MLリソース:鉄キレート剤



鉄キレート剤,Iron chelator,ヘモクロマトーシス,Hemochromatosis,鉄過剰症






■個別製品

[1233]●Deferasirox (Exjade [Novartis])デフェラシロックス(エクスジェード)

 日本語版註)Deferasirox (Exjade [Novartis])デフェラシロックス(エクスジェード)
 【別名】ICL670, ICL670-NXA、ICL670-NXB、CGP72670 【開発元】Novartis  [DBR_ID]
 【化学名】4-[3,5-Bis (2-hydroxyphenyl)-1H-1,2,4-triazol-1-yl]-benzoic acid ;C21H15N3O4 ; m.w. 373.4.
 【承認】FDA申請=April 29,2005、FDA諮問委承認勧告=Sep 30,2005、FDA承認=Nov 2,2005 ; 【製剤】Tablets for oral suspension contain 125mg, 250mg, or 500mg deferasirox 【適応】(成人と2歳以上の小児の,輸血に起因する慢性鉄過剰症)for the treatment of chronic iron overload due to blood transfusions (transfusional hemosiderosis) in patients 2 years of age and older. 【用法用量】錠剤をコップ一杯の水,オレンジジュース,りんごジュースに懸濁して服用する。投与開始時は1日20mg/kg、血清フェリチン値を見ながら調整
 【作用】1. デフェラシロクスは、3価の鉄イオンに選択的で高い親和性を有する。 2. デフェラシロクスにより体内に蓄積した鉄は胆汁を介して排泄される。 3. デフェラシロクスは、ラット及びマーモセットへの経口投与により、主要な鉄貯蔵臓器である肝臓の鉄濃度を低下させる。 【特徴】鉄に対する高い特異性を持ち、1日1回投与,米国で世界初の承認の経口鉄キレート剤。 従来の鉄キレート剤であるデフェロキサミン(注射製剤)では,輸血の際に投与するだけではあまり効果がなく,輸血後鉄過剰症に対して有効な治療手段がないに等しい状況であった.ところが,経口鉄キレート剤のデフェラシロクス(ICL 670)の開発により,状況が一変することになるものと予想される.過剰となった鉄を取り除くことにより,造血状態が改善する例があることが知られており,また,輸血後の肝障害もその一部は鉄の過剰蓄積に基づくものである可能性がある.今後,経口剤の登場により,鉄キレート療法が積極的に実施されるようになるものと思われる。
 【製品情報】www.us.exjade.com 【添付文書】Exjade Prescribing Information
 【EU】Exjade[Novartis]EU承認2006.8.28;スイス、オーストラリアおよびEUにおいてオーファンドラッグに指定、スイス、カナダ、オーストラリアおよびニュージーランドでも優先審査が認可。
 【日本】「エックスジェード®懸濁用錠125mg、500mg」(一般名:デフェラシロクス)[ノバルティスファーマ]/Exjade 申請2007.3.27 - 承認2008.4.16 - 発売2008.6.16 【製剤〜日本】1錠中にそれぞれデフェラシロクスとして125mg、500mgを含有する。 【適応〜日本】輸血による慢性鉄過剰症(注射用鉄キレート剤治療が不適当な場合) 【用法用量〜日本】通常、デフェラシロクスとして20mg/kgを1日1回、水100 mL以上で懸濁し、空腹時に経口投与する。 なお、患者の状態により適宜増減するが、1日量は30mg/kgを超えないこと。 【製品情報〜日本】エクジェイド製品サイト 【添付文書〜日本】「エックスジェード®」 - インタビューフォーム 【その他】
【開発の経緯】
赤血球輸血は、再生不良性貧血(AA)、骨髄異形成症候群(MDS)、β サラセミア、鎌状赤血球貧血等の難治性貧血患者にとって、予後及びQuality ofLife(QOL)の改善に不可欠な支持療法である。頻回の継続的な輸血により鉄蓄積が進行すると、細胞内の過剰鉄により、肝障害、心障害、糖尿病、皮膚色素沈着等の種々の合併症を引き起こし、不可逆的な臓器障害を生じ、予後が極めて不良となる。
本邦でも厚生労働省特発性造血障害に関する調査研究班により、輸血依存性のAA、MDS及びその他の難治性貧血患者292例の調査が行われ、75例の死亡例中、鉄過剰の関与が疑われる心不全(24%)、肝不全(6.7%)が全死亡原因の約3割を占め、心不全及び肝不全による死亡例の輸血歴は、他の死因(感染症、白血病等)で死亡した患者と比べて有意に高く、鉄過剰症が予後に悪影響を与える可能性が示されている。
このたび開発されたエクジェイド®懸濁用錠は、ノバルティスファーマ社(スイス)が発見した新規のN-置換ビスヒドロキシフェニルトリアゾール(一般名:デフェラシロクス)を含有する製剤で、1日1回の経口投与により鉄を効率的に除去する鉄キレート剤である。デフェラシロクスは計算科学法を用いて理論的にデザインされた化合物で、3価の鉄1分子に対し鉄原子と3座の錯体を形成するように至適化された幾何学的配置をとり、デフェラシロクス2分子が錯体を形成することで、キレート作用を発揮する。また、銅イオン並びに亜鉛イオンなど2価の金属に比較し、鉄イオンFe(III)などの3価の金属に対する選択性が高いため、効率的に鉄を体外に排泄することが可能である。
本剤は欧州で2002年3月に、米国では2002年11月にオーファンドラッグの指定を受け、米国では輸血による慢性鉄過剰症が重篤な疾患であること、既存薬は剤形上の理由から治療施行が困難な患者が存在すること、既存治療薬の施行困難な患者の生命予後の改善は期待できないことから、2003年2月にFastTrack Product に指定され、2005年11月に承認された。また、欧州では2006年8月に承認されており、現在世界104ヵ国で承認されている(2010年5月現在)。
本邦では、2006年5月厚生労働省に対する患者団体からの検討要望を受け、2006年7月の第9回未承認薬使用問題検討会議では、外国臨床データの活用も考慮した上で、早期の承認申請が行われることが望まれると報告された。その後、2007年3月に海外臨床成績並びに国内臨床試験成績をまとめて承認申請し、2007年9月には疾患の重篤性及び本薬の有用性に基づいて優先審査品目に指定され、2008年4月に「輸血による慢性鉄過剰症(注射用鉄キレート剤治療が不適当な場合)」を適応とした製造販売承認を取得した。





【日本語版コメント1347〜キレート療法の標準外使用】
化学においてキレート (英: chelate) とは、複数の配位座を持つ配位子(多座配位子)による金属イオンへの結合(配位)をいう。このようにしてできている錯体をキレート錯体と呼ぶ。 キレート剤の一EDTA(エデト酸)は医薬用として急性高カルシウム血症、鉛中毒の治療に用いるほか、合成洗剤 - カルシウム、マグネシウムの除去(水の軟水化)、排気ガス - 窒素酸化物の除去等数多くの用途がある。 医薬品では重金属排泄剤として、キレート試薬は金属イオンを分離あるいは定量する目的で用いる。
 →詳細は参考資料●MLリソース:鉄キレート剤に纏めた。
<日本語版コメント要約>
・重金属毒性は疾患の原因であり、キレート剤による解毒は有益との考え方から、キレート療法が自閉症や成人のアルツハイマー病、癌などのさまざま治療に適応外使用されるようになってきた。
・キレート剤には再生不良性貧血や頻脈を伴う血圧上昇、腎不全などの副作用があり、低カルシウム血症による2例の死亡報告からメーカーが新薬承認を取り下げた例もある。
・適応外使用では通常よりも長期間治療が行われることがあり、患者はキレート療法専門施設で高額の治療費を支払ったと報告している。

Chelation therapy involves oral administration, intravenous infusion or intramuscular injection of drugs that increase excretion of heavy metals. The Medical Letter's last article on this subject found no evidence that it was effective for treatment of cardiovascular disease.1 Since then, off-label use of chelation therapy has expanded to include treating children with autism and adults with Alzheimer's disease, cancer and other chronic diseases.2

CHELATING DRUGS ー Penicillamine (Cuprimine) is an oral chelating agent approved by the FDA for use in Wilson's disease and rheumatoid arthritis; it can cause fatal aplastic anemia. Succimer (Chemet) is an oral chelating agent FDA-approved for use in lead poisoning; it can cause gastrointestinal symptoms, transaminase elevations and neutropenia. Dimercaprol (BAL) is a chelating agent formulated in peanut oil that must be injected deep intramuscularly. Used mainly for treatment of arsenic, gold and mercury poisoning, it causes pain on injection, fever in about 30% of children, and an increase in blood pressure accompanied by tachycardia. Edetate calcium disodium (EDTA; Versenate) was approved many years ago to treat lead poisoning and is still used for this purpose. It can cause nephrotoxicity and renal failure.

