MLリソース:眼科用抗菌剤



Conjunctivitis /結膜炎 Keratitis /角膜炎 Blepharitis /眼瞼炎






●収録個別製品
■眼科用
[1179]眼科用抗菌剤

[1179]gatifloxacin ophthalmic solution (Zymar[Allergan])
 【別名】AM-1155 【開発元】杏林製薬  [DBR_ID]40784(624Q)
 【承認】FDA申請=、FDA承認=28-Mar-2003 ;【製剤】点眼液  【適応】細菌性結膜炎
 【日本】 ガチフロ0.3%点眼液[製造販売元:千寿製薬株式会社 販売:武田薬品工業株式会社 提携:杏林製薬株式会社] 製造承認2004.7.9、薬価収載2004.9.7、発売2004.9.7
 【適応〜日本】眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎、眼科周術期の無菌化療法

[]Levofloxacin点眼液(Quixin, IQuix [Santen])
 【別名】LVFX; DR 3355; CRV027[参天] 【開発元】第一製薬  [DBR_ID]27738-624Q/35721-624Q
 【承認〜Quixinクイクシン】FDA申請=2000.2.29、FDA承認=18-Aug-2000、米国発売=2000.11.1(Santen: 販売Vistakon) ;
 【承認〜IQuixアイクイクス】FDA申請=2003.4、FDA承認=2004.3.1、米国発売= ;(Santen: 販売Vistakon)
  【製剤】[QUIXIN] Each mL contains 5.12 mg of levofloxacin hemihydrate equivalent to 5 mg levofloxacin. 点眼液2.5mL,5mL
 【適応〜Quixin】細菌性結膜炎
 【適応〜IQuix】細菌性角膜潰瘍
 【適応〜日本】眼瞼炎、麦粒腫、涙のう炎、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎、角膜潰瘍、術後感染症
 【EU】OFTAQUIXの名称で北欧諸国、ドイツで販売
 【日本】クラビット点眼液[参天]承認2000.1.18、発売2000.4

[]ofloxacin点眼液(Ocuflox[Allergan]) オフロキサシン点眼液
 【別名】OFLX;DE-055[;DAIICHI;EYE];DL-8280; 【開発元】第一製薬  [DBR_ID]10922-624Q
 【承認】FDA承認=Jul 30,1993; 【製剤〜米国】点眼液(0.3%)
 【製剤〜日本】点眼液(0.3%)5mL×50本、眼軟膏(0.3%)3.5gチューブ入×10本
 【適応〜米国】細菌性結膜炎、角膜潰瘍
 【適応〜日本】眼瞼炎、麦粒腫、涙のう炎、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎、角膜潰瘍、術後感染症。
 【日本】タリビッド点眼液・眼軟膏[参天製薬]製造承認、薬価収載1987.8、発売1987.9、
再審査結果公表年月(最新)1994年12月 効能又は効果追加承認年月(最新)1989年6月

[]ciprofloxacin HCl眼科用(Ciloxan[Alcon])シプロフロキサシン眼科用
 【別名】ciprofloxacin ;CPFX; BAY O 9867[AS HCL];BAY-Q-3939 【開発元】Bayer AG  [DBR_ID]22108-624Q
 【承認】FDA承認=Dec 31,1990 ; 【製剤】点眼液・眼軟膏0.3%; 3.5g
 【適応】細菌性結膜炎
 【日本】未開発 

[1179]moxifloxacin HCl ophthalmic solution(Vigamox [Alcon])
 【別名】Bay-12-8039 【開発元】Bayer AG  [DBR_ID]x
 【承認】FDA申請=2002.12.17、FDA承認=Apr 15, 2003 ;【製剤】点眼液0.5%(5 mg/mL);
 【適応】細菌性結膜炎の治療
 【EU】2007.3現在50ヵ国で承認。
 【日本】ベガモックス点眼液0.5% [製造販売元(輸入元)/日本アルコン]VEGAMOX、承認2006.7.26、薬価収載2006.9.15、発売2006.11.6。
国内のピーク時予想売上高は100億円以上と大型化を期待する。


●[1279]アジスロマイシンの眼科用剤azithromycin eyedrop(AzaSite ー Inspire)

 日本語版註)アジスロマイシン点眼液azithromycin eyedrop(AzaSite ー Inspire)
 【別名】 【開発元】PfizerからInSite Vision Incが眼科領域全世界開発権取得  [DBR_ID]
 【承認】FDA申請=Jun 28, 2006、FDA承認=Apr 27, 2007、米国発売2007.8.13 ; 【製剤】5ml瓶に2.5mLの0.1% azithromycin点眼液を含有。DuraSite(R) (polycarbophil, edetate disodium, sodium chloride)により製剤. 【適応】(細菌性結膜炎) for the treatment of bacterial conjunctivitis caused by susceptible isolates of the following microorganisms: CDC coryneform group G, Haemophilus influenzae, Staphylococcus aureus, Streptococcus mitis group, Streptococcus pneumoniae. 【用法用量】最初の2日間は8-12時間毎に1日2回各1滴点眼、次の5日間は1日1回1滴点眼 【作用】臨床効果はプラセボ対比で63%(82/130)対50% (74/149)、除菌率は88%対66% 【特徴】細菌性結膜炎の従来製剤に比べ60-75%低用量。製剤技術DuraSite(R)使用。 【製品情報】http://www.azasite.com/ 【添付文書】AzaSite-PI 【提携】InSite Vision Incは、Inspire Pharmaceuticals Inc.に北米・カナダのライセンス実施権許諾(2007.2.15)。 アルゼンチンBioceutica S.A(2008.3 Argentina, Chile, Paraguay and Uruguay) Shin Poong Pharm(韓国2007.12) 【EU】未開発 【日本】未開発 【その他】


●[]トスフロキサシントシル酸塩水和物(Tosufloxacin Tosilate Hydrate)(OZEX/オゼックス点眼液[富山化学工業])

 日本語版註)トスフロキサシントシル酸塩水和物(Tosufloxacin Tosilate Hydrate)(OZEX/オゼックス点眼液[富山化学工業])
 【別名】TFLX ;TN-3262a 【開発元】富山化学工業株式会社  [DBR_ID]
 【化学名】(±)-7-(3-amino-1-pyrrolidinyl)-6-fluoro-1-(2,4-difluorophenyl)-1,4-dihydro-4-oxo-1,8-naphthyridine-3-carboxylic acid p-toluenesulfonate hydrate
 【作用】細菌のDNAの高次構造を変換するDNA gyrase及びtopoisomerase IVに作用し、DNA複製を阻害することにより、殺菌的に作用する。 【特徴】@ 眼感染症の起炎菌(ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、インフルエンザ菌、緑膿菌、アクネ菌)に対して強い抗菌力を有する(in vitro)。 A 小児(乳幼児、新生児を含む)を対象とした臨床試験を実施し、有効性及び安全性が確認され、抗菌点眼薬として国内で初めて小児の用法・用量を明示した。 【提携】日本から海外導出は韓国のみ、眼科用では海外導出はない 【EU】未開発 
【日本】トスフロ点眼液0.3% [製造販売元/株式会社ニデック] | オゼックス点眼液0.3% [製造販売元/富山化学工業株式会社 販売/大塚製薬株式会社]OZEX ophthalmic solution /承認2006.1.23、薬価収載2006.4.28、発売2006.5.11  【製剤〜日本】水性点眼剤1mL中3mgトスフロキサシントシル酸塩水和物(トスフロキサシンとして2.04mg) 【適応〜日本】〈適応菌種〉 トスフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、モラクセラ属、コリネバクテリウム属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス (コッホ・ウィークス菌)、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス (ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、アクネ菌
〈適応症〉 眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎 (角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法 【用法用量〜日本】通常、成人及び小児に対して1回1滴、1日3回点眼する。 【添付文書〜日本】オゼックス点眼液0.3% - インタビューフォーム 【その他】他の剤型では、オゼックス錠75,150


●[]ノルフロキサシン点眼液(Norfloxacin)(Baccidal/バクシダール点眼液[杏林製薬])

 日本語版註)ノルフロキサシン点眼液(Norfloxacin)(Baccidal/バクシダール点眼液[杏林製薬])
 【別名】NFLX 【開発元】杏林製薬  [DBR_ID]
 【化学名】1-Ethyl-6-fluoro-4-oxo-7-(piperazin-1-yl)-1,4-dihydroquinoline-3-carboxylic acid
 【作用】細菌のDNAの高次構造を変換するDNA gyraseに作用し、DNA複製を阻害することにより、殺菌的に作用する 【特徴】 【提携】米国・欧州では開発されていない 【EU】未開発  
【日本】バクシダール点眼液0.3%[製造販売元/杏林製薬株式会社 発売元/千寿製薬株式会社 販売/武田薬品工業株式会社]BACCIDAL Eye-drops /承認、薬価収載1989.8.25、発売1989.10.2  【製剤〜日本】水性点眼剤1mL中日局 ノルフロキサシン 3.0mg 【適応〜日本】<適応菌種>本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、モラクセラ属、コリネバクテリウム属、バシラス属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、フラボバクテリウム属、アルカリゲネス属
<適応症>眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法 【用法用量〜日本】通常、1回1滴、1日3回点眼する。 【添付文書〜日本】バクシダール点眼液0.3%添付文書 【その他】


●[]塩酸ロメフロキサシン(Lomefloxacin HCl)(ロメフロン点眼液0.3%/ロメフロンミニムス眼科耳科用液0.3%[製造販売元/千寿製薬株式会社 販売/武田薬品工業株式会社 提携/アボットジャパン株式会社])LOMEFLON MINIMS SOLUTION FOR EYE AND EAR 0.3%/LOMEFLON OPHTHALMIC SOLUTION 0.3%

