有する注射剤です。バソプレシン受容体拮抗作用により、ナトリウム排泄を伴わない排尿により体内の貯留水分を減少させることで、体液正常型の低ナトリウム血症患者の血中ナトリウム濃度を改善することが期待されます。
●医療関係者向け ■IR情報 ●決算・財務情報 決算情報/事業報告書/有価証券報告書/アニュアルレポート 旧山之内製薬/旧藤沢製薬 分含む [決算情報] [2006年3月期決算]決算短信[連結][2006.5.16;pdf,43p]copy不可 [2006年3月期決算]決算短信[個別][2006.5.16;pdf] [2006年3月期決算]補足資料[2006.5.16;pdf,9p]copy不可 [2006年3月期決算]新薬開発状況一覧[2006.5.16;pdf,4p]copy不可 ●説明会資料 [説明会資料]決算総括[2006.5.16;pdf,13p]copy不可 [説明会資料]連結決算概要[2006.5.16;pdf,12p]copy不可 [説明会資料]新薬開発概況[2006.5.16;pdf,15p]copy不可 ■新薬開発状況[2006/5] ●海外開発■削除された品目 [旧 山之内]
ステージ 開発番号 一般名 適応 作用機序 剤形 自社/導入 備考 申請中 YM087 コニバプタン
米:申請=2004.1低ナトリウム血症 バソプレシン受容体拮抗 注射 自社 2005.12 FDA承認可能通知受領 ■個別製品売上高
ステージ 開発番号(一般名) 適応 作用機序 剤形 自社・提携 備考 (4)海外開発状況 P−U[欧州
米国]YM087(コニバプタン) 心不全の急性増悪 バソプレシン受容体拮抗 注射 自社 2005.3期Q4開発中止(効果が目標未達)
(億円) 07/3予 2006/3 2005/3 2004/3 2003/3 2002/3 2001/3 00/3 99/3 備考 パプリゾールVAPRISOL 3(+45.6) 2(-) - [conivaptan HCl]YM087;低ナトリウム血症治療薬
●Astellas Pharma US, Inc - http://www.us.astellas.com/ ●Press Releases Astellas Launches VAPRISOL(R) for the Treatment of Euvolemic Hyponatremia in Hospitalized Patients[2006.4.26] FDA Approves Astellas' Vaprisol(R) for the Treatment of Euvolemic Hyponatremia[2005.12.30] ●Healthcare Professional Resources -Prescribing Information Vaprisol Prescribing Information ●Therapeutic Area ●Patient & Caregiver Resources
●その他製品
●製品 塩酸モザバプタンMozavaptane HCl (フィズリン錠30r[大塚製薬]Physuline)
日本語版註)塩酸モザバプタンMozavaptane HCl (フィズリン錠30r[大塚製薬]Physuline)
【別名】OPC-31260; Mozavaptane HCl[JAN];Mozavaptan[INN] 【開発元】大塚製薬 [DBR_ID]x
【化学名】N-[4-[[(5RS)-5-(dimethylamino)-2,3,4,5-tetrahydro-1H-1-benzazepin-1-yl]carbonyl]phenyl]-2-methylbenzamide
【承認】FDA申請=x、FDA承認=x ;
【作用】バソプレシン受容体拮抗薬;1989年に大塚製薬株式会社で合成された非ペプチド性バソプレシンV2-受容体拮抗剤であり、腎臓集合管でのバソプレシンによる水再吸収を阻害し、電解質排泄の増加を伴わず過剰な水分のみを排泄する作用(水利尿作用)を示す。本剤はこの水利尿作用により、過剰な水分を除去し、異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群における低ナトリウム血症を改善する。 【特徴】本剤は,電解質排泄の増加を伴わず過剰な水分のみ排泄する作用(水利尿作用)を有する非ペプチド性バソプレシンV2一受容体括抗薬。
【EU】x
【日本】フィズリン錠30r[大塚製薬]Physuline 承認2006年7月26日、薬価収載2006年9月15日、発売2006年10月24日 【製剤〜日本】1錠中に塩酸モザバプタン30mgを含有 【適応〜日本】異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群における低ナトリウム血症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る) 【用法用量〜日本】通常,成人には塩酸モザバブタンとして30mgを1日1回食後に経口投与する。 【製品情報〜日本】フィズリン錠30mg 【添付文書〜日本】フィズリン[pdf] - インタビューフォーム 【その他】本邦初