Edetate disodium (also called EDTA; Endrate) was approved many years ago as an emergency treatment for hypercalcemia. When injected intravenously, it binds to calcium and can cause fatal hypocalcemia. In 2008, after two deaths were reported,6 the FDA issued a public warning and the manufacturers of the drug withdrew their New Drug Applications, which means that it is no longer FDA-approved or legally marketable for any purpose, but some compounding pharmacies still prepare and sell it.

【日本語版コメント1233〜デフェラシロックス(Exjade− Novartis):新規鉄キレート剤】
鉄過剰症は、サラセミアや鎌状赤血球症、骨髄異形成症候群、その他の稀な貧血など、ある種の慢性血液疾患に対する支持治療として輸血を頻繁に行った場合には避けられない疾患であり、時として生命を脅かす可能性があります。鉄過剰症の徴候は、おおよそ20回程度の輸血(総輸血量にして約4L )後に現れる。そのまま放置すると体内に過剰に鉄が蓄積され、その結果、肝臓、心臓および内分泌腺の損傷を引き起こす。輸血に関連した鉄過剰症に対する効果的な治療法として、鉄キレート療法が用いられています。

現在の標準的治療法では、患者が輸血を継続している間、または患者の体内に過剰な鉄分が蓄積されている間、1日につき8〜12時間の鉄キレート持続注入が必要。 deferasirox は、1日1回錠剤をコップ一杯の水等に懸濁して服用する、世界初で唯一の経口鉄キレート剤で特に小児患者において負担の軽減が期待される。





【市場】Novartis
($ milllion)20092008200720062005200420032002200120001999備考
Exjade652(+23)531(+49)357(+150)1432[deferasirox]鉄キレート剤
 米国内247(+16)213(+22)175(+43)
 米国外405(+34)318(+66)182(+721)
Desferal------???99(-7)105(+18)[deferoxamine mesylate]Oncology/hematology
[PMDA]医療用医薬品の添付文書情報 /2010.12.11
製品名組成適応症用法用量備考
デスフェラール注射用500mg
[製造販売/ノバルティスファーマ株式会社]
1バイアル中デフェロキサミンメシル酸塩(日局)500mg 下記疾患における尿中への鉄排泄増加:原発性ヘモクロマトーシス、続発性ヘモクロマトーシス 本剤1バイアル(デフェロキサミンメシル酸塩として500mg)を通常、日本薬局方注射用水5mLに溶解して使用する。通常、慢性鉄過剰症に対しては、1日量デフェロキサミンメシル酸塩として1000mgを1〜2回に分けて筋肉内に注射する。維持量としては、効果発現の程度に応じて、適宜1日量デフェロキサミンメシル酸塩として500mgに減量する。 患者が特に重篤であったり、あるいはショックの状態にあるときには、1回デフェロキサミンメシル酸塩として1000mgを毎時15mg/kgの速度で徐々に点滴静注し、1日量が80mg/kgを超えない範囲とする。
エクジェイド懸濁用錠125mg,500mg
[製造販売/ノバルティスファーマ株式会社]
1錠中デフェラシロクス 125mg,500mg 輸血による慢性鉄過剰症(注射用鉄キレート剤治療が不適当な場合) 通常、デフェラシロクスとして20mg/kgを1日1回、水100mL以上で用時懸濁し、空腹時に経口投与する。 なお、患者の状態により適宜増減するが、1日量は30mg/kgを超えないこと。