 日本語版註)塩酸ロメフロキサシン(Lomefloxacin HCl)(ロメフロン点眼液0.3%/ロメフロンミニムス眼科耳科用液0.3%[製造販売元/千寿製薬株式会社 販売/武田薬品工業株式会社 提携/アボットジャパン株式会社])LOMEFLON MINIMS SOLUTION FOR EYE AND EAR 0.3%/LOMEFLON OPHTHALMIC SOLUTION 0.3%
 【別名】LFLX; NY-198 【開発元】北陸製薬→[現]アボット ジャパン  [DBR_ID]
 【化学名】(RS)-1-Ethyl-6,8-difluoro-1,4-dihydro-7-(3-methyl-piperazin-1-yl)-4-oxoquinoline-3-carboxylic acid monohydrochloride
【作用】細菌のDNAジャイレースに作用し、DNA合成を阻害する。抗菌作用は殺菌的であり、最小殺菌濃度は最小発育阻止濃度とほぼ一致している。 【特徴】塩酸ロメフロキサシンは、北陸製薬株式会社(現 アボット ジャパン株式会社)で創製された化学構造上キノリン環の6位及び8位にフッ素、7位に3-メチルピペラジニル基を有するキノロン系合成抗菌剤で、経口投与剤として1990年より臨床の場で使用されている。 千寿製薬株式会社は、幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌力を有し、且つ、水溶液中での安定性及び良好な組織移行性・滞留性など局所療法剤として適した本化合物の性質に注目し、眼科・耳科領域で、結膜炎、麦粒腫、涙嚢炎等の外眼部感染症及び外耳炎、中耳炎の耳科感染症の治療剤として開発、「ロメフロン眼科耳科用液」として1994年10月に承認され、同年12月に発売した。
さらに、点眼使用におけるベンザルコニウム塩化物(保存剤)の眼への影響を考慮し、眼科領域についてはベンザルコニウム塩化物を配合しない処方に改良を行い、これに伴って、眼科、耳科各々の領域別に新たに申請し、保存剤を含まない点眼剤として2000年3月「ロメフロン点眼液」が承認
【提携】 【EU】主な外国での発売状況・Okacin(Ciba Vision、スイスなど55ヵ国、1996年〜発売)・LOMEFLON SOLUTION FOR EYE AND EAR(Choongwae Pharma、韓国、1998年発売)・Lomacin(Ciba Vision、メキシコ、1998年発売)・Okacyn(Ciba Vision、イギリス、2000年発売) 
【日本】ロメフロン点眼液0.3% | ロメフロンミニムス眼科耳科用液0.3%[製造販売元/千寿製薬株式会社 販売/武田薬品工業株式会社 提携/アボットジャパン株式会社]LOMEFLON MINIMS SOLUTION FOR EYE AND EAR 0.3%/LOMEFLON OPHTHALMIC SOLUTION 0.3%/(眼科耳科用液)承認1994.10、薬価収載1995.8、発売1995.11/(点眼液)承認2000.3.15、薬価収載2000.7.7、発売2000.9.7  【製剤〜日本】水性眼科耳科用液剤または水性点眼剤1mL中塩酸ロメフロキサシン3.31mg(ロメフロキサシンとして3mg) 【適応〜日本】<適応菌種> ロメフロキサシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、モラクセラ属、コリネバクテリウム属、バシラス属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、フラボバクテリウム属、アクネ菌
<適応症> 眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法  【用法用量〜日本】通常、1回1滴、1日3回点眼する。 【添付文書〜日本】ロメフロン点眼液0.3% | ロメフロンミニムス眼科耳科用液0.3%- インタビューフォーム 【その他】


[1327-28]●besifloxacin HClベシフロキサシン点眼液 (Besivance − Bausch & Lomb)

 日本語版註)besifloxacin HClベシフロキサシン点眼液 (Besivance − Bausch & Lomb)
 【別名】ISV-403 【開発元】エスエス製薬が創製しライセンス先InSite Vision Incorporatedの製剤技術 →Bausch & Lomb  [DBR_ID]x
 【化学名】(+)-7-[(3R)-3-aminohexahydro1H-azepin-1-yl]-8-chloro-1-cyclopropyl-6-fluoro-4oxo-1,4-dihydroquinoline-3-carboxylic acid hydrochloride.
 【承認】FDA申請=May 30, 2008、FDA承認=2009.5.29 ; 【製剤】点眼液7.5 mL size bottle filled with 5 mL of besifloxacin ophthalmic suspension, 0.6%; Each mL of Besivance contains 6.63 mg besifloxacin hydrochloride equivalent to 6 mg besifloxacin base.; DuraSite(R)(polycarbophil, edetate disodium dihydrate and sodium chloride)で製剤化 【適応】(細菌性結膜炎) Besivance(TM) (besifloxacin ophthalmic suspension) 0.6%, is a quinolone antimicrobial indicated for the treatment of bacterial conjunctivitis caused by susceptible isolates of the following bacteria: CDC coryneform group G, Corynebacterium pseudodiphtheriticum*, Corynebacterium striatum*, Haemophilus influenzae, Moraxella lacunata*, Staphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, Staphylococcus hominis*, Staphylococcus lugdunensis*, Streptococcus mitis group, Streptococcus oralis, Streptococcus pneumoniae, Streptococcus salivarius* 【用法用量】1日3回各1滴を点眼を7日間
 【作用】 【特徴】第四世代フルオロキノリン(第三世代品耐性菌に有効) 
【製品情報】www.besivance.com 【添付文書】Besivance-PI
 【提携】ISV-403は、InSite Vision社がエスエス製薬からライセンスを受けたSS734(besifloxacin)にInSite社のdrug delivery system技術DuraSite(R)で製剤化したもの。 2002年8月InSite社はボシュロム社にISV-403をライセンスした。  【EU】 
【日本】未開発 【その他】







【日本語版コメント1327-28〜ベシフロキサシン点眼液(Besivance)】
 眼科感染症の第一選択剤にはニューキノロン系+βラクタム系が推奨される。(感染性角膜炎診療ガイドライン,2007.10) ニューキノロン系は抗菌スペクトルが広いが,レンサ球菌にはやや弱い.β-ラクタム系はレンサ球菌にはよく効くが緑膿菌には効果が乏しく,逆にアミノグリコシド系は,緑膿菌に有効であるがレンサ球菌には無効である.起炎菌が不明である場合にはニューキノロン系とβ-ラクタム系を併用するが,これにより耐性菌を除くほとんどの細菌をカバーできる.
 眼科用ニューキノロン系剤は既に多数販売されている。 オフロキサシン(タリビッド)、ノルフロキサシン(ノフロ,バクシダール)、塩酸ロメフロキサシン(ロメフロン)、レボフロキサシン(クラビット)、ガチフロキサシン(ガチフロ)、トシル酸トスフロキサシン(オゼックス,トスフロ)、塩酸モキシフロキサシン(ベガモックス)。 今回採上げるベシフロキサシン点眼液は第四世代フルオロキノリン(第三世代品耐性菌に有効)。エスエス製薬が創製しライセンスを受けたSS734(besifloxacin)にInSite社のdrug delivery system技術DuraSite(R)で製剤化したものがISV-403。 2002年8月InSite社はボシュロム社にISV-403をライセンスした。

【日本語版コメント1279】
 眼科疾患の患者数は約330万人(2005年度3,294千人)、うち眼感染症として代表的な結膜炎33.5万人、角膜炎8.6万人、麦粒腫2万人、さん粒腫1.8万人、眼瞼炎1.3万人など。(眼感染症患者総数は不明だが、オゼックス点眼液発売時の2006年に企業予測市場規模としてピーク時4年後が231万人で26.7億円見込、とある。) 医療用眼科用薬市場規模2,144億円(2006年)で、うち眼感染症薬剤は259億円(2006年、参天製薬がシェア76.1%)と12%を占める。
 起炎菌は一般細菌だけでなくヘルペス等のウイルス、真菌のほか、性感染(クラミジア等)が増加傾向。 診療については感染性角膜炎診療ガイドライン(2007)ウイルス性結膜炎ガイドライン(2003)が作成されているが、更に普及が望まれる。 薬物療法面では内服製剤の主要なものは既に眼科用剤として販売されているが、MRSA,VRE等の耐性菌の懸念があるので乱用すべきでない。

【日本語版コメント1179】
 一般感染症の分野では、耐性菌の問題から最近は、抗菌剤の使用をかなり厳しく管理する病院がでてきている。 耐性菌の出現が比較的少ないとされたキノロン系抗菌剤も、今は少ないといえない状況だ。
 ボシュロム社によると、眼科用医薬品 2003度世界市場規模は$8.4 Billion(前年6.5)で、メーカーシェア[2002]は Alcon 18%, Pharmacia 14%, Allergan 14%, Merck 10%, Novartis 8%, Santen 9%, B&L 7%, 他 20%。 [薬効別]では緑内障39%(前年41), アレルギー13%(14), 抗感染10%(10), ドライアイ8%(8), 抗炎症6%(6), 配合剤5%(6), AMD 4%(-), Back-of-the-Eye -%(3), 他15%(12)の内訳。
 眼科用抗菌剤の世界市場規模(2003)は 約900億円(US$840m)
 杏林製薬推定による全世界の抗菌点眼剤市場(2002年度)は、日本 300億円、米国300-350、欧州100 合計 700-750億円;米国でOfloxacin[Allergan] 90億円、Ciproxan[Alcon;ciprofloxacin] 100億円, Tobradex[Alcon;tobtamycin+dexamethasone] 210億円; 日本では、クラビット[参天:レボフロキサシン点眼液] 127億円、クイクシン[参天:レボフロキサシン点眼液] 14億円、タリビッド[参天:オフロキサシン点眼液] 56億円…といったところだ。 因みに日本ではシプロフロキサシン眼科用剤は発売されていない。 要するに眼科用レボフロキサシンが圧倒的に多く使われている。

 眼科用キノロン製剤の適応症なんだが、米国の場合、原則として「細菌性結膜炎」のみが承認されていて、最近レボフロキサシン高濃度製剤(IQuix)とオフロキサシン(Ocuflox)に「細菌性角膜潰瘍」の適応が認可された程度。  日本の場合は、「眼瞼炎、麦粒腫、涙のう炎、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎、角膜潰瘍、術後感染症」と実に多彩だ。 因みに眼科用抗菌剤の場合、耐性菌を怖れての適正使用を推進しようとする動きは、日米とも見られない。  今回取り上げたmoxifloxacin(日本P3)は新発売ながら米国眼科用キノロン剤の54%シェアを占めたとの発表があり評判がよさそう。 同時期にFDA承認された日本産gatifloxacin点眼液は、日本でも6月の薬事分科会の報告を待つばかり。 *ガチフロ(内服剤)は2003.3月の血糖値異常の副作用の緊急安全性情報により国内売上が1/3に激減(47→17億円)。