薬事・食品衛生審議会は2006年6月26日、薬事分科会を開催。4月20日の医薬品第一部会で、新有効成分であり、類似薬がないため「分科会審議」となっていた大塚製薬のバソプレシン受容体拮抗薬「フィズリン錠30r」(一般名=塩酸モザバプタン)について審議。結果、「承認して差し支えない」との結論に達し、承認を了承した。
「フィズリン錠」の効能効果は、「異所性抗利尿ホルモン産生腫瘍による抗利尿ホルモン不適合分泌症候群における低ナトリウム血症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)」。治験症例数が16例と少なく、承認条件として全例調査するよう指示が出たものの、分科会では特段反対する意見はなく、承認を了承した。なお、同剤は希少疾病医薬品に指定されており、再審査期間は10年。[WHO Drug Information] mozavaptan[17(2),2003]![]()
● ワムネット[独立行政法人福祉医療機構] - 行政資料 - 薬事分科会 - フィズリン[pdf,11p;2006.6.28] 苦節十年SIADH
●大塚製薬 ★大塚製薬 (EDINETコード:266044) 有価証券報告書 - 第41期(平成16年04月01日- 平成17年03月31日)[2005.6.29] 有価証券報告書 - 第40期(平成15年04月01日 - 平成16年03月31日)[2004.6.28] 2006年3月期(42期)連結決算概況[2006.5.24] 2006年3月期(42期)個別決算概況[2006.5.24] 2005年3月期(41期)連結決算概況[2005.6.29] 2005年3月期(41期)個別決算概況[2005.6.29] 2004年3月期(40期)連結決算概況[2004.6.25] 2004年3月期(40期)個別決算概況[2004.6.25] 2003年3月期(39期)連結決算概況[2003.6.26] 2003年3月期(39期)個別決算概況[2003.6.26] 2002年3月期(38期)決算概況[2002.6.26] 2001年3月期(37期)決算概況[2001.6.28] ●医薬関係者向け情報 ●ニュースリリース
●一般資料 Otsuka Pharm's mozavaptan [Physuline] has been recommended for approval in Japan for the treatment of hyponatraemia Source: Inpharma, Volume 1, Number 1540, 2006-06-03, pp. 23-23(1) Mozavaptan promising in polycystic kidney disease Source: Inpharma, Volume 1, Number 1412, 2003, pp. 12-12(1)
株式会社メドレット Medlet Japan KK
〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町12−10共同ビル(掘留)5F 久永&Co気付
tel.03-3664-2020 fax.03-3666-3188 URL:www.medmk.com/mm/ E-Mail: support@medmk.com
- 一覧へ戻る。
- ホームへ戻る。
- --------------------------------------
- 関連●--------------------------------
- --------------------------------------
- ■2009 -------------------------------
★
★1326★25/24★09.11.30★095★低ナトリウム血症治療薬トルバプタン(Samsca)/2p●MLリソース:低ナトリウム血症治療薬
- ■2006 -------------------------------
★
★1237★22/13★06.06.19★051★低ナトリウム血症治療薬Conivaptan (Vaprisol − アステラス製薬)/2p●MLリソース:低ナトリウム血症治療薬
- --------------------------------------
- 作成:2006.8.10 最終更新:2010.4.12 小菅博之
The Medical Letter日本語版
●追加メモ to 1237,1326
On Drugs and Therapeutics
- このページは[The Medical Letter日本語版]の補足データとして添付しています。 [The Medical Letter]は新薬の厳正な評価誌であり、ここに収録される製品は新しくFDA承認された新薬に対する評価を中心としています。
- 企画意図の第一は、収録製品についての米国内・世界での背景情報です。 例えば、各製品の承認関連データ、競合品との、あるいは市場での位置づけ、疫学データなど。 第二は、日本での該当製品や市場の情報。 市場の主要製品売上、開発中の治験薬等。 調査項目としては、■製品■解説■データ■臨床ガイドラインなど■総説記事・文献■ニュース・トピックス■リンク■主要サイト