メタルカプターゼカプセル200mg
[発売/大正富山医薬品株式会社 製造販売/大正製薬株式会社 提携/ドイツ・ハイル社]
1カプセル中 ペニシラミン 200mg ○ウイルソン病(肝レンズ核変性症)○鉛・水銀・銅の中毒【ウイルソン病】通常、成人にはペニシラミンとして1日1,000mgを食前空腹時に1〜数回に分けて経口投与する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて、一般に1日量600〜1,400mgの範囲で増減し、また、投与法についても、連日投与、間歇投与、漸増投与法など各症例ごとに用法及び用量を決定する。
【鉛・水銀・銅の中毒】通常、成人にはペニシラミンとして1日1,000mgを食前空腹時に数回に分けて経口投与する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて、一般に1日量600〜1,400mgの範囲で増減し、また、投与法についても、連日投与、間歇投与、漸増投与法など各症例ごとに用法及び用量を決定する。通常、小児にはペニシラミンとして1日20〜30mg/kgを食前空腹時に数回に分けて経口投与する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて適宜増減する。ただし、1日量は、成人の標準用量(1日1,000mg)を上限とする。
メタルカプターゼカプセル50mg,100mg
[発売/大正富山医薬品株式会社 製造販売/大正製薬株式会社 提携/ドイツ・ハイル社]
1カプセル中 ペニシラミン 50mg,100mg○関節リウマチ○ウイルソン病(肝レンズ核変性症)○鉛・水銀・銅の中毒【関節リウマチ】本剤は、消炎鎮痛剤などで十分な効果が得られない場合に使用すること。通常、成人にはペニシラミンとして1回100mgを1日1〜3回、食間空腹時に経口投与する。患者の年齢、体重、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、一般的には成人、初期量を1日100mgとし、増量するときは4週間以上の間隔をおいて100mgずつ漸増する。維持量は効果が得られる最低用量に調節する。また、投与を再開するときは、低用量から開始すること。なお、1日300mgでは効果不十分で増量により有効性が期待される場合には、患者の状態を十分に観察しつつ1日600mgまで増量することもできる。ただし、効果が得られた後は減量して有効最少量で維持すること。
【ウイルソン病】通常、成人にはペニシラミンとして1日1,000mgを食前空腹時に1〜数回に分けて経口投与する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて、一般に1日量600〜1,400mgの範囲で増減し、また、投与法についても、連日投与、間歇投与、漸増投与法など各症例ごとに用法及び用量を決定する。
【鉛・水銀・銅の中毒】通常、成人にはペニシラミンとして1日1,000mgを食前空腹時に数回に分けて経口投与する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて、一般に1日量600〜1,400mgの範囲で増減し、また、投与法についても、連日投与、間歇投与、漸増投与法など各症例ごとに用法及び用量を決定する。通常、小児にはペニシラミンとして1日20〜30mg/kgを食前空腹時に数回に分けて経口投与する。なお、患者の年齢、症状、忍容性、本剤に対する反応等に応じて適宜増減する。ただし、1日量は、成人の標準用量(1日1,000mg)を上限とする。
バル筋注100mg「第一三共」
[製造販売元/第一三共株式会社]
1アンプル中ジメルカプロール(日局) 100mg/1mL(10W/V%)ヒ素・水銀・鉛・銅・金・ビスマス・クロム・アンチモンの中毒○ジメルカプロールとして通常成人1回2.5mg/kgを第1日目は6時間間隔で4回筋肉内注射し、第2日目以降6日間は毎日1回2.5mg/kgを筋肉内注射する。
○重症緊急を要する中毒症状の場合は、1回2.5mg/kgを最初の2日間は4時間ごとに1日6回、3日目には1日4回、以降10日間あるいは回復するまで毎日2回筋肉内注射する。
【開発中の新薬】開発中の新薬[<情報提供:日本製薬工業協会>] /2010.12.11 会社別開発中新薬一覧。 検索機能なし。68社から情報提供
治験薬記号(一般名)
および剤型
予定される効能又は効果、
対象疾患名および症状名
開発段階その他
国内海外 (地域)
「エクジェイド(R)懸濁用錠125mg、500mg」Exjade/ICL670/デフェラシロクスDeferasirox 輸血による慢性鉄過剰症発売2008.6.16
承認2008.4.16
申請2007.3.27
EU承認2006.8.30
New Medicines in Development[PhRMA 米製薬協] - Iron overload [2006.4.24]
Registered NameCompanyIndicationCountryStatus
★40SD02
Iron overloadUSAII
★Deferasirox
Exjade®NovartisIron overloadEuropePreregistration
Iron overloadAustraliaPreregistration
Iron overloadCanadaPreregistration
Iron overloadNew ZealandPreregistration
Iron overloadSwitzerlandPreregistration
★Deferiprone
Iron overloadCanadaPreregistration
Iron overloadUSAIII
★Deferitrin
Iron overloadEuropean UnionII
Iron overloadUSAII
【解説資料】メルクマニュアル第17版日本語版 - 第128章 鉄過剰[鉄過剰] - 第127章 貧血〜サラセミア - 第127章 貧血〜鉄利用障害性貧血 - - ●図書 最新医学(2006) 61巻3号「特集【難治性貧血-分子病態と治療戦略-】」 - [販売] 【データ】 ノバルティス ファーマによると、日本では約5,000〜6,000人の患者が鉄過剰症の治療を必要としていると推定されている。 ●「患者調査2008」患者数(千人)
疾病分類名  (単位:千人)1999年度2002年度2005年度2008年度
■内分泌、栄養及び代謝疾患(E00-E90)()()()
 E831  鉄代謝障害
(輸血後鉄過剰症、ヘモクロマトーシス、ヘモクロマトーシス性関節障害、肝ヘモクロマトーシス、続発性ヘモクロマトーシス、アノー・ショパール症候群、肺ヘモシデローシス、ヘモジデリン沈着症)
000
D46  骨髄異形成症候群(6)(8)(9)(9)
 D460  鉄芽球を伴わない不応性貧血と記載されたもの---
 D461  鉄芽球を伴う不応性貧血---
 D462  芽球過剰性不応性貧血0-0
 D463  白血病移行期にある芽球過剰性不応性貧血---
 D464  不応性貧血,詳細不明000
 D467  その他の骨髄異形成症候群---
 D469  骨髄異形成症候群,詳細不明6899
D56  サラセミア<地中海貧血>(-)(0)(0)
 D560  アルファサラセミア<地中海貧血>---
 D561  ベータサラセミア<地中海貧血>---
 D562  デルタ・ベータサラセミア<地中海貧血>---
 D563  サラセミア<地中海貧血>保因者---
 D564  遺伝性高胎児ヘモグロビン<血色素>症[HPFH]---
 D568  その他のサラセミア<地中海貧血>---
 D569  サラセミア<地中海貧血>,詳細不明000
D57  鎌状赤血球障害(-)(-)(-)
 D570  鎌状赤血球貧血,クリーゼを伴うもの---
 D571  鎌状赤血球貧血,クリーゼを伴わないもの---
 D572  重複ヘテロ接合型鎌状化障害---
 D573  鎌状赤血球保因者---
 D578  その他の鎌状赤血球障害---
●無形成性貧血及びその他の貧血(D60−D64)
(再生不良性貧血など)
(48)(48)(40)
D60  後天性赤芽球ろう<癆>[赤芽球減少症](1)(1)(1)
 D600  慢性後天性赤芽球ろう---
 D601  一過性後天性赤芽球ろう0--
 D608  その他の後天性赤芽球ろう---
 D609  後天性赤芽球ろう,詳細不明111
D61  その他の無形成性貧血(8)(9)(9)
 D610  体質性再生不良性貧血000
 D611  薬物誘発性再生不良性貧血-0-
 D612  その他の外的因子による再生不良性貧血0--
 D613  特発性再生不良性貧血-00
 D618  その他の明示された無形成性貧血---
 D619  無形成性貧血,詳細不明899
D62  急性出血後貧血(-)(0)(0)
 D62   急性出血後貧血-00
D63*  他に分類される慢性疾患における貧血(-)(-)-
D64  その他の貧血(47)(38)(30)
 D640  遺伝性鉄芽球性貧血-0-
 D641  続発性鉄芽球性貧血,疾病によるもの---
 D642  続発性鉄芽球性貧血,薬物および毒素によるもの---
 D643  その他の鉄芽球性貧血--0
 D644  先天性赤血球生成障害性貧血0--
 D648  その他の明示された貧血---
 D649  貧血,詳細不明473830
●遺伝性ヘモクロマトーシス [John Hopkins Med Inst Digestive Disease Library] Hemochromatosis アメリカ合衆国では300人に1人が遺伝性ヘモクロマトーシスに罹患し、9人に1人がヘモク ロマトーシス遺伝子のキャリアーであると推定されている。 ※日本人では北欧人のようなヘモクロマトーシス遺伝子異常は発見されていない。 ●その他の原因疾患による鉄過剰症 Novartis Oncology and Specialty Medicines ノバルティス オンコロジーおよび専門薬[pdf,55p;2005.1.20] -by David R. Epstein, President, Novartis Oncology CEO, Novartis Specialty Medicines -p36-42; 鉄過剰症は幅広い患者に影響を及ぼす
骨髄異形成症候群
Myelodysplastic syndrome
重症サラセミア
Thalassemia major
鎌状赤血球
Sickle celldisease
有病数(G7諸国)〜150,000〜10,000〜90,000
鉄過剰症推定患者数2(G7諸国)〜45,000〜10,000>8,000
特発性造血障害に関する調査研究班(小滓班) が2005年に実施した全国調査によって国内の輸血後鉄過剰症の実態が明らかにされた。 全国43医療機関から集められた292例について解析がなされ、原疾患としては再生不良 性貧血[AA]90例(30.8%)、骨髄異形成症候群[MDS]152例(52.1%)が全体の80%を占めていた。 そのほかは慢性赤芽球癆[PRCA]15例(5.1%)、骨髄線維症[MF]13例(4.5%)などである。 輸血依存となった期間は平均32ヵ月で、過去1年以内の輸血総単位数は平均68.2単位であった。 desferrioxamine(DFO)は43.4%の患者で投与され、投与方法は点滴静注が68.8%を占めた。 検査値異常と合併症との関連では、血清フェリチン値が1000ng/mlを超える群で有意に心機能低下 や肝機能低下を認めた。 予後では75例の死亡例があり、死因の内訳は、感染53.3%、心不全24%、白血化22.7%、出血13.3%、肝不全6.7%、その他10.7%であった。 特発性造血障害疾患の全領域にまたがる2005年度輸血後鉄過剰症全国実態調査の結果を踏まえ、我が国 初となる「輸血後鉄過剰症の診療ガイド」を2008年度に策定した。 ガイドでは、@骨髄不全に伴う輸血後鉄過剰症の患者で、1年以上の余命が期待できる患者を治療対象とし、A輸血総量20単位以上、かつ血清フェリチン値500 ng/mL 以上を輸血後鉄過剰症の診断基準とする。また、B輸血総量40 単位以上、血清フェリチン値1000 ng/mL 以上を鉄キレート療法の開始基準として総合的に考慮し、C血清フェリチン値500 - 1000 ng/mL を目標に治療を行う、ことなどを推奨することとした。 【臨床ガイドライン】特発性造血障害に関する調査研究班(小滓班) - 「輸血後鉄過剰症の診療ガイド」(2008) ●国内における鉄過剰症の診断と治療のガイドライン 小澤敬也(自治医科大学内科学講座血液学部門)
従来の鉄キレート剤であるデフェロキサミン(注射製剤)では,輸血の際に投与するだけではあまり効果がなく,輸血後鉄過剰症に対して有効な治療手段がないに等しい状況であった.ところが,経口鉄キレート剤のデフェラシロクス(ICL 670)の開発により,状況が一変することになるものと予想される.過剰となった鉄を取り除くことにより,造血状態が改善する例があることが知られており,また,輸血後の肝障害もその一部は鉄の過剰蓄積に基づくものである可能性がある.今後,経口剤の登場により,鉄キレート療法が積極的に実施されるようになるものと思われる。




【総説記事・文献】
宮崎泰司, 波多智子(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科原研内科)
「輸血後鉄過剰症とその治療」
日本医事新報, (4462) : 51-55, 2009

ヘモクロマトーシス:幻の病気ではないかもしれない[Journal Club from NEJM & Lancet]
多民族集団におけるヘモクロマトーシスと鉄過剰症のスクリーニング
P.C. Adams and others. Hemochromatosis and Iron-Overload Screening of a Racially Diverse Population. N Engl J Med 2005; 352 : 1769 - 78

ヘモクロマトーシスと聞くと,勉強家のあなたでも,名前だけは有名で,欧米の教科書では肝障害の鑑別診断に必ず出てくるが,アジア人には稀で,自分には一生縁のない病気と思っているだろう.しかし,多民族を対象にした今回の疫学調査の結果を知れば,もしかしたら,自分もこれまで出会っていたが見過ごしていただけなのかもしれないと思えてくるだろう.