【市場】

★世界の眼科用抗生物質市場規模は$1.5 billion (2006, by Navigant Consulting IMS-based data)

★米国の眼科用抗生物質市場は$600MM (2006, IMS)
うち単味剤$360 million, 配合剤$245 million 、処方件数15 million(+7%)
2007年は単味剤$391 million。 処方件数14.9 million(+2%)

. Market Opportunity. The US branded ocular antibiotic market in 2005 stood
at -$450MM and was dominated by Alcon's TobraDex ($170MM) and
Vigamox ($157MM) and Allergan's Zymar ($90MM). Over the last several
years, total branded scripts have decreased at -5% per year as generics
have taken market share. However, annual price increases of -7% have
offset the declining prescriptions, delivering -2% annual market growth.
Importantly, Alcon and Allergan focus on optometry, leaving a void in
pediatrics. The ideal pharma partner would detail both segments.
FROM [ThinkEquity Partners LLC]InSite Vision Incorporated[2006.5.22]

★眼科用医薬品 2003[市場規模 $8.4 Billion(6.5)]
-[2002] Alcon 18%, Pharmacia 14%, Allergan 14%, Merck 10%, Novartis 8%, Santen9%, B&L 7%, 他 20%
 [薬効別]
 緑内障39%(41), アレルギー13%(14), 抗感染10%(10), ドライアイ8%(8), 抗炎症6%(6), 
 配合剤5%(6), AMD 4%(-), Back-of-the-Eye -%(3), 他15%(12)
 from - Bausch & Lomb FactBook 2002 YearEnd[pdf, 14p]
 - Bausch & Lomb FactBook 2003 YearEnd[pdf,10p]

■医療用眼科薬市場と参天製薬シェア
 2007/32006/32005/32004/32003/32002/32001/32000/3
医療用眼科用薬 計参天39.7%40.9%39.6%39.0%38.9%40.3%42.9%44.2%
市場2,144億円2,131億円2,077億円1,947億円1,958億円1,971億円1,894億円1,796億円
抗緑内障薬参天22.1%23.2%20.0%16.7%17.3%17.6%19.1%22.4%
市場799億円790億円749億円717億円690億円661億円602億円553億円
抗感染症薬参天76.1%78.3%80.3%81.0%80.9%81.8%80.8%77.4%
市場259億円267億円265億円269億円276億円302億円310億円310億円
抗アレルギー薬参天24.3%24.8%22.4%20.7%17.5%18.2%29.2%31.5%
市場247億円246億円284億円208億円250億円265億円268億円229億円
手術用薬参天42.8%42.6%41.0%39.1%39.6%41.0%41.9%42.4%
市場141億円144億円136億円145億円148億円160億円160億円177億円
角膜疾患治療薬参天79.3%80.7%81.0%82.4%85.4%89.0%89.3%89.9%
市場264億円255億円230億円210億円188億円172億円153億円139億円
抗白内障薬参天62.6%60.3%57.4%55.4%53.3%50.1%47.0%43.5%
市場63億円65億円68億円71億円77億円77億円79億円80億円
コルチコステロイド参天51.4%52.6%52.8%51.6%53.1%56.0%56.3%55.9%
市場108億円112億円115億円109億円114億円125億円127億円125億円

抗リウマチ薬参天46.3%45.2%42.9%42.5%42.1%42.8%44.9%42.9%
市場232億円238億円233億円222億円211億円203億円191億円182億円
 from 参天製薬決算資料 ●参天製薬 製品売上高
(百万円)08/3予2007/32006/32005/32004/32003/32002/32001/32000/31999/31998/3備考

★合成抗菌点眼薬
クラビット12,218(-7.1)13,155(-0.5)13,227(+3.1)12,83312,957(+2.1)12,691(+2.9%)12,338(+44.4)8,543[発売2000.4]-レボフロキサシン点眼液
クイクシン----1,982(+41.6)1,399(156.7)545(187.3)189[米国発売2000.11]レボフロキサシン点眼液
タリビッド2,850(19.1)3,524(-14.0)4,100(-7.4)4,4294,847(-12.9)5,566(-22.5)7,184(-38.3)11,63917,83816,80716,794[発売1987.9]オフロキサシン点眼液
【開発中の新薬】「治験」ホームページ[厚生労働省] - 開発中の新薬[<情報提供:日本製薬工業協会>] /2008.4.28 会社別開発中新薬一覧。 検索機能なし。68社から情報提供
治験薬記号(一般名)
および剤型
予定される効能又は効果、
対象疾患名および症状名
開発段階その他
国内海外 (地域)
DE−094(レボフロキサシン+プレドニゾロンA)点眼液[参天製薬]感染による角膜炎第U相(米国)導入(第一三共)
●リスト除外品目
「オゼックス点眼液0.3%」TN-3262a 点眼剤(一般名:トシル酸トスフロキサシン)[富山化学工業]【効能追加に伴う新剤型】ニューキノロン系合成抗菌剤発売2006.5.11
承認2006.1.23

自社、共同開発(ニデック)・販売提携(大塚製薬)・導出(東亜製薬)
ベガモックス点眼液0.5%(塩酸モキシフロキサシン点眼液) /VEGAMOX[日本アルコン]広範囲抗菌点眼剤発売2006.11.6
承認2006.7.26

自社
New Medicines in Development[PhRMA 米製薬協] /2008.4.28 [MemberArea]New Medicines in Development[PhRMA 米製薬協]
Registered NameCompanyStatusIndication備考
Levofloxacin/prednisolone(DE-094)Santen Pharmaceutical (Licensee)/Daiichi Sankyo Company (Originator)米IIInfectious keratitis
Moxifloxacin/dexamethasoneAlcon(Originator)米IIIEye disorders
Azithromycin/dexamethasone combination InSite Vision (Originator)米IIIOphthalmic infections
BesifloxacinInSite Vision (Originator)米IIIOphthalmic infections
Tobramycin/prednisolone acetateISTA Pharmaceuticals(Originator)米申請準備Ophthalmic infections
【解説資料】メルクマニュアル第17版日本語版 - 95章 急性結膜炎 - 98章 ぶどう膜炎 - 96章 角膜疾患 - 眼窩周囲蜂巣炎および眼窩蜂巣炎 - [IDSC疾患別情報]眼の感染症 - アデノウイルス感染症 アデノウイルスはA〜Fの6群に分類され、51の血清型がある。 アデノウイルス感染症のうち咽頭結膜熱(PCF)は感染症発生動向調査に おける5類感染症として、小児科定点から毎週患者数が報告されている。 PCFの届け出基準は発熱・咽頭発赤と結膜充血の3主症状が挙げられている - 咽頭結膜熱(pharyngoconjunctival fever, PCF) 発熱、咽頭炎、眼症状を主とする小児の急性ウイルス性感染症であり 、数種の血清型のアデノウイルスによる。 プールでの感染も多く見られることから本邦ではプール熱とも呼ばれる。 - 急性出血性結膜炎(AHC) 主としてエンテロウイルス70 (EV70)とコクサッキーウイルスA24 変異株(CA24v)の二つのエンテロウイルスによってひきおこされる 、激しい出血症状を伴う結膜炎 である。 - 流行性角結膜炎(EKC:epidemic keratoconjunctivitis) 主にD 群のアデノウイルスによる疾患で、主として手を介した接触により感染する。 ●[日本眼科学会]目の病気〜一般向け - ウイルス性結膜炎    −ヘルペス性結膜炎以外のウイルス性結膜炎に対しては、通常、炎症を抑え、細菌     による二次感染を防止する。     (1) 流行性角結膜炎 (2) 咽頭結膜熱 (3) 急性出血性結膜炎 (4) ヘルペス性結膜炎 - 角膜感染症    −何らかの原因で角膜上皮に傷ができてしまうと微生物が付着し繁殖しやすくなる。     角膜感染症を起こす主な微生物として、細菌・真菌(病原性を有するカビ)・     アカントアメーバ・ヘルペスウイルスなどがある。     細菌性角膜炎/真菌性角膜炎/アカントアメーバ角膜炎/ヘルペス性角膜炎 - ぶどう膜炎    −虹彩・毛様体・脈絡膜の総称をぶどう膜と呼ぶ。ぶどう膜炎とは、このぶどう 膜の一部あるいは全てが炎症を起こす病気。 ぶどう膜に対する過剰な免疫反応 や、細菌・ウイルス・カビ(真菌)などによる感染が原因となることがあるが、 原因を特定できないこともしばしば。  昔から有名なぶどう膜炎として、ベーチェット病・サルコイドーシス・原田病 が挙げられ(三大ぶどう膜炎)、いずれも、免疫系の異常が原因で発症すること が分かっている。 ぶどう膜炎の治療の中心はステロイド薬の点眼や内服、あるいは点滴である。 - 麦粒腫    −俗に「ものもらい」と呼ばれている病気で、原因は細菌感染によるものです - 新生児涙嚢炎    −先天性鼻涙管閉塞症ではうまく涙が流れないため、鼻涙管のなかで細菌感染を     起こすことがあり、これを新生児涙嚢炎と呼ぶ。 目の感染症[万有製薬] - 感染症には、角膜炎、結膜炎などいろいろな種類があります。 ※超初心者向けで、有用性に欠ける。 【データ】 「患者調査」
疾病分類名  (単位:千人)1999年度2002年度2005年度
■眼及び付属器の疾患(H00-H59)(3,227)(3,300)(3,294)
●眼瞼,涙器及び眼窩の障害(H00−H06)(203)(201)(211)
H00  麦粒腫及びさん<霰>粒腫(34)(42)(38)
 H000  麦粒腫およびその他の眼瞼深部の炎症182220
 H001  さん粒腫162018
H01  眼瞼のその他の炎症(18)(18)(19)
 H010  眼瞼炎141513
 H011  眼瞼の非感染性皮膚症436
H02  眼瞼のその他の障害(50)(62)(54)
 H020  眼瞼内反(症)および(眼瞼)睫毛乱生症415548
 H022  兎眼311
 H024  眼瞼下垂434
 H028  眼瞼のその他の明示された障害231
H04  涙器の障害(83)(79)(100)
 H040  涙腺炎00-
 H041  涙腺のその他の障害453357
 H042  流涙454
 H043  涙道の急性および詳細不明の炎症71113
 H044  涙道の慢性炎症584
 H045  涙道の狭窄および不全222222
●結膜の障害(H10−H13)(355)(375)(364)
H10  結膜炎(329)(350)(335)
 H101  急性アトピー性結膜炎150173182
 H102  その他の急性結膜炎020
 H103  急性結膜炎,詳細不明191918
 H104  慢性結膜炎574647
 H105  眼瞼結膜炎151310
 H108  その他の結膜炎8158
 H109  結膜炎,詳細不明808270
H11  結膜のその他の障害(26)(25)(29)
 H110  翼状片111014
 H111  結膜変性および沈着症567
 H113  結膜出血1088
 H114  その他の結膜の血管障害およびのう胞010
●強膜,角膜,虹彩及び毛様体の障害(H15−H22)(141)(162)(142)
H15  強膜の障害(3)(7)(3)
 H150  強膜炎221
 H151  上強膜炎152
H16  角膜炎(89)(110)(86)
 H160  角膜潰瘍283429
 H161  その他の表層角膜炎,結膜炎を伴わないもの354638
 H162  角結膜炎5105
 H163  実質性および深層角膜炎010
 H168  その他の角膜炎733
 H169  角膜炎,詳細不明131611
H17  角膜瘢痕及び混濁(3)(3)(6)
H18  角膜のその他の障害(23)(16)(21)
 H181  水疱性角膜症311
 H182  その他の角膜浮腫232
 H184  角膜変性112
 H186  円錐角膜332
 H187  その他の角膜変形423
 H188  角膜のその他の明示された障害8510
 H189  角膜の障害,詳細不明211
H20  虹彩毛様体炎(25)(26)(26)
●水晶体の障害(H25−H28)(1310)(1497)(1307)
H25  老人性白内障(423)(526)(504)
H26  その他の白内障(872)(941)(789)
H27  水晶体のその他の障害(15)(30)(14)
 H270  無水晶体(眼)152913
 H271  水晶体偏位011
●脈絡膜及び網膜の障害(H30−H36)(285)(250)(234)
H30  網脈絡膜の炎症(5)(7)(7)
H31  脈絡膜のその他の障害(7)(6)(10)
 H311  脈絡膜変性7610
H32*  他に分類される疾患における網脈絡膜の障害(-)(-)(-)
H33  網膜剥離及び裂孔(45)(39)(40)
H34  網膜血管閉塞症(66)(63)(54)
H35  その他の網膜障害(162)(135)(123)
 H350  背景網膜症および網膜血管変化191616
 H351  未熟児網膜症221
 H352  その他の増殖性網膜症433
 H353  黄斑および後極の変性755963
 H354  周辺網膜変性13138
 H355  遺伝性網膜ジストロフィ222416
 H356  網膜出血111310
 H357  網膜層の分離1346
 H358  その他の明示された網膜障害310
●緑内障(H40−H42)(559)(409)(544)
●硝子体及び眼球の障害(H43−H45)(24)(31)(26)
H43  硝子体の障害(22)(28)(24)
 H431  硝子体出血564
 H433  その他の硝子体混濁6116
 H438  硝子体のその他の障害111114
●視神経及び視(覚)路の障害(H46−H48)(19)(24)(23)
H46  視神経炎(5)(3)(5)
H47  視神経[第2脳神経]及び視(覚)路のその他の障害(14)(21)(18)
●眼筋,眼球運動,調節及び屈折の障害(H49−H52)(265)(284)(364)
H52  屈折及び調節の障害(245)(260)(343)
 H520  遠視71112
 H521  近視455986
 H522  乱視154132199
 H524  老視286
 H525  調節の障害244527
 H527  屈折の障害,詳細不明13511
医療用医薬品添付文書
製品組成適応症用法用量備考
[]
発売
[]
発売
[]
発売