確かに,ヘモクロマトーシスは白人に多いと一般に信じられており,この論文でも,代表的なヘモクロマトーシス関連遺伝子HFEのC282Y変異のホモ接合体の頻度は,白人では44082人中281人(0.44%)なのに対し,アジア人では,なんと12772人中0という結果が出ている.しかし,鉄過剰そのものの指標となるフェリチンやトランスフェリン飽和度の高値の頻度は,逆に,白人よりもむしろアジア人で圧倒的に高く,フェリチン高値(男性 >500μg/L,女性>400μg/L)かつトランスフェリン飽和度45%以上の鉄過剰の割合は,アジア人で1.87%なのに対し,白人では 0.67%となっている.日本人での鉄過剰がC282Yとは関係ないことに,実は私も気づいて論文にしてある.J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2001;70:551-3
無料ででネット上で読めるので,興味ある方はご覧頂きたい.

では,一体全体アジア人における鉄過剰とは,何が原因なのだろうか?本論文にはこの点に関する考察はない.未知の遺伝子変異があるのかもしれないが,臨床医である私自身にとってはどうでもいいことだ.それよりも,アジア人,そして恐らく日本人にも頻度が高い原因不明の鉄過剰が,どんな病気のリスクになっているかが問題だ.白人では,C282Yのホモ接合体におけるヘモクロマトーシスでは,糖尿病,心不全,関節症とは関連が薄いのに対し,合併症として確実なのは肝障害だと言われている.

ウイルス性肝炎の診断が進んだ現在でも,原因不明のALT, ASTの上昇に悩むことは少なくない.その中にヘモクロマトーシスが紛れ込んでいないだろうか.また,同じ肝炎ウイルスに曝露されても,急性肝炎を経過して回復,慢性化,劇症化して死亡と,しばしば転帰が異なるが,すべてウイルスの曝露量や亜型で説明できるのだろうか?鉄過剰はウイルス性肝炎の予後に影響しないだろうか.

肝機能障害があるだけで血清フェリチンが異常高値になるので,鉄過剰自体の診断が難しいとしても,まずは健常成人での鉄過剰の疫学を日本人で明らかにすることから始める必要があることを,本論文は示している.




【ニュース・トピックス】

【リンク・リソース】

【主要サイト】
American Hemochromatosis Society[AHS:米国ヘモクロマトーシス協会]













●解説


■鉄過剰

(ヘモジデローシス;ヘモクロマトーシス)

 慢性鉄過剰の特徴は,局所性または全身性の組織内鉄沈着の増加である。組織検査では一般にヘモジデローシスと呼ばれている。過剰な鉄沈着が組織損傷を伴うか,または全身鉄5g以上となればヘモクロマトーシスという用語が適用される。ヘモクロマトーシスはHLAと連鎖した遺伝性鉄過剰症で,貯蔵鉄増加を伴う他の遺伝性障害(例,無セルロプラスミン血症,低トランスフェリン血症/無トランスフェリン血症),および非遺伝性鉄過剰症と,病因不明の鉄過剰症を識別しなくてはならない。

 ヘモクロマトーシスの原発型は遺伝性障害で,ホモ接合体を持つものの頻度が1:200,ヘテロ接合体を持つものの頻度が1:8である。ヘモクロマトーシスの遺伝子(HLA-H)は,第6染色体短腕上の単一の点突然変異として最近確認された。その変異では282番目のアミノ酸システインがチロシンに変わっている(nt845→A,845A;Cys 282 Tyr)。臨床的ヘモクロマトーシスの患者の83%が,この変異のホモ接合体であり,その変異はHLA-A様分子をコードしている。主要組織適合性複合体に連鎖するnt 187C→(His 63 Asp)での変異も確認されている;これらの変化はヘモクロマトーシス関連変異と称されてきた。  これらの変異を認識しても,鉄吸収増加の病態生理学的機序を説明することはない。消化管からの鉄吸収増加が鉄過剰の原因であるようだ。鉄排出の生理学的機序は限られているので,鉄が身体に蓄積する。全身鉄量は50gまで上昇することがある。正常値は女性で2.5g,男性で3.5gである。

 ヘモジデローシスおよびヘモクロマトーシスの分類

 局所性ヘモジデローシス 
   A.  肺(特発性) 
 B.  腎 
 C.  肝(晩発性皮膚ポルフィリン症) 
II. 原発性(遺伝性)ヘモクロマトーシス 
III. 続発性ヘモジデローシスまたはヘモクロマトーシス 
 A.  先天性溶血性貧血 
 B.  ヘモグロビン合成障害(サラセミア) 
 C.  非経口的鉄取り込みの増加,繰り返し行う輸血 
 D.  デキストラン鉄の筋肉内投与 
 E.  鉄の吸収増加 
  1. 鉄の経口摂取増加 
    a. アフリカ-バントゥー族(アルコール性飲料) 
    b. エチオピアにおける(テフという穀類による)ヘモジデローシスおよびヘモクロマトーシス 
    c. 鉄剤の経口投与によるヘモジデローシスまたはヘモクロマトーシス 
    d. カシン-ベック病によるヘモジデローシス 

●症状と徴候

 局所性ヘモジデローシスは主に肺と腎臓で生じ,他の明白な疾患過程の結果として起こるものである。頻発する肺出血に起因する肺ヘモジデローシスは特発性として,グッドパスチャー症候群の一部分としてまたは重症の僧帽弁狭窄症において生じる。ときにこれらの肺への出血症状の出現による鉄喪失が鉄欠乏性貧血を引き起こす。なぜなら鉄が再利用されないからである。腎ヘモジデローシスは,赤血球に対する外傷(例,慢性汎発性血管内凝固症候群,心臓弁尖異常または亀裂,人工弁)や,発作性夜間血色素尿症の際の,広範な血管内溶血の結果生ずる。遊離ヘモグロビンが糸球体で濾過され,腎への鉄沈着が生じるが,その際ハプトグロビンは飽和されている。腎実質は障害されないが,重症のヘモジデリン尿症は鉄欠乏を引き起こす。

 遺伝性ヘモクロマトーシスは,中年以前に症状が出るのはまれである。罹患した男性の80〜90%において,症状が発現する前の全身鉄貯蔵量は10g以上ある。女性では,一般に症状が閉経後に発現する。なぜなら月経時と妊娠中の鉄喪失によっていくらか防御されるからである。それゆえ,50歳前に閉経した女性では肝臓の鉄量が高くなる。

 妊娠中と月経時の失血にもかかわらず,女性はヘモクロマトーシスの表現型を臨床上全て発現する;診断につながる臨床的出来事は通常偶発的なものである。なぜなら,鉄過剰の臨床的な症状は晩期に出現するからである;鉄貯蔵初期においては臨床検査による評価が最もよい方法である。女性では疲労や非特異的な身体症状が初期所見である;男性では,肝硬変や糖尿病がしばしば初発症状である。進行した鉄沈着の臨床所見には肝細胞機能障害と肝硬変,青銅様皮膚色素沈着,糖尿病(患者の50〜60%に明らか),および心肥大,心不全,不整脈や伝導障害によって表現される心筋症が含まれる。下垂体機能不全がよく認められ,しばしばみられる精巣萎縮や性欲喪失の原因となりうる。腹痛,関節炎および軟骨石灰化も生ずるが,頻度は少ない。おそらくこれらすべての変化は,実質組織への鉄沈着に起因する。とは言うものの,糖尿病の頻度が家族性に増加するという事実は,膵鉄症以外の因子が関わっていることを示唆している。肝細胞癌が,肝硬変のどの型よりも高い頻度で,長期にわたるヘモクロマトーシスに生じる;発生率はおよそ14%である。

●診断

 ヘモクロマトーシスは,臨床症状が潜行性で臓器が影響を受ける範囲が様々であるので,しばしば重大な組織傷害後の疾患晩期に診断される;このように,全ての臨床像はゆっくりと現れる。先天性溶血状態(例,鎌状赤血球症,サラセミア)のような他の鉄過剰の非遺伝性機序は,適切に除外されなけらばならない。

 遺伝性ヘモクロマトーシスでは,血清鉄が上昇する(300mg/dLを超える)。血清トランスフェリン飽和度は鉄増加の感度のよいパラメーターであり,50%を超える時評価に値する。血清フェリチンが増加し,赤血球フェリチンは200ag/赤血球以上に増加する。尿中鉄排出は,キレート化剤デフェロキサミン(患者の体格に合わせて500〜1000 mgの筋注)によって著しく増加し(2mgを超える/24時間),これは,診断がつかないような状況時に診断のための検査として用いられてきた。さらに,肝臓の鉄量が著しく増加すると,この変化はMRIによって描出される場合がある。肝生検は最高の診断法とされていたが,現在では線維化(肝硬変)の証拠を得る目的でのみ実施される。遺伝子検査は,診断法の選択肢の1つとなっている。肝臓鉄沈着症の証明と肝臓内鉄量の増加(肝臓鉄指数2を超える;肝臓鉄濃度250μmol/gを超える)によって診断が確定される。

 最も優勢な変異であるC282Yおよび,これよりまれな変異であるH63Dについて検査が可能となり,遺伝子型に基づく臨床診断および一親等の親族に対する適切なスクリーニングは,より簡潔に実施できるようになっている。ヘモクロマトーシス症例の95%以上は,これらの遺伝子変異によるものである。

●治療

 瀉血はヘモクロマトーシスの患者の身体から過剰の鉄を取り除く最も簡単な方法であり,生存率を高めるが,肝細胞癌の頻度を変えることはない。瀉血は診断が確定したらすぐに始めるのが最もよい。約500mL/週の血液(およそ250mgの鉄)を,血清鉄レベルが正常になり,トランスフェリン飽和度が50%より低くなるまで取り除く。通常瀉血は毎週行う。鉄貯蔵が正常になっても,トランスフェリン飽和度が10%未満を維持するように瀉血は続けられる。血清フェリチン濃度は,除鉄の際には余り役に立たないパラメーターである。糖尿病,心臓の異常,インポテンス,およびその他の二次性疾患は,治療適応時に治療する。

●遺伝性鉄過剰

 二つのまれな遺伝性疾患である低トランスフェリン血症/無トランスフェリン血症と無セルロプラスミン血症は鉄貯蔵増加を伴う。トランスフェリン欠乏では,吸収された鉄が非トランスフェリン結合鉄として門脈系に入り,肝臓に沈着する。続いて,生理学的需要によって赤血球系に移動するが,輸送機構の低下によってその移動量は減少する。セルロプラスミン欠乏では,フェロキシダーゼの欠如が結果的にFe2+のFe3+への変換を障害する。Fe3+はトランスフェリンに結合するのに必要とされる;この障害された過程によって鉄が細胞内貯蔵から血漿輸送へと移動するのを減らし,組織鉄の蓄積が生じる。

 この移動障害は血清トランスフェリン(すなわち,鉄結合能)とセルロプラスミン(4章「ウィルソン病」参照)の測定によって診断される。トランスフェリンまたはセルロプラスミン(診断による)による補充療法は理想的だが,これらの製品は治療用には入手不可能である。

●非遺伝性鉄過剰

 輸血による鉄過剰と赤血球産生障害(例,先天性溶血性貧血または異常血色素症)によって鉄利用が低下して生じる鉄過剰は一般に病歴によって識別される。これらの状況(ときに続発性ヘモクロマトーシスと称される)は貧血を伴うので,瀉血は不可能である。  デフェロキサミン20〜40mg/kg/24時間を夜間に小さな携帯用ポンプを使って皮下注もしくは静注で投与すると効果的に鉄貯蔵を減らせる。デフェロキサミン療法では速成耐性を起こすので,効果が継続しているか評価すべきである(通常尿中鉄の測定による)。代わりとして,ピンク色の尿を確認した場合は尿中鉄50mg/日を超えている。

●原因不明の鉄過剰

 肝実質疾患,特にアルコール性肝疾患,非アルコール性脂肪肝,および慢性C型肝炎は鉄貯蔵増加を伴う。この鉄増加の機序は不明だが,遺伝性ヘモクロマトーシスは可能性のある背景的病因としていつでも考慮にいれて,評価すべきである。除鉄が遺伝性ヘモクロマトーシスではないこれらの患者の肝機能不全を改善することはないようである。

●参考資料

メルクマニュアル第17版日本語版
 - 第128章 鉄過剰[鉄過剰]
 - 第127章 貧血〜サラセミア
 - 第127章 貧血〜鉄利用障害性貧血

●宮崎泰司, 波多智子(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科原研内科)
「輸血後鉄過剰症とその治療」
日本医事新報, (4462) : 51-55, 2009

●特発性造血障害に関する調査研究班(小滓班)
 - 「輸血後鉄過剰症の診療ガイド」(2008)

●国内における鉄過剰症の診断と治療のガイドライン
小澤敬也(自治医科大学内科学講座血液学部門)





【総説記事・文献】








●データ











●臨床ガイドラインなど











●総説記事・文献











●ニュース・トピックス











●リンク&リソース











●主要サイト















[1233]●製品 Deferasirox (Exjade [Novartis])デフェラシロックス(エクスジェード)


 日本語版註)Deferasirox (Exjade [Novartis])デフェラシロックス(エクスジェード)
 【別名】ICL670, ICL670-NXA、ICL670-NXB、CGP72670 【開発元】Novartis  [DBR_ID]
 【化学名】4-[3,5-Bis (2-hydroxyphenyl)-1H-1,2,4-triazol-1-yl]-benzoic acid ;C21H15N3O4 ; m.w. 373.4.
 【承認】FDA申請=April 29,2005、FDA諮問委承認勧告=Sep 30,2005、FDA承認=Nov 2,2005 ; 【製剤】Tablets for oral suspension contain 125mg, 250mg, or 500mg deferasirox 【適応】(成人と2歳以上の小児の,輸血に起因する慢性鉄過剰症)for the treatment of chronic iron overload due to blood transfusions (transfusional hemosiderosis) in patients 2 years of age and older. 【用法用量】錠剤をコップ一杯の水,オレンジジュース,りんごジュースに懸濁して服用する。投与開始時は1日20mg/kg、血清フェリチン値を見ながら調整
 【作用】1. デフェラシロクスは、3価の鉄イオンに選択的で高い親和性を有する。 2. デフェラシロクスにより体内に蓄積した鉄は胆汁を介して排泄される。 3. デフェラシロクスは、ラット及びマーモセットへの経口投与により、主要な鉄貯蔵臓器である肝臓の鉄濃度を低下させる。 【特徴】鉄に対する高い特異性を持ち、1日1回投与,米国で世界初の承認の経口鉄キレート剤。 従来の鉄キレート剤であるデフェロキサミン(注射製剤)では,輸血の際に投与するだけではあまり効果がなく,輸血後鉄過剰症に対して有効な治療手段がないに等しい状況であった.ところが,経口鉄キレート剤のデフェラシロクス(ICL 670)の開発により,状況が一変することになるものと予想される.過剰となった鉄を取り除くことにより,造血状態が改善する例があることが知られており,また,輸血後の肝障害もその一部は鉄の過剰蓄積に基づくものである可能性がある.今後,経口剤の登場により,鉄キレート療法が積極的に実施されるようになるものと思われる。
 【製品情報】www.us.exjade.com 【添付文書】Exjade Prescribing Information
 【EU】Exjade[Novartis]EU承認2006.8.28;スイス、オーストラリアおよびEUにおいてオーファンドラッグに指定、スイス、カナダ、オーストラリアおよびニュージーランドでも優先審査が認可。
 【日本】「エックスジェード®懸濁用錠125mg、500mg」(一般名:デフェラシロクス)[ノバルティスファーマ]/Exjade 申請2007.3.27 - 承認2008.4.16 - 発売2008.6.16 【製剤〜日本】1錠中にそれぞれデフェラシロクスとして125mg、500mgを含有する。 【適応〜日本】輸血による慢性鉄過剰症(注射用鉄キレート剤治療が不適当な場合) 【用法用量〜日本】通常、デフェラシロクスとして20mg/kgを1日1回、水100 mL以上で懸濁し、空腹時に経口投与する。 なお、患者の状態により適宜増減するが、1日量は30mg/kgを超えないこと。 【製品情報〜日本】エクジェイド製品サイト 【添付文書〜日本】「エックスジェード®」 - インタビューフォーム 【その他】
【開発の経緯】
赤血球輸血は、再生不良性貧血(AA)、骨髄異形成症候群(MDS)、β サラセミア、鎌状赤血球貧血等の難治性貧血患者にとって、予後及びQuality ofLife(QOL)の改善に不可欠な支持療法である。頻回の継続的な輸血により鉄蓄積が進行すると、細胞内の過剰鉄により、肝障害、心障害、糖尿病、皮膚色素沈着等の種々の合併症を引き起こし、不可逆的な臓器障害を生じ、予後が極めて不良となる。
本邦でも厚生労働省特発性造血障害に関する調査研究班により、輸血依存性のAA、MDS及びその他の難治性貧血患者292例の調査が行われ、75例の死亡例中、鉄過剰の関与が疑われる心不全(24%)、肝不全(6.7%)が全死亡原因の約3割を占め、心不全及び肝不全による死亡例の輸血歴は、他の死因(感染症、白血病等)で死亡した患者と比べて有意に高く、鉄過剰症が予後に悪影響を与える可能性が示されている。
このたび開発されたエクジェイド®懸濁用錠は、ノバルティスファーマ社(スイス)が発見した新規のN-置換ビスヒドロキシフェニルトリアゾール(一般名:デフェラシロクス)を含有する製剤で、1日1回の経口投与により鉄を効率的に除去する鉄キレート剤である。デフェラシロクスは計算科学法を用いて理論的にデザインされた化合物で、3価の鉄1分子に対し鉄原子と3座の錯体を形成するように至適化された幾何学的配置をとり、デフェラシロクス2分子が錯体を形成することで、キレート作用を発揮する。また、銅イオン並びに亜鉛イオンなど2価の金属に比較し、鉄イオンFe(III)などの3価の金属に対する選択性が高いため、効率的に鉄を体外に排泄することが可能である。
本剤は欧州で2002年3月に、米国では2002年11月にオーファンドラッグの指定を受け、米国では輸血による慢性鉄過剰症が重篤な疾患であること、既存薬は剤形上の理由から治療施行が困難な患者が存在すること、既存治療薬の施行困難な患者の生命予後の改善は期待できないことから、2003年2月にFastTrack Product に指定され、2005年11月に承認された。また、欧州では2006年8月に承認されており、現在世界104ヵ国で承認されている(2010年5月現在)。
本邦では、2006年5月厚生労働省に対する患者団体からの検討要望を受け、2006年7月の第9回未承認薬使用問題検討会議では、外国臨床データの活用も考慮した上で、早期の承認申請が行われることが望まれると報告された。その後、2007年3月に海外臨床成績並びに国内臨床試験成績をまとめて承認申請し、2007年9月には疾患の重篤性及び本薬の有用性に基づいて優先審査品目に指定され、2008年4月に「輸血による慢性鉄過剰症(注射用鉄キレート剤治療が不適当な場合)」を適応とした製造販売承認を取得した。
US Pharmacopeial Commission
AMA: United States Adopted Names
BIAM
 --- BIAM -ABC順|BIAM -会社順
NLM: MeSH HOme
 ---MeSH Online search