【臨床ガイドライン】
ガイドライン名作成機関出版社(所蔵情報)、雑誌
感染性角膜炎診療ガイドライン(2007)日本眼感染症学会感染性角膜炎診療ガイドライン作成委員会日本眼科学会雑誌111(10):769-809, 2007
アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン (2006)日本眼科アレルギー研究会日本眼科学会雑誌 110(2):99-140, 2006
ウイルス性結膜炎ガイドライン (2003)日本眼科学会, 日本眼感染症学会 ウイルス性結膜炎のガイドライン作成委員会日本眼科学会雑誌 107(1):1-35, 2003
American Academy of Ophthalmology(AAO) - Guidelines - Bacterial Keratitis 2005/細菌性角膜炎 - Blepharitis 2003/眼瞼炎 - Conjunctivitis 2003/結膜炎 【総説記事・文献】
[Meteo-Intergate]メディカルオンライン

注文日出典文献タイトル形態金額著者機関備考
2007.10.23医学のあゆみ, 207(8) : 574-575, 2003目のまわりの白班 Vogt-小柳-原田症候群pdf\1,050鈴木教之, 富田靖名古屋大学大学院医学系研究科皮膚病態学分野
【要旨】Vogt-小柳-原田症候群(以下, 本症)は, 両眼性のぶどう膜炎, 耳鳴難聴などの内耳障害, 脱毛白斑などの皮膚症状, 髄膜炎を呈する全身性疾患で, 全身のメラノサイトに対する自己免疫疾患と考えられている. 20世紀初頭にVogt, 小柳, 原田がそれぞれ症例報告をしたが, 後にこれらはすべて同一の疾患であるとみなされるようになり, 現在ではVogt-小柳-原田病(症候群)とよばれるようになった1).
疫学 本症は有色人種に多く, 欧米で少ない. 有病率は100万人当り15人で, 男女差は女性にやや多く, 発症年齢は10歳前後から80歳代までみられるが, 好発年齢は20〜30歳代である1).
) 臨床症状 臨床症状は大きく3期に分けられている2).
2007.10.23炎症と免疫, 15(2) : 214-218, 2007DDSを用いた眼疾患の治療 -ぶどう膜炎とナノステロイドpdf\756酒井 勉東京慈恵会医科大学眼科学教室
【要旨】ぶどう膜炎に対する治療はステロイドの全身投与が主体であり, 強力な炎症抑制効果を得るためには大量投与が必要である. われわれは, 実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)モデルを用いて, 炎症病巣への集積および持続的な徐放を可能にするリン酸ベタメタゾン封入ナノスフェア(ナノステロイド)の少量全身投与をおこない, その炎症抑制効果に関して, 従来のステロイド薬であるリン酸ベタメタゾン投与と比較した. その結果, ナノステロイドは従来のステロイドと比較し, 少量でかつ長期にわたる炎症抑制効果を得ることができた. ナノテクノロジーを用いた, この新しい薬物送達システムは, ぶどう膜炎をはじめとするさまざまな眼疾患の治療に応用できる可能性がある.
2007.10.23東京医科大学雑誌, 65(3) : 230-242, 2007ぶどう膜炎とトランスレーショナルリサーチ pdf\578臼井正彦東京医科大学眼科学講座
【要旨】「はじめに」ぶどう膜炎は, 眼の中膜を構成する組織である虹彩, 毛様体, 脈絡膜に起きる炎症の総称である. しかし, 近年ではぶどう膜に限局する炎症性変化ばかりでなく, ぶどう膜に隣接する眼内組織, 例えば網膜, 硝子体, 強膜などの炎症を含めてぶどう膜炎といい, 特に最近では内眼炎と呼称する傾向にある. ぶどう膜炎はその原因により外因性と内因性に大別される. 一般にぶどう膜炎といった場合は, 内因性のぶどう膜炎を指しており, 古くからその発症機序について多くの研究がなされてきた. 考えられるぶどう膜炎の発症機序としては, 1)寄生虫, 真菌, 細菌, ウイルスなどによる感染, 2)アレルギー・免疫異常, 3)全身疾患の部分症, 4)原因不明, が挙げられる. とりわけ, 感染性ぶどう膜炎を除く非感染性ぶどう膜炎では, 免疫異常やアレルギーなどが密に発症機構と関連しており, 難治なぶどう膜炎が多く, 治療が困難で失明に至ることがしばしばある. 特に本邦では, サルコイドーシス, Vogt-小柳‐原田病, べーチェット病といった免疫異常による汎ぶどう膜炎が三大ぶどう膜炎として占められており1), ぶどう膜炎の発症機序の解明や新治療の開発は眼科医にとって極めて重要な課題である.
2007.10.23あたらしい眼科, 23(2) : 159-164, 2006ぶどう膜炎pdf\630後藤 浩東京医科大学眼科学教室
【要旨】ぶどう膜炎にみられるさまざまな眼合併症のなかでも白内障の頻度は高く, 視機能の低下した症例に対して手術が行われる機会も少なくない. 白内障の手術療法については, 今日では超音波水晶体乳化吸引術(phacoemulsification and aspiration:PEA)を行ったうえで, 特別な理由がない限り眼内レンズを挿入することが常識となっているが, ぶどう膜炎症例に対する眼内レンズの挿入については長い間, 慎重な対応が求められてきた. 実際, 昭和62年の眼内レンズ適応検討委員会から日本眼科学会への答申では, ぶどう膜炎患者への眼内レンズの挿入は禁忌と定められていた. 術式についても水晶体嚢外摘出術と眼内レンズ挿入術が全盛であった頃, ぶどう膜炎症例では嚢内摘出術のほうが好ましいと考えられていた時期があった. その後, 白内障手術の技術革新や素材としての眼内レンズの進化に歩調を合わせるように, 眼内レンズ挿入術の適応は徐々に拡大し, ぶどう膜炎の併発白内障に対してもこれを禁忌とする考えは徐々に影を潜め, すでに多くの実績と良好な臨床成績が報告されている1〜5).
2008.4.27あたらしい眼科, 24(5) : 647-654, 2007多施設共同による細菌性結膜炎における検出菌動向調査fax\1,155松本治恵*1, 井上幸次*2, 大橋裕一*3, 臼井正彦*4, COI細菌性結膜炎検出菌スタディグループ*1松本眼科, *2鳥取大学医学部視覚病態学分野, *3愛媛大学医学部眼科学教室, *4東京医科大学眼科学教室
【要旨】細菌性結膜炎のわが国における動向を把握するため, 全国16施設において, 2004年11月, 2005年2月, 5月, 8月に来院した細菌性結膜炎疑いの患者の結膜から検体を採取し, 阪大微生物病研究会に送付して培養を実施した. その結果, 全症例266例中, 73.3%が40歳以上であり252例から細菌が検出された. 検出菌は429株で, 多い順にStaphylococcus epidermidis(102株), Stsphylococcus aureus(66株), Streptococcus spp. (59株), Propionibacterium spp. (42株)であった. グラム陽性菌が全体の67.4%を占めていたが, 14歳以下ではグラム陰性菌の割合が32.1%と高かった. S.epidermidisとメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)ではレボフロキサシンとセフメノキシム(CMX)に高い感受性を示したが, メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)では全般に不良であった. Streptococcus spp. はCMXに, Propionibacterium spp. はエリスロマイシンに高い感受性を示した.
2008.4.27MEDICAMENT NEWS, (1895) : 10-12, 2007.眼感染症の最新薬物療法pdf\788宇野敏彦, 大橋裕一愛媛大学大学院感覚機能医学講座視機能外科学分野(眼科学)
【要旨】 [1 眼感染症の特徴] 眼感染症は全身感染症と異なり, いくつか特殊な状況が存在する。次に列挙してみたい。(1)露出した粘膜 角膜結膜という粘膜を常に露出させているのは極めて特異な状況である。このため異物の飛入を受けやすく, 外傷を契機とした感染症が起こりやすい。(2)常に洗浄されている 眼表面は常に涙液で洗われている。涙液の中には分泌型IgAやリゾチームなど抗菌作用を持つ物質が含まれ, 常在菌量は鼻腔などと比較して格段に少ない。このような環境に抵抗して常在する菌にはスライム産生能の高いものが多いなど, ある程度選別された菌が生息している可能性がある1)。(3)血管のない角膜 フザリウムなど, 多彩な糸状真菌により真菌性角膜炎が発症する。この理由のひとつとして角膜が無血管組織であることが挙げられる。角膜は感染防御機構が及びにくい部分である。(4)点眼が治療の主体 眼内感染症等を除き, 眼感染症の多くは点眼というルートで治療を行う。(5)病巣が直接観察できる 特に角膜感染症では透明組織に病巣が存在するため, 所見から原因菌の性状を読み取ることが可能な場合がある。また増悪緩解を明確に把握することも可能である。
2008.4.27あたらしい眼科, 23(2) : 219-224, 2006.病棟・外来の眼科領域細菌と感受性の動向2001〜2005年pdf\630加茂純子*1, 山本ひろ子*2, 村松志保*2, 海野明美*3*1甲府共立病院眼科, *2甲府共立病院検査部, *3甲府駅前共立診療所検査部
【要旨】2001年1月1日〜2005年2月28日の山梨勤医協関連病院の病棟, 外来における結膜炎の眼脂培養で細菌の同定された上位菌種と薬剤感受性を調べた. 1, 2位は病棟, 外来ともcoagulase negative Staphylococci(CNS), Coryne-bacterium, 3位は外来でStaphylococcus aureus, 病棟ではmethicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)であった. 点眼で第一選択とすべきはセフメノキシム, スルベニシリンで, これに, ジベカシンなどのアミノグリコシド系または, キノロン系を加えればほとんどカバーできる. キノロン系ではガチフロキサシンが最強であるのがわかったが, Corynebacterium, MRSAには弱い. MRSAが疑われるときはクロラムフェニコール点眼を選ぶ. 軟膏ではテトラサイクリンが最強であったが, MRSAに効く軟膏が望まれた.
fax/pdf\
【要旨】
【ニュース・トピックス】 【リンク・リソース】 【主要サイト】日本眼感染症学会 -Jap. Assn for Ocular Infection ●日本眼炎症学会 - Japanese Ocular Inflammation Society(-JOIS-) - 「日本眼炎症学会会誌」年刊 (原著機関誌 「日本眼科紀要」) ●日本眼科学会国際眼炎症学会 -International Ocular Inflammation Society American Academy of Ophthalmology(AAO) - Guidelines