deferasirox


【日本語版コメント1233〜デフェラシロックス(Exjade− Novartis):新規鉄キレート剤】
鉄過剰症は、サラセミアや鎌状赤血球症、骨髄異形成症候群、その他の稀な貧血など、ある種の慢性血液疾患に対する支持治療として輸血を頻繁に行った場合には避けられない疾患であり、時として生命を脅かす可能性があります。鉄過剰症の徴候は、おおよそ20回程度の輸血(総輸血量にして約4L )後に現れる。そのまま放置すると体内に過剰に鉄が蓄積され、その結果、肝臓、心臓および内分泌腺の損傷を引き起こす。輸血に関連した鉄過剰症に対する効果的な治療法として、鉄キレート療法が用いられています。

現在の標準的治療法では、患者が輸血を継続している間、または患者の体内に過剰な鉄分が蓄積されている間、1日につき8〜12時間の鉄キレート持続注入が必要。 deferasirox は、1日1回錠剤をコップ一杯の水等に懸濁して服用する、世界初で唯一の経口鉄キレート剤で特に小児患者において負担の軽減が期待される。

 →詳細は参考資料●MLリソース:鉄キレート剤に纏めた。
<日本語版コメント要約>
・経口キレート剤のデフェラシロックスが、オーファンドラッグとして加速承認された。
・2歳以上の患者における輸血による慢性鉄過剰症(輸血性ヘモシデリン沈着症)の治療に用いられる。
・この他に米国で承認されている唯一の鉄キレート剤デフェロキサミンの夜間皮下注入に比べると、デフェラシロックスの1日1回経口投与は利便性が高い。
・デフェラシロックスが心臓中の鉄濃度に及ぼす作用は評価されていない。



●承認データ:FDA

●2004.5.1 以降 Drugs@FDA

Drug Name(s) =EXJADE FDA Application No. =NDA # 021882 Active Ingredient(s)=DEFERASIROX Company =NOVARTIS Dosage Form/Route =TABLET, FOR SUSPENSION; ORAL: 125MG; 250MG; 500MG Strength = - Approval Date=11/02/2005[000] :Label[添付文書]|Letter[承認書]|Review ●SBAデータ *Medical Review(s)[pdf] *Chemistry Review(s)[pdf] *Pharmacology Review(s)[pdf] *Statistical Review(s)[pdf] *Clinical Pharmacology Biopharmaceutics Review(s)[pdf] **Administrative Document(s) & Correspondence[pdf]
Electronic Orange Book

Application Number: 021882 Active Ingredient : DEFERASIROX Proprietary Name : EXJADE[NOVARTIS] TABLET, FOR SUSPENSION; ORAL: 125MG; 250MG; 500MG Approval Date : Nov 2, 2005 Exclusivity Data : NCE NOV 02,2010 ODE NOV 02,2012 Patent Data : -
●FDA Advisory Committees

参考●ML_ADD資料:FDA諮問委員会〜議題 FDA Advisory Committees FDAAdvisorycommittee.com CBER■Blood Products - http://www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/cber06.html#BloodProducts 2006 | 2005 | 2004 | 2003 FDAAdvisorycommittee.com: Blood Products
ML開催日議題備考
12332005.09.29Novartis Exjade For Iron Overload; CBER Hemostasis, Plasma Derivatives Labs Research Programs
輸血による慢性鉄過剰症の適応についてレビューする。 本剤は市販されている鉄キレート剤Desferal (deferoxamine)の代替薬として優先審査の対象となりユーザーフィーによる審査を受けてきた。 Novartis社の申請は1000例のpivotal研究に基づくものだが、Desferalに劣ってはいないという程度の成績であったため、有効性のエビデンスには不十分とされた。 しかし同社の主張では、それは低用量(5 and 10 mg/kg)が原因で、高用量Exjade (20 and 30 mg/kg)では顕著な効果を示している。 因みに、経口鉄キレート剤がGenzymeでも開発しておりP2段階。※[Brief Information]【審議結果】輸血時のhemosiderosisというより広範囲の適応で承認すべきであるとの勧告。 βサラセミア(β-thalassemia;地中海貧血症)成人患者の試験結果から、諮問委全員が輸血時hemosiderosisに伴う貧血や血液異常にも適用されるとした。 また委員数人が鎌状赤血球(Sickle cell disease)、骨髄異形成症候群(Myelodysplastic syndrome)や他のhemotrophic disordersへの追加試験をすべきだとした。 臨床効果の問題にもかかわらず諮問委は承認に投票。 小児適応に関しては、5人が2才以上okとしたのに対し、8名が6才以上とした。
Exjade (deferasirox)
CDER■Oncologic Drugs - http://www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/cder06.html#OncologicDrugs Oncologic Drugs 2005 | 2004 | 2003 | 2002 | 2001 | 2000 FDAAdvisorycommittee.com: Oncologic Drugs
ML開催日議題備考
12332006.03.14Novartis Exjade (Deferasirox) Phase IV Commitments; Pediatric Clinical Studies For Methotrexate And Daunomycin; CDER Process For Handling Drug Shortages
※Exjade (Deferasirox)は1日1回投与の鉄キレート剤として先ずs-thalassemia患者での試験データに基づき2005.11に迅速承認されたが、FDAのBlood Products 諮問委は2005.9.29審議ではsickle cell disease, myelodysplastic syndromes, or other hemotrophic disordersに対する追加試験データを要求していた。※Brief Information
※【審議結果】
Exjade (Deferasirox)
●EU承認

ema - Human MedcinesList of Authorized Products (EPARs)★[A-Z 承認品目] ★Exjade(deferasirox) beta-Thalassemia/Iron Overload 28/08/2006 Authorised 1. Summary for the public 2. All Authorised Presentations 3. Scientific Discussion 4. Procedural steps taken before authorisation 5. Procedural steps taken and scientific information after authorisation Product Information, please see below Annex I - Summary of product Characteristics Annex IIA - Manufacturing Authorisation Holder responsible for Batch Release Annex IIB - Conditions of the Marketing Authorisation Annex IIIA - Labelling Annex IIIB - Package Leaflet [Name] Exjade [EMEA Product number] EMEA/H/C/000670 [Active substance] deferasirox [INN or common name] deferasirox [Therapeutic area/ beta-Thalassemia /Iron Overload [ATC Code] V03AC03 [Treatment of rare diseases] This medicine has an "orphan designation" which means that it is used to treat life-threatening or chronically debilitating conditions that affect no more than five in 10,000 people in the European Union, or are medicines which, for economic reasons, would be unlikely to be developed without incentives. [Publication details] [Marketing Authorisation Holder] Novartis Europharm Limited [Revision] 12 [Date of issue of Market Authorisation valid throughout the European Union] 28/08/2006 [Pharmaco-therapeutic Group] All other therapeutic products

[Therapeutic Indication]
Exjade is indicated for the treatment of chronic iron overload due to frequent blood transfusions (nン7 ml/kg/month of packed red blood cells) in patients with beta thalassaemia major aged 6 years and older. Exjade is also indicated for the treatment of chronic iron overload due to blood transfusions when deferoxamine therapy is contraindicated or inadequate in the following patient groups:
in patients with other anaemias
in patients aged 2 to 5 years
in patients with beta thalassaemia major with iron overload due to infrequent blood transfusions (<7 ml/kg/month of packed red blood cells).
CHMP Press Releases

CHMP: Committee meeting reports諮問委員会審議品目一覧 - Pending EC decisions(Summaries of Opinion)
 ---Substance/INN  Trade Name  Pharmaceuticalform  Strength  OpinionAdoption Date 
[EU Referrals] human medicinal products[医薬品のReferralリスト]Refferal=紹介の意だが、国別審査方式による製品リスト

4-(3,5-bis-(hydroxy-phenyl)-1,2,4) triazol-1-yl)-benzoic acid  EU/3/02/092 Human Orphan designation details
Exjade (Deferasirox)




未承認薬使用問題検討会議

会議名掲載案件名開催日
未承認薬使用問題検討会議第9回資料06/07/28
第9回開催について06/07/28
第8回速記録06/04/27
学会・患者団体から追加で検討要望があった医薬品 [1]pdf(4品目)(平成18年7月28日)
No.成分名販売名効能・効果等備考 (欧米4カ国での承認状況等)
4デフェラシロックスExjade輸血による慢性鉄過剰患者団体からの検討要望あり米国:2005年11月2日承認
●ワーキンググループ検討結果報告書 平成18年7月28日 デフェラシロックス[2-4]pdf(慢性鉄過剰症) 資料 2−4
医薬品名デフェラシロックス(米での販売名:Exjade)
概 要鉄キレート剤(経口剤)
対象疾病慢性鉄過剰症
外国承認状況米国(輸血による慢性鉄過剰)

[対象疾病について]
鉄過剰症は、体内鉄過剰に伴い肝硬変、皮膚色素沈着、糖尿病、関節症、心筋症などの症状を引き起こす慢性的な病態である。生命予後は、心筋症、肝硬変が規定し、過剰鉄の除去は肝臓、脾臓のサイズの縮小、心不全の改善をもたらすことが知られている。先天性の一次性と後天的な二次性とに分けられる。一次性では、染色体第6番にあるHFE遺伝子によるものが多いが、その他の遺伝子異常も知られてきている。二次性では、@無効造血による貧血に伴うもの(サラセミア、鉄芽球性貧血、再生不良性貧血、慢性溶血性貧血によるもの)、A輸血および非経口鉄過剰投与によるもの、B過剰摂取によるもの、C慢性肝疾患によるものがある。治療は、赤血球系の造血能が保たれているのであれば瀉血であるが、多くの二次性の鉄過剰症のように貧血のために輸血を行わなくてはならない病態であることが多く、実施不可能である。
従来、同効薬として、メシル酸デフェロキサミンが使用されてきたが、注射剤であり頻回の投与が必要であること、半減期が短く効果を持続させようとすると筋肉注射あるいは持続皮下注射を行う必要があることから、血小板減少を伴う再生不良性貧血、骨髄異形成症候群ではことにコンプライアンスが悪く、使用することは非現実的であった。
なお、米国には経口剤としてdeferiproneが存在したが、破壊性関節炎、好中球減少の毒性が一定の割合で生じ、頻回のモニタリングを要していた。

[本剤の医療上の有用性について]
本剤は経口剤である。米国での承認のための試験は、β-サラセミア、骨髄異形成症候群、Diamond-Blackfan貧血患者において行われた。これらはいずれも、二次性の、長期に渡って輸血をせざるを得ない疾患である。主要な試験としては、肝生検により得た肝臓組織中の鉄濃度(LIC)の減少を主要評価指標とし、メシル酸デフェロキサミンに対する非劣性を示すための無作為化比較試験が行われた(Blood 107:3455-3462, 2006)。この試験では、全患者群における解析では主要評価項目における非劣性は示せなかったものの、本剤の用量依存性を検討すると、20mg/kgではLICは不変、30mg/kgで減少しており、開始用量として20mg/kgが推奨されている。毒性は、臨床的には問題とならない程度の腎障害、肝障害であり、15%の症例で一過性の胃腸障害を認め、11%で発疹を認めた。
鉄過剰症の程度を測定する方法はいくつかあるが、肝生検により得た肝臓組織中の鉄濃度を直接測定している。このsurrogate markerが現在までのgold standardとして使用されているが、本来の治療の目標は心不全をはじめとする心イベントの抑制、ひいては生存率の上昇であるべきであり、これらのfirm end pointに対する効果は未だ不明であるものの、心筋内の貯蔵鉄に対する効果は示されている(Blood 2005; 106: 1003a.Abstract)。

[検討結果]
本邦においては、今まで経口剤は存在せず、本剤が使用できるようになれば、現実的には今まで治療方法がなかった血小板減少を伴う輸血依存のある患者にとっては朗報となる。本剤は、軽度の骨髄異形成症候群又は再生不良性貧血患者に対して安易に使用されるべきではなく、使用しなければ心不全や肝硬変となるような長期頻回輸血患者がその対象となるべきであろう。本剤については、国内で悪性貧血患者を対象とした第T相試験が実施されているところであり、外国臨床データの活用も考慮した上で、早期の承認申請が行われることが望まれる。




Novartis AG

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11/03/2005★Exjade(R), a breakthrough once-daily oral iron chelator, receives first approval worldwide in the US
09/30/2005★FDA advisory committee votes unanimously to recommend approval of Exjade(R) for once-daily oral treatment of chronic iron overload due to blood transfusions
06/22/2005★FDA grants priority review for Exjade(R) for the treatment of chronic iron overload due to blood transfusions
05/03/2005★Novartis files Exjade(R) new drug applications for treatment of chronic iron overload due to blood transfusions
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11/03/05★Exjade(R), a breakthrough once-daily oral iron chelator, receives first approval worldwide in the U.S.
06/22/05★FDA grants priority review for Exjade(R) for the treatment of chronic iron overload due to blood transfusions






ノバルティス ファーマ株式会社

News

2005/11/15★1日1回投与の画期的な経口鉄キレート剤 deferasirox が米国で世界初の承認を取得
バルティスは、世界初で唯一の経口鉄キレート剤(1日1回投与)のdeferasirox (海外での販売名:Exjade)が、米国食品医薬品局(FDA)によって世界で初めて承認されたと発表しました。deferasiroxは、成人および2歳以上の小児を対象に、輸血に起因する慢性鉄過剰症の治療薬として承認されました。

現在の標準的治療法では、患者が輸血を継続している間、または患者の体内に過剰な鉄分が蓄積されている間、1日につき8〜12時間の持続注入が必要でした。そのため、多くの患者さんは、鉄キレート剤による治療を中止もしくは敬遠してしまい、結果として、鉄過剰による有害作用のリスクが上昇しています。

deferasirox は、錠剤をコップ一杯の水、またはオレンジジュースやりんごジュースに懸濁して服用する、唯一の経口鉄キレート剤です。deferasirox の承認により、特に小児患者において、負担の重い持続注入治療に代わる新たな治療の選択肢が提供され、鉄キレート剤による治療をより受けやすくなることが期待されます。

deferasiroxの臨床試験に参加した、鎌状赤血球症の患者さんの一人であるJasmine Williams 氏は、「人生の大半を輸血と鉄キレート療法に費やしてきた私のような患者にとって、deferasirox の承認は大きな前進です。deferasiroxを服用することで、注射針やインフュージョンポンプの使用を心配する必要もなくなるでしょう。私はただ薬を飲むだけでよく、その後は翌日まで治療のことを忘れて過ごすことができます。 deferasirox によって、私の人生は大きく変わりました」と語っています。