●解説


■感染性結膜炎 / Conjunctivitis
●概要

結膜は,眼瞼の裏側(眼瞼または瞼板結膜)から,眼瞼と眼球の間の腔部(円蓋部結膜),眼球の強膜上を角膜まで(眼球結膜)広がっている。結膜の外観は様々な刺激に応じて変化する。

●分類

目が赤くなる急性疾患の一般的な鑑別診断

診断上の特徴急性結膜炎急性紅彩炎急性緑内障上強膜炎/強膜炎
痛み灼熱感を伴うが重度ではない中等度,羞明非常に強く,悪心・嘔吐を伴う上強膜炎−刺激症状強膜炎−激しい痛み
視力正常中程度の低下かなり低下通常は正常
眼内圧正常通常は正常または低下上昇正常
流涙または分泌物粘液性または粘液膿性の分泌液流涙流涙流涙
充血眼球と眼瞼の表層結膜充血角膜周囲角膜周囲および上強膜眼球充血の大きな斑(20-100%)
角膜正常角膜後面に透明な沈殿物がみられることがある混濁正常
前房正常の深さ正常の深さ非常に浅い正常の深さ
虹彩正常鈍で腫脹充血し,膨隆正常
瞳孔正常小さく,不規則中度散瞳,無反応正常
瞳孔の対光反応正常極めて弱い極めて弱い正常

急性結膜炎の鑑別点

病因分泌物;細胞型眼瞼腫脹リンパ節腫脹かゆみ
細菌膿性;多形核白血球中程度なしなし
ウイルス透明;単核球軽度通常ありなし
アレルギー透明,粘液様で糸を引く;好酸球中等度から重度なし強い

急性結膜炎

衛生状態のよい住民に起こる,ウイルスや細菌,アレルギーによる結膜の急性炎症。
 複数の原因または未知の病因による場合がある。風邪や発疹熱に結膜炎を併発することもある。風,塵,煙,その他の空気汚染や,また電気アーク,太陽灯,雪の反射光などの激しい紫外線照射などの刺激によっても結膜炎が起こる。角膜や結膜の異物残存や,角膜上皮剥離または潰瘍は,眼をフルオレセイン染色し,適切なコバルトブルー照明と拡大鏡下で観察することにより除外診断できる
 急性結膜炎の主な症状と徴候を表に示す。

ウイルス性結膜炎

ウイルスにより引き起こされる急性の結膜の炎症。
 アデノウイルスは流行性角結膜炎(通常は血清型Ad8,19,37,5による)および咽頭結膜熱(通常は血清型Ad3,4,7による)の原因となる。まれな結膜炎である急性出血性結膜炎は,エンテロウイルス70型の感染で,アフリカやアジアで発生している。

封入体結膜炎

(成人の封入体結膜炎,新生児封入体結膜炎,封入体膿漏眼;プール結膜炎)
新生児では新生児封入体結膜炎,成人では成人封入体結膜炎として知られる急性結膜炎で,クラミジア-トラコマチス(血清型D〜K)によって起こる。
 クラミジア-トラコマチス(後述「トラコーマ」参照)は,子宮頸部に無症状で長期間存在しうる。新生児封入体結膜炎は,感染した産道を通過することにより出産時に新生児眼炎の形で起こり,暴露された新生児の20〜40%に発症する。成人の急性封入体結膜炎のほとんどは,感染した生殖腺分泌液との接触が原因である。患者は通常,発症前2カ月の間に新しいパートナーと性行為を行っている。

トラコーマ

(肉芽性結膜炎;エジプト眼炎)
クラミジア-トラコマチスによって起こる慢性の結膜炎で,結膜濾胞の過形成や角膜血管新生,結膜,角膜,眼瞼の瘢痕形成を伴い,進行性の増悪と軽快を特徴とする。

非淋菌性細菌性結膜炎

非淋菌性細菌感染による急性の結膜の炎症。
 黄色ブドウ球菌,肺炎球菌,インフルエンザ菌は,非淋菌性細菌性結膜炎の一般的原因菌である。

成人淋菌性結膜炎

成人にまれにみられる重症の化膿性結膜炎で,淋菌との接触または,淋菌感染中の性器からの自家接種により起こる。

●疫学

トラコーマ

この疾患は現在も,北アフリカや中東,インド亜大陸,東南アジアなどの貧困地域に,風土病として存在する。アメリカインディアンや米国南東部の山間部住民の間に,散発的に発生する。発症早期に最も伝染しやすく,眼から眼,あるいは手から眼への接触感染や,眼にたかるハエによって,あるいは汚染物(タオル,ハンカチ,眼の化粧品など)の共有によって感染する。原因となる病原生物はクラミジア-トラコマチス(血清型A,B,Ba,C)であり,性病性リンパ肉芽腫やオウム病と関連がある

●症状

結膜の血管は拡張(充血)や,出血(結膜下出血と呼ばれる結膜下の溢血)を起こすことがある。結膜充血の程度や部位が,病因の確定に有用なことがある。眼球結膜と瞼板結膜双方のびまん性充血は,結膜炎に典型的である。眼球ないし瞼板結膜の著明な充血を伴わない,輪部から1〜3mm放射状に出た直行性の細い深在血管の拡張による角膜周囲の結膜充血は,虹彩炎や急性緑内障で認められる。瞼板結膜の充血を伴わない,眼球結膜の20〜100%を侵す深部充血の大きな斑点は,上強膜炎と強膜炎に典型的である。

 急性結膜炎,急性虹彩炎,急性緑内障,上強膜炎,強膜炎などの「充血した眼」疾患を鑑別する特徴を表に示す。

 眼球結膜の浮腫により,結膜は半透明で青みがかり,肥厚する。しばしば瞼裂から結膜の突出を起こす結膜の膨隆を伴う強い浮腫は,結膜浮腫として知られる。瞼板結膜の浮腫により,結膜はビロード状外観となり,細かい微小な突出(乳頭)を生じる。

 結膜はリンパ濾胞を有し,下方瞼板結膜に最もよくみられる。こうした濾胞の過形成は,蒼白な中心部を伴う小隆起様の外観を呈する。

急性結膜炎

ウイルス性結膜炎

5〜12日間の潜伏期間後,結膜充血,水性分泌物,眼刺激症状,起床時に眼瞼が貼りつき開かない,などの症状が現れる。症状はしばしば両眼にみられるが,通常は片眼から始まる。多くの患者は,結膜炎があるか,および/または上部呼吸器感染の患者との接触歴がある。
 眼球結膜および瞼板結膜が充血する。眼瞼結膜に結膜濾胞が現れる。耳介前リンパ節がしばしば腫張し,痛む。
 重症のウイルス性結膜炎では,患者が著明な羞明や異物感を訴えることがある。これらの患者は結膜表面にフィブリンの偽膜や炎症細胞,および/または局所角膜の炎症を認める場合がある。結膜炎の消退後も,その後2年以上,角膜瘢痕化(0.5〜1.0mm)の遺残がスリットランプで観察されることがある。この角膜瘢痕は,ときに視力低下と著明な眩輝をもたらす。

封入体結膜炎

新生児封入体結膜炎は通常,生後5〜14日目に強度の乳頭増殖を伴う両眼性の結膜炎として発症し,眼瞼腫脹や結膜浮腫,粘液膿性の分泌物を伴う。
 成人封入体結膜炎の潜伏期間は2〜19日間である。通常は片眼性の粘液膿性分泌物と,著しい濾胞性結膜炎が特徴的である。ときに上方角膜混濁と血管新生が起こる。感染した眼の側の耳介前リンパ節が腫脹する。

トラコーマ

約7日間の潜伏期間を経て通常は両眼に,結膜充血や眼瞼浮腫,羞明,流涙が徐々に発現する。7〜10日後に上眼瞼結膜に小さな濾胞が現れ,3〜4週間かけて次第に大きさと数を増す。炎症性の乳頭が上眼瞼結膜に現れ,この段階で角膜の血管新生が始まり,輪部から血管のループが角膜の上半分に侵入してくる。濾胞肥大と乳頭過形成および角膜血管新生は,治療への反応次第で数カ月から1年以上にわたって続く。最終的に角膜全体が侵され,視力が低下することもある。まれに,治療なしでも角膜血管新生が完全に退化し,角膜の透明性が回復することがある。
 適切な治療が行われないと,次いで瘢痕化の段階に至る。濾胞と乳頭が徐々に収縮して瘢痕に置き替わり,これによりしばしば眼瞼内反と涙道閉塞が起こる。眼瞼内反はさらなる角膜瘢痕化と血管新生をもたらす。二次性の細菌感染も一般的で,瘢痕化と慢性化を促進する。角膜上皮は光沢を失い肥厚し,涙液分泌が減少する。小さな角膜潰瘍が角膜周辺浸潤部に現れ,血管新生をさらに刺激することがある。治癒の過程で,結膜は平滑化し灰白色となるが,角膜の混濁残存と視力低下の程度は様々である。

非淋菌性細菌性結膜炎

患者は結膜の充血や膿性分泌物,眼の刺激感,起床時に眼瞼が貼りつくといった症状を訴える。症状は片眼性の場合が多い。
 眼球および瞼板結膜が強く充血し,浮腫状になる。結膜下の点状出血,結膜浮腫,耳介前リンパ節の腫脹がしばしば現れる。

成人淋菌性結膜炎

●原因

急性結膜炎

ウイルス性結膜炎

封入体結膜炎

トラコーマ

非淋菌性細菌性結膜炎

成人淋菌性結膜炎



●診断

急性結膜炎

ウイルス性結膜炎

ウイルス性結膜炎においても培養は可能であるが,ウイルスを増殖させるには特別な組織培養設備が必要である。二次的細菌感染は非常にまれである;現れた特徴のいずれかが細菌性結膜炎と一致する場合,例えば化膿性分泌物などがあれば,眼の細菌培養を行うべきである。塗抹標本を,細菌識別のためのグラム染色と,白血球反応を見るためのギムザ染色を施し,顕微鏡で診察する。

封入体結膜炎

 クラミジア-トラコマチスは培養により分離可能である。ギムザ染色した結膜擦過物中に,結膜上皮細胞の好塩基性細胞質封入体を認める。蛍光染色法でも結膜擦過物中のクラミジア-トラコマチスを検出できる。

トラコーマ

クラミジア-トラコマチスは,培養で分離可能である。初期には,結膜上皮細胞のギムザ染色した結膜擦過物中に存在するわずかな好塩基性細胞質封入体により,トラコーマと急性結膜炎を区別できる。成人封入体結膜炎においても封入体を認めるが(前述参照),以後の臨床像によりトラコーマと区別できる。眼瞼型春季カタルは,濾胞肥大期にはトラコーマに似るが,好酸球と乳白色の平坦な表面の乳頭がみられる一方,眼瞼擦過物に好塩基性封入体は存在しない

非淋菌性細菌性結膜炎

分泌物は,膿性であれば特に,培養すべきである。塗抹標本は,細菌を識別するためのグラム染色と,白血球反応をみるためのギムザ染色を施し,顕微鏡で観察する。

成人淋菌性結膜炎

通常は片眼性である。症状は新生児淋菌性結膜炎と類似するが(重篤な眼瞼浮腫に続く結膜浮腫と大量の膿性浸出物),より重症で,感染後12〜48時間で発症する;まれな合併症として,角膜潰瘍や膿瘍,穿孔,全眼球炎および失明がある。

●検査



●治療

急性結膜炎

ウイルス性結膜炎

ウイルス性結膜炎は感染性が高く,飛沫や感染物,手から眼への接触により広まる。感染伝播を避けるため,医師は患者の診察後には手をよく洗い,器具を滅菌する。患者には,眼や鼻の分泌物に触れた後は手をよく洗い,感染した眼への接触後は感染していない眼に触れない,タオルや枕を他人と共有しないなどの指導を行う。眼の分泌物を除去し,眼帯はしない。ウイルス性結膜炎は自己限定性であり,軽症なら1週間,重症でも3週間以内で終わる。結膜炎の原因が確実にウイルスであれば治療の必要はなく,治療法もない。細菌性結膜炎と一致する何らかの臨床的特徴があれば,患者への治療として局所抗生物質(例,10%スルファセタミドナトリウムまたはトリメトプリム/ポリミキシンBの1日4回点眼を7〜10日間続ける。偽膜や,視力を損なう角膜炎症,瘢痕を伴う重篤な結膜炎では,局所コルチコステロイドが必要な場合がある。しかし局所コルチコステロイドは,眼の単純ヘルペス感染を増悪させ,潰瘍や穿孔を引き起こす恐れがある。コルチコステロイドの長期使用により緑内障や,ときに白内障に至ることがある。したがって,その使用開始ならびに経過観察は眼科医が行うべきである。

封入体結膜炎

新生児封入体結膜炎の新生児の少なくとも50%以上が鼻咽頭感染を伴い,10%はクラミジア肺炎を起こすため,治療は全身的に行い,エリスロマイシン12.5mg/kgを1日4回,経口または静注による投与を14日間続ける。母親とその性交渉のパートナーも治療を要する。
 成人封入体結膜炎では,アジスロマイシン1gの1日1回経口投与,ドキシサイクリン100mgの1日2回経口投与を1週間,またはエリスロマイシン500mgの1日4回経口投与を1週間続け,結膜炎および併発している性器感染の治療を行う。性交渉のパートナーも治療を要する

トラコーマ

個人または散発的症例には,ドキシサイクリン100mgを1日2回4週間(8歳未満の小児,授乳中または妊娠中の女性にはエリスロマイシン)を投与してもよい。風土病として蔓延している地域では,テトラサイクリンかエリスロマイシンの眼軟膏を1日2回各月5日間連続的に6カ月にわたって使用すべきである。眼瞼変形,例えば眼瞼内反は,手術的治療を要する。風土病となっている地域では再暴露による再感染が珍しくない。

非淋菌性細菌性結膜炎

細菌性結膜炎の原因となる細菌には感染性があり,手から眼への移行や媒介物との接触で広まる。感染伝播を防ぐため,医師は患者の診察後には手をよく洗い,器具を滅菌する。患者には,眼や鼻の分泌物に触れた後は手をよく洗い,感染した眼への接触後に感染していない眼に触れない,またタオルや枕を他人と共有しないといった指導を行う。眼の分泌物を除去し,眼帯はしない。細菌性結膜炎はしばしば自己限定性で,治療なしでも3週間以内,治療すれば1〜2日で治まる。細菌感染が疑われる場合は,10%スルファセタミドナトリウムかトリメトプリム/ポリミキシンBの1日4回点眼を7〜10日間続ける。2,3日続けても臨床反応によい変化を認めない場合は,耐性菌かウイルスの感染であるか,アレルギーが原因とみられる。培養結果と感受性試験の結果が得られたら,必要に応じて抗生物質治療を変更する。

成人淋菌性結膜炎

治療には,セフトリアキソン1gの筋注を1回,またはシプロフロキサシン500mgを1日2回経口で5日間投与する。全身治療に加え,バシトラシン500U/gまたは0.3%ゲンタマイシン眼軟膏を,感染した眼に2時間毎に点眼してもよい。性行為のパートナーも治療する必要がある。淋疾の患者にはしばしばクラミジア性器感染もあるので,妊婦を除く全ての患者にアジスロマイシン1gを経口で1日1回,またはドキシサイクリン100mgを経口で1日2回,7日間投与すべきである