鉄過剰症は、サラセミアや鎌状赤血球症、骨髄異形成症候群、その他の稀な貧血など、ある種の慢性血液疾患に対する支持治療として輸血を頻繁に行った場合には避けられない疾患であり、時として生命を脅かす可能性があります。鉄過剰症の徴候は、おおよそ20回程度の輸血(総輸血量にして約4L )後に現れます。人の体には、体内から過剰な鉄を排泄する機能が備わっていないため、そのまま放置すると体内に過剰に鉄が蓄積され、その結果、肝臓、心臓および内分泌腺の損傷を引き起こす可能性があります。輸血に関連した鉄過剰症に対する効果的な治療法として、鉄キレート療法が用いられています。

鉄キレート療法について

鉄キレート療法とは、体内や組織内の鉄と結合する薬剤を用いて、尿中および/または糞便中への鉄の排泄を促進させるものです。鉄キレート療法の目的は、輸血によって過剰に体内にもたらされた鉄を排泄し、もしくは既に過剰に蓄積された鉄量を減少させることです。生涯にわたって輸血が必要とされる多くの患者さんにとって、鉄過剰症の第一選択治療として世界的に用いることができる薬剤は、現時点ではデフェロキサミンのみです。デフェロキサミンは有効である一方で、投与に伴う患者さんの負担が大きいため、多くの患者さんが鉄過剰のリスクに自らを曝しながらも鉄キレート療法を行っていません。ノバルティスは、deferasirox の承認が鉄キレート療法による治療をすでに受けている患者さんに貢献するだけではなく、現在は治療を受けていない患者さんにも、同療法のベネフィットを提供できると確信しています。

製品情報
 - 添付文書情報以外に、EBMデータ





●関連資料

ノバルティス、主要プロジェクトの良好なフェーズIIIデータを公表-開発後期パイプラインが充実[2005.9.30]
Exjade (deferasirox) (ICL670) は、2005年6月に米国で6カ月間の優先審査品目に指定され、現在、承認待ちの状態にあります。臨床試験(20-30 mg/kg/日)では、頻回の輸血により過剰となった鉄の除去に有効であることが示され、2005年4月に米国、EUおよびスイスで承認申請が行われました。この薬剤は米国とEUではオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に指定されています。Exjadeは1日1回投与の経口製剤で、生命を脅かす危険性がある慢性輸血性鉄過剰症の患者さんに対し、現行の標準治療薬であり患者さんの負担が大きい注射剤デスフェラールと比較して、治療コンプライアンスとQOLを向上させることが期待されます。
主要疾患における 堅固なパイプライン[pdf,28p]
 - ICL670 (鉄過剰症)P3 
Novartis Oncology and Specialty Medicines ノバルティス オンコロジーおよび専門薬[pdf,55p;2005.1.20]
 -by David R. Epstein, President, Novartis Oncology
CEO, Novartis Specialty Medicines
 -p36-42; 鉄過剰症は幅広い患者に影響を及ぼす
骨髄異形成症候群
Myelodysplastic syndrome
重症サラセミア
Thalassemia major
鎌状赤血球
Sickle celldisease
有病数(G7諸国)〜150,000〜10,000〜90,000
鉄過剰症推定患者数2(G7諸国)〜45,000〜10,000>8,000
ICL670−新しい経口鉄キレート剤 鉄キレート剤 ・ 経口懸濁用錠剤 ・ 1日1回投与 ・ 鉄に対する高い特異性 Desferalは、・緩徐な注入 ・ 8〜12時間 5〜7日/週 ・ 現在はコンプライアンスが悪く、死亡率が高いうえに薬剤の使用法も簡便ではない ・ 多くの患者は治療を先送りしてしまっている

慢性鉄過剰症の治療薬を承認 米国食品医薬品局[熊本日日新聞2005年11月30日]
FDA(米国食品医薬品局)は、輸血に起因する慢性鉄過剰症の治療薬「エクスジェード」(一般名デフェラシロックス)を承認した。

 エクスジェードは、慢性鉄過剰症治療薬では世界初の経口タイプで、経口鉄キレート剤と呼ばれる。1日1回の投与で効果が望め、患者の「生活の質」が大幅に改善するとみられる。

 鉄過剰症は、遺伝に起因するとされる慢性不良性貧血や鎌状赤血球症、サラセミア、骨髄異形成症候群といった疾患を治療する際、大量の輸血をすることで発症。放置すると、体内に過剰な鉄が蓄積され、肝臓や心臓、内分泌せんを損傷する。

 現在の標準的な治療は、患者が輸血中または体内に過剰な鉄分が蓄積中にデスフェラール(一般名デフェロキサミン)を1日1回8時間―12時間点滴で投与。これを1週間のうち5日―6日繰り返すという。1日2回に分けて筋肉注射で投与する場合もある。

 FDAはエクスジェードを患者数が少ないオーファンドラッグ(希少医薬品)に指定し優先審査していた。

06/01/19 未承認薬使用問題検討会議 第7回速記録
 [事務局] 資料2について、概略を御紹介申し上げます。昨年10〜12月の間に欧米4カ
国のいずれかの国で新たに承認された医薬品、いわゆる類型Iに当たりますけど、今回
9つございましたので、資料2に沿って御紹介申し上げます。
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 5番、デフェラシロックスという薬でございますけれども、アメリカで11月2日に承
認されております。内用懸濁液用の錠剤でございまして、輸血による慢性鉄過剰の効能・
効果ということでございます。作用機序としては、鉄キレート剤ということでございま
す。国内では治験が実施されている最中ということでございます。
 [堀田座長] ありがとうございました。手持ちのものがたくさんあった方がいいのはそ
うなんですが、このスキームに乗せるかどうかということについては、切迫性という点
で、今回どうしてもというわけではないということだと思います。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。ネララビンは後にしまして、デフェラシロックスですね。
これについてはいかがでしょうか。
 確かに類似薬のデスフェラールという薬は注射薬で、頻回に打たないと有効でないと
されています。現在、デフェラシロックスの治験は進行中ということでございます。
 いかがでしょうか。コメントいただけますか。私はこの薬に興味を持っていますけれ
ども、緊急性という点でどうかと思います。将来開発されると患者さんにとってのメリ
ットは大きいと思いますが、今治験中でもありますので、これをさらに迅速に推し進め
る状況ではないんじゃないかと思っております。よろしいでしょうか。

★06/01/19 未承認薬使用問題検討会議 第7回資料 - [資料 2]平成17年10月〜12月に欧米4カ国のいずれかの国で 新たに承認された医薬品(類型T)[pdf,5p]
5.成分名: デフェラシロックス(deferasirox) 販売名: Exjade
 承認国: 米国(2005年11月2日承認)
 会社名: Novartis Pharmaceuticals Corporation
 剤形・規格:錠剤(内用懸濁液用)・125mg、250mg又は500mg1錠
 効能・効果:輸血による慢性鉄過剰
 用法・用量:投与開始時は1日20mg/kg、血清フェリチン値を見ながら調整
 作用機序等:鉄キレート剤 ○適応疾病の重篤性について: 重篤とはいえない。
 ○医療上の有用性について: 同種同効薬あり
 ○学会・患者団体からの要望: なし
 ○国内状況: 治験実施中









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関連●--------------------------------
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■2010 -------------------------------
1347★26/19★10.09.20★075★キレート療法の標準外使用/2pMLリソース:鉄キレート剤
■2006 -------------------------------
1233★22/09★06.04.24★035★デフェラシロックス(Exjade− Novartis):新規鉄キレート剤/2pMLリソース:鉄キレート剤
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作成:2006.4.10 最終更新:2010.12.24 小菅博之
The Medical Letter日本語版
●追加メモ to 1233,1347

On Drugs and Therapeutics

このページは[The Medical Letter日本語版]の補足データとして添付しています。 [The Medical Letter]は新薬の厳正な評価誌であり、ここに収録される製品は新しくFDA承認された新薬に対する評価を中心としています。
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