●薬物治療



●予後



●参考資料

メルクマニュアル第17版日本語版
 - 95章 急性結膜炎
 - 96章 角膜疾患




■角膜炎 /keratitis
●概要



●分類

点状表層角膜炎/SPK superficial punctate keratitis

片眼または両眼の角膜表面に散在する,細かい点状の上皮喪失または損傷。

角膜潰瘍/Corneal ulcer

膜組織の局在性壊死で,細菌,真菌,ウイルス,アカントアメーバ属の感染によって起こる。

単純ヘルペス性角膜炎/herpes simplex keratitis

角膜への単純ヘルペスウイルスの感染で,種々の症状を伴い,通常は角膜の再発性炎症や血管新生,瘢痕化,視力低下を引き起こす。

帯状ヘルペス眼症(眼帯状ヘルペス,帯状ヘルペスウイルス眼症,水痘帯状疱疹ウイルス眼症)/herpes zoster ophthalmicus

眼帯状ヘルペス,帯状ヘルペスウイルス眼症,水痘帯状疱疹ウイルス眼症)
眼を侵す水痘帯状疱疹ウイルス感染。

乾性角結膜炎/ Dry keratoconjunctivitis

両眼性にみられる慢性の結膜と角膜の乾燥で,涙液の量が不適切である(水性涙液欠乏性乾性角結膜炎)か,涙液の質が悪いため蒸発過剰により涙液の損失過多となる(蒸発性乾性角結膜炎)ことによる。

フリクテン性角結膜炎/phlyctenular keratitis

通常は小児に発症する角結膜炎で,角膜や結膜上の限局性小結節性の炎症(フリクテン)を特徴とし,未知の抗原に対する過敏反応によって起こる。

角膜実質炎/stromal keratitis

慢性非潰瘍性の角膜深層の浸潤で,しばしばぶどう膜炎を合併する。

●疫学

帯状ヘルペス眼症(眼帯状ヘルペス,帯状ヘルペスウイルス眼症,水痘帯状疱疹ウイルス眼症)/herpes zoster ophthalmicus

水痘帯状疱疹ウイルスにより額に皮膚炎を生じると,症例の1/2〜3/4で眼球が侵される。鼻の頭に病変が現れることで示されるように,鼻毛様体神経への感染が起こった場合には,患者の3/4で眼球に病変が及ぶ。鼻の頭に病変がなければ,眼球が侵される患者は1/3である。

●症状

点状表層角膜炎/SPK superficial punctate keratitis

羞明や異物感,流涙,結膜充血,視力低下などの症状が現れる。ウイルス性結膜炎では,耳介前リンパ節が腫脹することがある。紫外線による角膜炎は暴露から数時間後までは現れず,24〜48時間持続する。原因はなんであれ,永久的な視力障害はまれである。

角膜潰瘍/Corneal ulcer

 疼痛,異物感,羞明,流涙があるが,初期は軽微なこともある。角膜潰瘍は,鈍く灰色を帯びた限局性の表層混濁に始まり,続いて壊死と化膿を起こし,陥凹した潰瘍を形成する。その上を覆う角膜上皮の障害がみられ,フルオレセインで緑染する。通常は著しい角膜周囲の充血が起こり,長期にわたる症例では,角膜輪部からの血管侵入を認める場合がある(角膜血管新生)。潰瘍は角膜上に広がるか,深部へ穿通する;膿が前房に現れることがある(前房蓄膿)。
 単純ヘルペス角膜炎の場合,広範な浸潤を伴わない潰瘍を生じることがある(後述参照)。真菌性角膜潰瘍は細菌性よりも慢性的で,濃厚な浸潤を起こし,末端の所々に島状の浸潤(衛星病巣)がみられる。アカントアメーバ属による角膜潰瘍は激しい痛みがあり,一過性の角膜上皮欠損や角膜実質への多数の浸潤と,後に大きな輪状の浸潤を生じることがある。

単純ヘルペス性角膜炎/herpes simplex keratitis

初(一次)感染時は通常,自然に治癒する目立たない自己限定性結膜炎を発症し,一般に小水胞性眼瞼炎を伴う。再発(二次感染)時は通常,表層角膜炎(樹枝状角膜炎とも呼ばれる)の形をとるが,これは特徴的な分枝を示す角膜上皮の病変で,こぶ状の末端をもち,葉脈に似る。異物感や流涙,羞明,結膜充血が初期症状である。再発の反復に伴い,角膜の知覚減退や知覚麻痺,潰瘍,永続性瘢痕などが起こりうる。一方,角膜実質を侵す円板状角膜炎は,より深部に円板状に生じる限局性の角膜浮腫と混濁で,虹彩炎を伴う;しばしば表層角膜炎に続いて起こる。円板状角膜炎はおそらくウイルスへの免疫応答を示したものである。治癒しないか,治癒に非常に時間のかかる角膜上皮の障害で,単純ヘルペスウイルスの複製が原因でないものは,無痛性潰瘍と呼ばれる。

帯状ヘルペス眼症(眼帯状ヘルペス,帯状ヘルペスウイルス眼症,水痘帯状疱疹ウイルス眼症)/herpes zoster ophthalmicus

著しい眼瞼浮腫;結膜,上強膜,角膜周囲の充血;角膜浮腫;上皮と実質性角膜炎;ぶどう膜炎;緑内障;痛みなど,全症状が急性期にみられる。ぶどう膜炎を伴う角膜炎は重症の場合が多く,続いて瘢痕化が起こる。視力を脅かすが治療可能な晩期続発症としては,緑内障や白内障,慢性または再発性のぶどう膜炎,角膜の瘢痕化,血管新生,知覚減退などがある。

乾性角結膜炎/ Dry keratoconjunctivitis

患者はかゆみや灼熱,羞明,ゴロゴロする感じや引っ張られる感じ,眼の奥の圧迫感,異物感を訴える。強い刺激感の後,涙があふれるように出たと述べる患者もある。読書やコンピュータ作業,運転,テレビを見るなど,眼を長時間使った時に症状が増悪する。特定の環境下で症状が増悪することがある。例えば,ほこりっぽい場所や煙った場所,飛行機やショッピングセンター,低湿度の日,エアコン(特に車内)や扇風機,ヒーターが使われている場所などである。イソトレチノインやトランキライザー,利尿薬,降圧薬,経口避妊薬,全ての抗コリン薬(抗ヒスタミン薬,胃腸薬など)などの,ある種の全身薬が症状を増悪させることがある。涼しい日や雨,霧,シャワー中など高湿度の環境では,症状が改善する。乾性角結膜炎による視力の低下はめったに起きないが,患者はときに眼の刺激感がひどいため眼を使えないと訴える。

フリクテン性角結膜炎/phlyctenular keratitis

フリクテンは多数の黄灰色の小結節として,輪部や角膜,眼球結膜上に現れ,数日から1〜2週間続く。結膜上では潰瘍を形成するが,瘢痕を残さずに治癒する。角膜が侵されると,激しい流涙や羞明,痛み,異物感が著明なことがある。頻繁な再発,特に2次感染を伴うものにより,角膜混濁や血管新生,視力低下が起こることがある。

角膜実質炎/stromal keratitis

角膜実質炎は米国ではまれである。大部分の症例は,先天性梅毒の晩期合併症として小児に発症する。最終的に両眼が侵されることがある。似ているが,それほど劇症でない両眼性角膜炎が,コーガン症候群,ライム病,EBウイルス感染で認められる。まれに,後天性梅毒や結核により,成人で片眼に発症する。
羞明や痛み,流涙,視力のゆるやかな低下が通常みられる。病変は角膜深層に始まり;まもなく角膜全体がすりガラス状になり,虹彩が見にくくなる。新しい血管が角膜輪部から侵入し,橙赤色の領域(サーモンピンク斑)が現れる。虹彩炎,虹彩毛様体炎,脈絡膜炎がよくみられる。炎症と血管新生は1〜2カ月で消退し始める。角膜に多少の混濁が残ることがある一方,角膜が完全にきれいになった場合でも,視力が悪いこともある。治療にあたり,眼科医を紹介することが必要である。

●原因

点状表層角膜炎/SPK superficial punctate keratitis

点状表層角膜炎は非特異的所見である。しばしばその原因となる要因として,ウイルス性結膜炎;眼瞼炎;乾性角膜炎;トラコーマ;紫外線暴露(例,溶接アーク,太陽灯);コンタクトレンズの過剰装用;全身投与薬物(例,アデニンアラビノシド);局所使用薬物や防腐剤の毒性などがある。

角膜潰瘍/Corneal ulcer

細菌性角膜潰瘍はブドウ球菌,シュードモナス,肺炎球菌によって最もよく引き起こされる。細菌の侵入と感染は,コンタクトレンズを装着したままの就寝や,コンタクトレンズの滅菌不足,角膜外傷,角膜異物などの後にしばしば起こる。角膜潰瘍は,単純ヘルペス角膜炎や,神経障害性角膜炎,慢性眼瞼炎,結膜炎(特に細菌性,例,淋菌),トラコーマ,水疱性角膜症,瘢痕性類天疱瘡の合併症としても起こる。ビタミンA欠乏や蛋白摂取不足による角膜の二次的栄養障害も,角膜潰瘍の原因となる。角膜潰瘍はまた,眼瞼内反や睫毛乱生,眼瞼閉鎖が不完全なための角膜暴露(例,兎眼,ベル麻痺,外傷後の眼瞼露出,眼球突出)など,眼瞼の異常によっても引き起こされる。

単純ヘルペス性角膜炎/herpes simplex keratitis

帯状ヘルペス眼症(眼帯状ヘルペス,帯状ヘルペスウイルス眼症,水痘帯状疱疹ウイルス眼症)/herpes zoster ophthalmicus

乾性角結膜炎/ Dry keratoconjunctivitis

フリクテン性角結膜炎/phlyctenular keratitis

脂漏性眼瞼炎を伴うブドウ球菌の増加による細菌蛋白と,全身性結核の関与が疑われている。この疾患は米国ではまれである。

角膜実質炎/stromal keratitis



●診断

点状表層角膜炎/SPK superficial punctate keratitis

角膜潰瘍/Corneal ulcer

単純ヘルペス性角膜炎/herpes simplex keratitis

帯状ヘルペス眼症(眼帯状ヘルペス,帯状ヘルペスウイルス眼症,水痘帯状疱疹ウイルス眼症)/herpes zoster ophthalmicus

乾性角結膜炎/ Dry keratoconjunctivitis

乾性角結膜炎の両型で,結膜は充血し,しばしばびまん性の細かい点状の角膜上皮欠損(点状表層角膜炎)および/または,結膜上皮欠損がみられる。侵される部位は,主に眼瞼と眼瞼の間で(眼瞼間または暴露ゾーン),この部位がフルオレセインに染色される。患者はしばしば,まばたきが多く,急速に行う;しかし,乾燥の原因がまばたきの少なさにある例もまれにみられる。
 涙液欠乏性乾性角結膜炎では,結膜は乾燥して多数のしわが寄り,光沢を失ってみえる。この型の角結膜炎は,他の合併症なしに特発性に発症することが最も多く,閉経後の女性に比較的よくみられる。それよりは低頻度だが,涙道の瘢痕化を引き起こす他の状態,例えば瘢痕性類天疱瘡や,スティーヴンズ-ジョンソン症候群あるいはトラコーマの二次的症状として発症したり;涙腺の損傷または機能不全の結果として,例えば移植片対宿主病,局所放射線治療後,家族性自律神経異常症が起こることがある。
 シルマー試験は,規格に合った濾紙片を,局所麻酔なしで下眼瞼の中央と耳側1/3位置の中間に置くことにより実施される。濾紙の涙液で濡れた長さが,2回連続して5分間に5mm以下の場合,涙液欠乏性ドライアイと診断する。まれに,重篤かつ進行した慢性の乾燥により,眼球表面の角質化や角膜上皮欠損に至り,瘢痕化,血管新生,感染,潰瘍形成や,場合によっては穿孔をもたらす。これらの重症例では通常,深刻な視力障害が起こる。
 蒸発性乾性角結膜炎では,多量の涙液とともに眼瞼縁に泡沫が現れる。眼瞼炎や酒さ性ざ瘡の合併がよくみられる。この型のドライアイで,角膜上皮欠損や視力低下を起こすほどの乾燥を来す例はごくまれである。シルマー試験の結果は通常は正常である。高濃度のフルオレセインを少量点眼すると,涙液層が観測され,角膜全体を覆った涙液の膜が異常な速さで失われていく様子が明らかになる(涙液層破壊時間)。
 シェーグレン症候群(50章参照)の患者には,水性涙液欠乏性乾性角結膜炎や口渇がみられる。この症状は眼単独の現象として(一次性シェーグレン症候群),あるいは慢性関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど全身性の結合組織疾患と関連して起きることがある(二次性シェーグレン症候群)。血清学的検査と口唇唾液腺生検により診断を確定する。一次性,二次性シェーグレン症候群の患者は,非ホジキンリンパ腫の発症率が正常の40倍と高く,医師による注意深いフォローアップが必要である。

フリクテン性角結膜炎/phlyctenular keratitis

角膜実質炎/stromal keratitis



●検査

「感染性角膜炎診療ガイドライン」に詳しい。

# 塗抹検鏡 …… 780
1.検体採取 …… 780
2.染色の種類と方法 …… 782
 a)ギムザ染色 …… 782
 b)グラム染色 …… 783
 c)パーカーインクKOH法 …… 783
 d)ファンギフローラY?染色 …… 783
 e)蛍光抗体法(HSV、VZV) …… 784
# 臨床検査 …… 785
1.細菌培養・感受性検査 …… 785
2.真菌培養・感受性検査 …… 785
3.アカントアメーバ培養 …… 785
4.ヘルペスウイルス培養 …… 785
5.PCR(polymerase chain reaction)法 …… 785
6.血清抗体価 …… 785


●治療

点状表層角膜炎/SPK superficial punctate keratitis

アデノウイルスによるウイルス性結膜炎(最もよくあるウイルス性結膜炎)による点状表層角膜炎は,約3週間で自然治癒する。眼瞼炎,トラコーマ,乾性角膜炎(後述参照)は特別の治療を必要とする。紫外線暴露による場合は,短時間作用性の毛様体筋麻痺薬と抗生物質軟膏を処方し,24時間眼帯をする。コンタクトレンズの過剰装用で起きた場合は,抗生物質軟膏(例,0.3%トブラマイシン1日3回)を処方するが,眼帯は重篤な感染発症の危険性が高いので行わない。これらの患者は翌日診察すべきである。点状表層角膜炎が局所薬物や防腐剤により起こった場合には,その薬物投与を中止しなければならない。

角膜潰瘍/Corneal ulcer

潰瘍が深いほど,強い症状と合併症が起こる。角膜潰瘍は瘢痕組織を残して治癒し,これは角膜混濁と視力低下をもたらす。治療の有無にかかわらず,虹彩炎や虹彩毛様体炎,虹彩脱出を伴う角膜穿孔,前房蓄膿,全眼球炎,眼球構造の破壊が起こることがある。真菌による潰瘍は,緩慢な進行だが重症となる;緑膿菌による潰瘍は特に悪性であり,単純ヘルペス角膜炎に関連したものは特に治療に抵抗する。角膜潰瘍は緊急治療を要し,必ず眼科医が治療にあたるべきである。

単純ヘルペス性角膜炎/herpes simplex keratitis

局所治療(例,1%トリフルリジン点眼9回/日,または3%ビダラビン軟膏5回/日)が通常は有効である。ときに経口アシクロビル400mg5回/日が処方される。樹枝状病変を囲む角膜上皮が遊離して浮腫を来している場合は,薬物投与の前に,綿棒でそっとぬぐって病巣の郭清をすると,治癒が早まる。表層角膜炎ではコルチコステロイドの局所投与は禁忌であるが,後に実質(円板状角膜炎)や,ぶどう膜に炎症が及んだ場合には,抗ウイルス薬との併用が有効なことがある。1%アトロピンの1日3回点眼は,ぶどう膜炎を併発した症例に効果的である。1週間たっても治癒しない症例や,実質またはぶどう膜に病変が及んだ場合には,眼科医の紹介が必要となる。

帯状ヘルペス眼症(眼帯状ヘルペス,帯状ヘルペスウイルス眼症,水痘帯状疱疹ウイルス眼症)/herpes zoster ophthalmicus

バラシクロビル1g1日3回か,アシクロビル800mg1日5回か,ファムシクロビル500mg1日3回を7日間経口投与する早期治療により,眼合併症が減少する。単純ヘルペスウイルス感染と異なり,帯状ヘルペス眼症による角膜炎やぶどう膜炎では,局所抗ウイルス薬を併用せずにコルチコステロイドを投与してよい。局所治療(0.1%デキサメタゾンを初期は2時間毎に点眼)が通常は望ましい。1%アトロピンまたは0.25%スコポラミン1滴を1日3回点眼し,散瞳させておく。眼圧をモニタリングする必要がある。
 60歳以上の患者で全身の健康状態が良好な場合は,短期間の高用量経口コルチコステロイド(例,プレドニゾン60mg/日を7日間,続いて45mg/日を7日間,さらに30mg/日を7日間)の投与により,重篤な帯状疱疹後神経痛を予防できる。

乾性角結膜炎/ Dry keratoconjunctivitis

乾性角結膜炎の両型とも,人工涙液の頻繁な使用が有効である。より粘性の高い人工涙液の方が眼球表面を長時間覆うため,蒸発性乾性角結膜炎にはことに有用である。就寝前に使用する人工涙液軟膏は,夜間の兎眼および/または,朝起床時に刺激感を訴える患者に特に有用である。大部分の症例は,以上のような補填薬により生涯適切な治療が可能である。乾燥や風の当たる環境を避け,加湿器を使うことがしばしば助けになる。治療抵抗性の症例では,涙点閉鎖が適応となる場合もある。重症例では部分瞼板縫合を行い,蒸発による涙液の喪失を防ぐこともできる。
 蒸発性乾性角結膜炎の患者はしばしば,随伴する眼瞼炎の治療により軽快することがあり,治療としては温湿布や眼瞼縁のこすり洗い,経口テトラサイクリンなどがある。

フリクテン性角結膜炎/phlyctenular keratitis

局所へのコルチコステロイドと抗生物質の併用治療が有用である。1次感染の脂漏性眼瞼炎を治療すると再発率が低減する。

角膜実質炎/stromal keratitis



●薬物治療



●予後



●参考資料

メルクマニュアル第17版日本語版
 - 95章 急性結膜炎
 - 96章 角膜疾患











●データ









●臨床ガイドラインなど









●ニュース・トピックス









●リンク&リソース









●主要サイト






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■2009 -------------------------------
1327-28★25/25-26★09.12.14/28★101★ベシフロキサシン点眼液(Besivance)/2pMLリソース:眼感染症MLリソース:キノロン系抗菌剤
■2008 -------------------------------
1279★24/03★08.02.11★011★アジスロマイシンの眼科用剤(AzaSite ー Inspire)/2pMLリソース:抗生物質[個別製品]MLリソース:抗菌剤・抗生物質MLリソース:眼感染症
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作成:2008.5.1 最終更新:2010.4.26 小菅博之
The Medical Letter日本語版
●追加メモ to 1279,1327-28

On Drugs and Therapeutics

このページは[The Medical Letter日本語版]の補足データとして添付しています。 [The Medical Letter]は新薬の厳正な評価誌であり、ここに収録される製品は新しくFDA承認された新薬に対する評価を中心としています。
 企画意図の第一は、収録製品についての米国内・世界での背景情報です。 例えば、各製品の承認関連データ、競合品との、あるいは市場での位置づけ、疫学データなど。 第二は、日本での該当製品や市場の情報。 市場の主要製品売上、開発中の治験薬等。 調査項目としては、■製品■解説■データ■臨床ガイドラインなど■総説記事・文献■ニュース・トピックス■リンク■主要サイト